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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
二章【ダンジョンの町でハーレムパーティーと呼ばれて~本当に呼ばれてるだけ~】
18/59


 夜中、何かの気配がして目を覚ました。


 エルザか…

 ホッとした瞬間、自分がやっていることに驚き、寒気がした。


 俺の両手には刀を持って、矛先を眠っているエルザに向けていた。


 初めて人と同じ部屋、同じベッドで寝ていたからなのか、危うくエルザを刺しかけた。

 これほど自分がヤバい奴とは思わなかった。


 人と生活するのに慣れないとな…

 エルザを殺してしまったら、俺のなかのなにかが壊れて、取り返しのつかないことになってしまう。


 危ないのでこれからは、武器類を次元カバンの中に入れて寝よう。


 防犯の家具やアイテムも取り付けもしたので、防犯面で問題はないはずだ。



 朝起きるとエルザはまだ眠っていたので、起こさない様に静かにベッドから出てルーティーンをした。

 ルーティーンをやっているとエルザが起きてきた。


 たぶん大丈夫とは思うが、昨夜起きていたらと思うと不安だった。


「申し訳ありません。カイ様より早く寝たのに、遅くまで起きれませんでした」


 凄くバツの悪い顔をしていた。

 良かった。起きてはなかったようだ。


「疲れていたのだろうし今の時間でも十分早いので問題ない。それよりも…体調はどうだ?ダンジョンに行けそうか?難しいようなら一人で行くが…」

「だ、大丈夫です。体調は万全なので僕も一緒にダンジョンに行けます。(それに今夜こそ…)」


 あれ?今日はそこまで深く潜らないと行っていたのに…

 まぁいいか。やる気になっているのは嬉しい。


「よろしく頼む。エルザもそんな所にいないで、一緒にやるか、それとも朝食の準備を頼んでいいか?」

「すみません。お誘いは嬉しいですが、いい時間なので朝食の準備をします」


 小走りで家に戻っていった。


 しばらくするとエルザが呼びにきたので、美味しい朝食をとった。


 朝食中にエルザは、魔法の訓練する時間はどうしているのか聞くとやはり難しそうだった。

 家事で手一杯みたいだ。


 俺も手伝えればいいが、手伝うと余計に仕事を増やす。


 だからエルザの元従者を買うかと相談するとやんわり怒られた。


 まずは生活の基盤をたててからだったり、まずは新しい戦力が優先です等と説教を賜った。

 反論できる事もなく肯定していた。


 朝食をとった後ダンジョンに向かった。


 エルザの武器は、俺が持っていた杖をエルザが持ってなにやら試していた。


 賢者ゴブリンが持っていた杖が一番良かったらしいのでそれを貸した。


 他の物ならあげても良かったが、記念の物なのであげれなかった。


 男らしくあげたかった…

 くそっ、副マスに魔石を譲らなければよかった…

 口止めも失敗したし…


 他にもいろいろ考えたり、後悔したりしていた。


 そんな事考える事が女々しいのかもしれない。

 ごちゃごちゃ考えないで譲るなら譲る。譲らないなら譲らないでいいじゃないか。


 エルザにはこんな事考えてるように見せてはないと思うし、エルザも気づいているように見えないが…


 万が一エルザは優しいので気づいていない振りをしていたら、嬉しいがそれと同じくらいかなり恥ずかしい。



 エルザの武器も決まったし、次元カバンだけを持って出ようとした。


「待ってください。次元カバンを普通のリュックやカバンに入れて、次元カバンを隠した方が良くないですか?」


 そうだったな。そんな簡単なことに気づかないとは…

 俺もこの街に着くまではそうしていたのに。


 次元カバンはかなり貴重なのだ。

 俺達は二人とも持っているが…


「…ごめん。その通りだ。ダンジョンが楽しみで忘れてしまった。これからもなにか気づいたら、遠慮なく意見してく…意見してもいいから」


 してくれ。は命令になってしまうので、言い方を気にしないといけない…

 俺に対する文句はいいが、トイレとか恥ずかしいことも言わないといけなくなったら嫌だろうしな…



 とにかく初ダンジョンだ。

 大きな楽しみと少しの不安を抱えて家を出た。


 ギルドで、ダンジョンの序盤で出てくるドロップ品の依頼を受けようとしたが、エルザが今日は様子を見るだけにしましょう。と言ったので、ギルドで潜ることだけ伝えてダンジョンへ向かった。


