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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
二章【ダンジョンの町でハーレムパーティーと呼ばれて~本当に呼ばれてるだけ~】
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 それからいろいろありながらも一月ほど日々を過ごした。

 なぜかエルザは、初めの二週間の間に四度寝不足になっていた。


 特になにもしていないはずだが、俺には分からないなにかがあるのかもしれない。

 例えば家族が亡くなってしまったからのトラウマなどが…


 半月ほどたったときにエルザの部屋にも、家具購入しようとしたが断られた。

 もったいないらしい。

 ダンジョンでの生計もたったので、大丈夫と言ったのだが…


 ある日「一人では寂しくて眠れないんです」と恥ずかしそうにしていたので、エルザに「意外にお子様だな」と言ったら、図星だったのか複雑な顔をして肯定していた。


 もしかしたらトラウマじゃなくて、他になにか理由があるのかもしれないが、それはエルザが話したいなら話すだろう。


 私生活では頼りっぱなしなので、このくらいの事は気にしなくていいと思う。

 

 エルザはそんな感じだったが、ダンジョンの方が順調になると、エルザの寝不足もなくなっていった。

 もしかしたら生計がたつかを心配していたのかもしれない。


 ダンジョン攻略初めの頃は日帰りだったが、階層が進むに連れて泊まらないと難しくなってきた。


 この前は一度の攻略で五日ほどダンジョンにいた。

 中層の入口に到着するまで、二三日かかるので仕方ない。


 これからは仕事が終わった後は助っ人を頼み、次の日が休み、また次の日がダンジョンで使う消耗品や食料などを購入して、そのまた次の日にダンジョンへというスケジュールにする予定だ。


 夜営をエルザと二人で出来るか少し心配だったが問題なかった。


 実際に俺が仮眠している時に魔物が襲ってきたこともあったが、仮眠中なら俺はなにかあったらすぐに起きれるし、意外にもエルザは魔法やアイテムを使って冷静に対処していた。


 攻略の進捗は低層と中層をいったりきたりして、魔物を討伐している。


 中層の魔物…といってもD級だが…

 そんなD級魔物でも一体でいっぱいいっぱいだった。

 幸い、俺達がいる中層の魔物はどれも気配が強いので、数を読み違うことはなかった。


 気のせいだとは思うが俺達を避ける気配もあった。


 中層くらいになると冒険者の数もかなり減り、会っても一組か二組くらいだ。


 冒険者の遺品も落ちていることもあるので、それはすぐに売るか良さそうな物は持って帰るようにした。

 目利きは自信がないので、それもエルザに決めてもらっている。


 低層の魔物は、俺達なりの討伐法が確立したからか、作業に近くなってきて飽きてきたので、そろそろ本格的に中層を攻略したい。


 そんな慣れが原因なのか自分自身に驕りがあって、低層で気配の読み間違いが起こるようになっていた。

 ここは気を引き締めるためにも中層の魔物と戦いたい。

 さすがに中層の相手では、そんな甘えはなくなると思う。


 エルザにも気配察知と気配の隠し方の訓練方法を家で試したが、エルザは気配を薄くするのは、訓練を続ければ出来そうだったが、気配察知の才能はないみたいだった。


 エルザが出来ればエルザの安全性が上がるのに、という残念な気持ちと、でも簡単に身に付けられたら俺の必要性が下がるので良かったという、なんともいえない気持ちになった。


