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あとがきにお願いがあるので、出来ればあとがきの最後まで見て頂きたいです。
「ちょいなめすぎとちがう」
なかなか鋭い振りだったが…
「まだまだだな」
普通に止めたが力が強いのか、振りが重く少し手が痺れた。
しかし、それは見せないようにして対戦は続いた。
受け止めないように避けるか、流すかすれば俺に負ける理由はない。
まぁ、ツバキは自信があるだけあってラキよりも強い。センスだけなら俺よりもありそうだ。
だからといって足りない。
だから言ったとおりまだまだだ。
訓練が足りない。
対人戦の経験が俺より少ないそうだし、他にも足りないものが目に付く。
足りない事だらけだ。
俺でそう思うくらいだから、本当にまだまだなんだと思う。
一分くらい攻めさせると俺も反撃を始めた。
反撃を始めて一分くらいで、有効打を寸止めで五回いれた。
五回目でツバキは木刀を地面に刺した。
「あんさんのやり方ひどいわーっ」
当てた方が良かったのか…
やはり人との付き合いは難しい。
「降参や。降参!」
「…そうか。まぁお前も自信あるのかもしれないが、まず訓練が足りないな」
「しょうがないやん…うち奴隷やし…」
そうだった…
なんか地雷を踏んだ気がする。
少し酷かったかもしれない。
「…すまない」
「あんさんが謝る必要ないわ」
それもそうなんだがバツが悪い。
それにしてももったいない。俺より才能があるのに…
そうだ。
「お前さえ良ければ訓練に付き合ってくれるか?奴隷館で家事の手伝いを頼んだ時にお前も来てもらう…どうだ?」
俺自身も対人戦闘の経験はほしいし。
「そらー嬉しいわ。どうせなら買って欲しいわ」
「魔術師の俺より弱い奴を買ってどうするんだ?まぁ俺から一本とれたら考えてやるよ」
「ほんまに?考えるだけちゃいますか?」
「あぁわかった。買ってやるよ。どんな方法でもいいから一本とれたらな」
少し驚いていた。
意外だったのか?
「…その言葉忘れるんのはあかんで」
鋭い目付きだった。
「あぁ。俺は出来ない約束はしない主義だ。まぁお前が勝つより、俺がこの街から出るのが早そうだがな」
「なんやそれーっ。時間制限もあるん。あんさんやっぱ酷い人やわー」
「ははっ。…まぁ頑張れ。約束は守るよ」
初対面の奴に初めて笑った気がする。
ちょっと恥ずかしかった。
「頑張るわ。それまでお金貯めといてなぁ」
「あぁ頑張れ。貯めておいてやるよ」
「頼むわ。ダンジョンもあるからあんさんなら早く貯まると思いますわ」
「…えっと…その、お前に…ダンジョン経験者にいわれると少し自信が出るな」
名前なんだっけ?
一応ルータさんから紹介があったんだけど…
「うちはツバキや。一応自己紹介されたんやけどな。あんさん他人にもうちょい興味もちなはれや」
「うるさい。まぁ俺はカイだ」
「知ってますー」
その後ツバキと、訓練方法や戦い方等の剣術談義をしているとエルザ達が帰ってきた。
短時間でなにか掴むものがあったのかもしれない。
剣術談義中は終始真剣に聞いたり、質問したりしていた。
こういう奴は強くなる。
俺よりも強くなってしまうかもしれないが、そう簡単に追い越させる気はないし俺は魔術師だ。
エルザ達が帰ってきたので、剣術談義は終わりだ。
ツバキは残念そうにしたあとに、「また必ず雇ってな」と言って、俺が了承すると助っ人達へ合流していた。
それから助っ人達全員にボーナスを渡して奴隷館に戻した。
奴隷館に助っ人を返している間、エルザには夕食の準備をお願いした。
それからも大変だった。
死体の片付けと部屋の掃除、家具の手配が終わり夕食を食べて寝るだけだ。と思っていたらご近所さんへの挨拶が必要らしい。
その為に夕食も沢山作っていて、それを手土産にするらしい。
昨日みたいになにかあった時に、ご近所さんと仲良くしておくと、証言をしてもらったりして庇ってもらえたりするらしい。
逆にしておかないとなにかあった時に、証言してもらえなかったり、下手すると犯人にされたりするらしい。
まぁ俺は、エルザが挨拶中に愛想良く横に突っ立っていただけだが…
俺だって一応元貴族だ。愛想笑いくらいできる。
ただご近所さんは俺のことを…
やめよう。なんか泣きたくなるし…
挨拶が終わり、家に帰ると打算が効いたのか、助っ人達がお風呂まで準備してくれていたらしい。
先にエルザに入らせようとすると遠慮していたので、先に俺が入った後エルザが入った。
女性のお風呂にしては早く出てきたので、気を使ったのかもしれない。
女性のお風呂の時間なんて、前世の世界の情報でしか知らないが…
エルザが風呂から出てくると、夕食を一緒に食べた。
今まで食べてきたなかで一番美味しい。
それはエルザの料理がうまいのか、二人で食べているから美味しいのか迷ったが簡単だった。
きっと両方だ。
エルザにその事を伝えると照れながらお礼を言っていた。
エルザを買ってしまった時は少し後悔したが、エルザがいるといろんな事を知れるしなんだか安心する。
短い間でこんなに信頼するなんて俺ってチョロイ?