 依頼を受けておけば、依頼品が必要数以上に集まった時は依頼を受けてた人が優先になるので、依頼を受けておいた方がいいと言ったのだが…


 二日間だけだがエルザの助言を聞いて、悪かった事がないので従った。


 午前中ダンジョンは思ったより苦戦した。

 ダンジョンの魔物にではなく冒険者達にだ。


 冒険者達にといっても別に俺達を攻撃した訳ではない。

 これも冒険者の安全第一の弊害か、冒険者達が沢山低層にたまっていた。


 更に魔物を討伐する縄張りみたいなのがあるみたいだった。


 俺の気配察知は、何かがいることが分かるだけなので、魔物と思いエルザにバフをかけてもらい向かったが、冒険者達って事しか起きなかった。


 そもそもダンジョンの魔物をまだ見てさえいない。


 いい時間になったので昼食をとり始めた。

 エルザと次元カバンのおかげで美味しい昼食だ。


「エルザの言う通りにしておいて良かった」


 これでも俺は依頼達成率が100%なので(事件の時はノーカンにしてくれた)、こんなことで下がらなくて良かった。


「いえ。僕は奴隷館でダンジョンの状況を聞いていただけなので」

「そうなのか?それなら教えてくれれば良かったのに」


「すみません。僕自身は初ダンジョンで行ったことことがなかったので、噂を鵜呑みにして万が一違ったら、カイ様にご迷惑や、奴隷館に対する心証が悪くなるのを避けたくて…」


 エルザの気持ちも理解できるが少しだけ腹が立った。


「エルザのアドバイスを聞いて、万が一違ったとしてもそれは俺の責任だ。俺が最終的には決めたんだから」


 きっと、ドラマとかである自分の失敗を、下の立場の人間の責任にする奴がいるので、奴隷は発言を気にするのかもしれない。


 俺をそんな奴と思われたことも少しは腹立つ。


「今回万が一違った場合、エルザの名誉?なのかはわからないが、そんな感じの内側にあるものだけが傷ついたはずだ。違うか?」


 こちらの方が腹立ったので少し強く言ってしまった。


「はい…」


 エルザは落ち込んでしまったが、これは言わなければならない。


「そういう自己犠牲は美徳なのかもしれないが、俺は嫌いだ。これからは不確かな情報でも、それを含めて教えてくれ。それで間違っていて、不利益があったとしても俺の責任だ。エルザが気にする必要はない」


「はい。分かりました。…でも間違っていたら気にしますよ」


 …確かにそうだな。


 逆に、アドバイスを聞いて不利益があった時に、最終的にはお前が決めたんだから、私に全く責任ありません。って思われるのもなんかムカつくし、エルザはそんな人間になってほしくない。


「…その、そのなんだ。エルザだけの責任じゃない。二人の責任だし、責任の度合いも、決めた俺の方が大きいってことを言いたかったんだ」


 先ほどまで強い口調で話していたのに、それが間違っていたので恥ずかしくて、言い訳じみた言い方になってしまった。


 どうしてこうも締まらないのか…

 だがエルザが声色(こわいろ)が良くなって了承していたので、まぁいいか。


 昼食がすみ、これからどうするか考えた。


「それにしても困ったな…冒険者達がいない層まで降りるしかないか…」

「そうですね…でも戦力が心配です」

「そうだが…でも一度だけ行ってみよう。逃げるだけならなんとかなると思うし、俺達になにが足りないかも分からない」

「それもそうですね。なにかあったら僕を置いて…」


 またか…と無性に腹がたった。


「エルザっ!つまらない事を言うな!大丈夫だ。それにエルザが死んだら俺は…その、なんていうか…そう、大損だ。貯金のほとんど使ったんだぞ」

「ふふっ、そうですね。カイ様にはまだなにも返してないですし、二人で必ず帰りましょう」


 返してはもらっているが…


「そうだ。大金の分くらいはしっかり働いてもらうぞ」

「はいっ!頑張ります」


 俺自身酷い事を言っているのは自覚しているが、エルザはなにが嬉しいのやらやる気になっていた。


 自分だけならこんなに緊張しないが、他人の…エルザの命までかかっていると思うと緊張してしまう。

 二人でなら大丈夫だと思わない時点で俺はきっと…


 それなら行かなければいいのに、それよりも冒険心が強い。

 こんな俺について来てくれるだけで、エルザにはなにかを返してもらっている。



 冒険者が溜まっている低層から、まだ低層だが中層よりの冒険者達があまりいなさそうな、場所まで降りていった。


 少ない気配を探した。

 魔物の数は少なければ少ないほどいい。

 数はまさしく力だ。

 

 俺達に数なんて気にしない力があれば違うのだろうが…



 四つ、三つ、五つ、五つ、四つ…

 どうやらこの辺りの最小は三らしい。


 魔物を視認すると、知っている魔物だったので、いろいろ指示を出した。

 エルザに風バフのスピードアップをかけてもらい、魔物の方へ突っ込んだ。

 最後までお読みいただきありがとうございます。


 家具購入の時に、防御グッズを買っているのを書き忘れていました。


 つじつまを合わせるために、前話でそのことを加筆しました。


 こんなことが続くと思いますが、これからもよろしくお願いします。

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