 ソロの時は戦闘を避け、低層のマップや罠の確認を主にする事で次回二人での行動をスムーズにしていた。


 過去形なのは夜営をするようになって、エルザが寝不足にあまりならなくなったので、ソロでダンジョンに行くことがなくなった。

 熟睡出来なくなるので逆だと思うが…


 ソロではダンジョンに行っていないが、二人の時でもマップの確認等はこまめにやっている。


 ダンジョンの構造は一月で変わるので、あまり意味ないかもしれないが少しは役に立つと思う。

 実際一週間前に変わってしまったし、他の冒険者からは、意味ないよや時間の無駄と言われたが一応やっている。


 いや違うな。


 他の冒険者から言われたからやっている。

 他人の冒険者に言われたことを、聞きたくないだけなのかもしれない。

 そんな子供っぽい意地で続けている。


 さすがにダンジョンで泊まっているのに、それが終わってエルザだけに家事をさせるほど鬼ではないので、一月程の間に助っ人を三度頼み掃除や洗濯をお願いしていた。

 打算が効いているのか、庭の手入れ等の頼んでいないこともやってくれている。


 仕事が終わり帰ってきても基本料理はエルザが作っている。

 最初は元従者達だけで料理も作ってくれていたが、ベッドで俺が口を滑らせてエルザの料理が美味しいと言ってしまった為に無理をさせてしまっている。


 一月の間に三回頼んで来てもらっているし、ほとんどダンジョンにいるのでエルザの元従者達三人で事足りた。


 ツバキはその時に俺の模擬戦の相手や、稽古相手、剣術のことを話し合うために来てもらった。


 ツバキはその三度の訓練でみるみるうちに強く、したたかになっているので参考になるし楽しい。


 ツバキは俺がどんな方法でもと言ったので、初め呼んだ時は不意討ちもやってきたが、俺にはバレバレなので意味ないこと教えてやり、気配の隠し方の訓練も教えてあげた。


 だがそればかりを伸ばして、俺への不意討ちが成功するよりも、単純に剣術を伸ばして一本とった方が現実的ということも伝えると、ツバキも同意見だった。


 それでも、気配を隠すことが上手くなれば対人戦闘で役に立つとツバキは思ったようで、次の模擬戦では利用していた。


 それは俺にも出来そうな技術だったので、少し教えてもらい真似をすると俺も出来るようになった。


 お礼にって訳ではないが、気配察知の訓練方法を教えると、前回の模擬戦ではツバキの回避能力が向上していた。


 こんな風にツバキはいろんな能力を剣に利用するのが上手い気がする。


 もちろんこれも出来るようになった。

 ツバキもこれは、前回みたいに真似されたら堪らないと教えるのを渋っていた。


 俺も教えられる技術はこの二つしかなかったので、どうしようか困り、昔ドルク(師匠)に教えてもらった、訓練中や訓練していない時の剣の向き合い方を、俺なりの解釈付きで教えた。


 すると涙ぐんで喜んでいた。

 剣士として何歩も進めた気がしたらしく、握手をして手を振りながらお礼を言われた。


 お礼された後に回避方法を教えてくれるのを期待したが、初めは渋られた。

 あぁそんな奴か…と思っていたら、冗談だったみたいで、しっかり教えてくれた。


 そんな感じでお互い強くなっているので、まだ一本もとられてない。

 とられていないが、俺がとれる本数は少なくなっている。


 最初の模擬戦では一分で五本とれたのに、前々回では五分で十本、前回は五分で五本だった。


 いつかは俺を…


 いや。これからもとられる予定はない。

 予定はないが、万が一とられたところで、何度も言うが俺は魔術師だしな。


 資金の方は順調で貯金とドロップ品、遺品が貯まって来た。

 半年くらいは贅沢や大きな買い物をしなければ、依頼を受けなくても生活出来るくらい貯まった。


 そろそろ従者の事を言っても良い時期ではないだろうかと思いながらも、なかなか言い出せない日々を過ごしていた。

 きっと前の世界で、夫が妻に大きな買い物をしたいが言い出せない感じなのかもしれない。




「カイ様、そろそろ奴隷を購入してはいかがでしょうか?」


 そんな日々を過ごしていると、意外にもエルザから提案があった。

 俺から言おうとしたが手間が省けた。


「そうだな。俺もそう思っていた。明日にでも奴隷館に行こう。それで誰を買うのか決めているのか?」

 従者のなかでも好き嫌いがあるからな。


「え?僕が決めるんですか?」

 不思議そうな顔をしていた。


「当たり前だろ。俺はあまり知らないからな」

 エルザの元従者なんだからエルザが詳しいだろう。


「そうかもしれませんが…それでもカイ様が選ぶべきです。主人になるのですから」

「そうなのか?別に俺はあまり関わるつもりはないし、エルザの相性が良ければ誰でもよかったんだが…」


 そう言うと喜んでいるみたいだったが真剣な顔をした。


「配慮してくれるのは嬉しいですが…」

「それならそれでいいじゃないか」

「いえそれでもカイ様の相性の方が大切ですし…やはり主人はカイ様ですから少しは関わって下さい。お願いします」

「すまない。エルザに頼りきりだったな。わかった。俺も努力はするよ。今日奴隷館に行ってみよう」


 朝食中エルザの提案から奴隷館に行く事になった。


 奴隷館に行き受付でルータさんに取り次いでもらい、しばらくすると奥に通され、いつもの部屋に入るとルータさんがいた。


「おはようございます。今日は購入を考えていると聞きましたが間違いないですか?」

「はい。それで従者を…」

「えっ!?従者ですか?戦力増強のために買うんじゃなかったんですか?」


 驚いていたが、逆にこっちが驚いた。


「こっちがえっ!?だよ。家でのエルザの負担を減らすために来たんじゃないのか?」

「違います。中層へ攻略を始めたので、戦力を増やしに来たと思っていました」


 それからしばらくの間、従者と戦力増強で言い争いをしていた。


「すみません。それを決めてからまたお越し頂いてもよろしいですか?」


 確かにルータさんもそこまで暇じゃないのかもしれない…


「それにエルザ。あなたは奴隷なのですからカイ様の言うことを聞くべきです」

「カイ様申し訳ありま…」

「そうですね。今日は帰らせて頂きます」

 なんか言い始めたが遮った。


 遮った後、腹が立っていたので奴隷館を出た。

 最後までお読みいただきありがとうございます。

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