こんなんじゃいけないと思いながらも、すぐに陥落されそうだなと時の流れに身を任せることにした。
まぁ今ではとても助かっているので、エルザにはこのまま側にいてほしいと願いながら、エルザが作った料理に舌鼓を打っていた。
夕食後、エルザが買って来てくれた家具を設置していった。
俺には良し悪しは分からないがシンプルで良い感じだ。
俺のベッドが大きかった。
俺なら5人、詰めれば10人くらいは寝れるサイズだ。俺の部屋は一番広いが半分くらいベッドに占領されている。
だがエルザの部屋の物があまりない…
寝るベッドさえないのだ。
「エルザ。なんで自分の物が少ないんだ?」
「すみません。カイさ、か、カイの」
「もう別にカイ様でいい。それで」
戦闘中に様をつけるのは指示が遅くなると考えてそうしたが、逆に遅くなっているし、呼び捨てを強要するのは、俺のわがままでしかないと思い諦めた。
仲間とは気安い関係が良かったのと、恥ずかしいのを我慢すればいいだけだ。
「はい。カイ様はベッドにこだわってらっしゃつたので、そちらに予算と、防犯のためのもので結構使ってしまいました。それに僕はソファーで大丈夫です」
別にこだわっていたわけでもないんだが…
そりゃあこんなに広いベッドなら予算もなくなるだろう。
それに一度泥棒が入った場所は危ないと聞くしな…
抜けていた俺が悪いか…
「…はぁーっ、もういい今日は俺のベッドで寝ろ。ベッドもこだわったとあって広い」
「そんな申し訳ないです。(それにまだ心の準備が…)」
呟いた言葉も聞き取れた。
心の準備ってなんの準備だ?あとは寝るだけだろう。
そうか明日ダンジョンだからな。それなら尚更だ。
「ソファーで寝て明日のダンジョンでなにかあったらどうする?二人しかいないんだからな」
「えっ…二人なんですか?カイ様は他に仲間は…」
自分の格好悪いところを知らせるのは恥ずかしかったので、過去の話はしなかったが、いつかは俺の過去を話そうと思った。
「いないぞ。だが安心しろ。俺もエルザも初ダンジョンだから、様子見でそんなに深くまでは行かない」
「そんなんですね。でも…」
埒があかないのでエルザを抱き上げ俺の部屋まで送り、ベッドに置いた。
エルザが「まだ…心の準備が」や「初めてなので」等行っていたが、明日ダンジョンに行くのは決定事項なので「俺も初めてだからドキドキしてる。二人なら大丈夫さ」と前向きな事を言うと驚いた顔をして静かになった。
俺だって緊張くらいする。
だがそれより冒険をしたいのだ。
ベッドについてからもエルザはなにやら緊張していたが、昨日あまり眠れなく今日も忙しかったからなのかすぐに眠っていた。
それからしばらくして俺も眠りについていた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回はお願いが二つあります。
意地が悪い私は、主人公としっかり絡む最初の女性に、主人公は騙されて殺されかける話を作る予定でしたが、あの状態の主人公が騙されて殺されかけたら、さすがに誰も信用出来なくなるかと考え直してやめました。
私の前作や、普通のハーレムみたいにあまあま展開にはしばらくならない予定ですし、なるかどうかも分かりません。
むしろ作ろうとしている話をハーレムと呼んでいいのかすら私には分からないので?を付けました。
そういう展開を期待されている方へ、あらかじめご了承して見て頂ければと思います。
二つ目はツバキは京都弁で喋りますが、関西出身じゃないので、間違った使い方をしている可能性が大いににあります。
一応自分なりに調べて書いていますが、間違っていて不快な思いをされたなら申し訳ないです。
エセ京都弁と思って許してもらえばと思いますが、あまりにも間違った使い方をしていた場合は教えて頂ければとてもありかたいです。
一つ目をエルザ登場時、二つ目をツバキ登場時のあとがきで書く予定でしたが忘れていました。すみません。
あとがきの最後まで見ていただきありがとうございます。




