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【一部完】世界を救っているのに自分は気づかない話  作者: おむすびさん
二章【ダンジョンの町でハーレムパーティーと呼ばれて~本当に呼ばれてるだけ~】
16/59


 なんと家を出る時は、鍵を閉めないといけないらしい。


 ってそれもそうか。

 防犯のためにはそれが当然だ。

 自慢じゃないが戸締まりをしたことがないからな。慣れというのも怖いな…


 次からは気を付ければいいか。

 まさか、すぐに泥棒や盗賊なんかいないだろう…

 そんな時に限っている気がする。


 エルザは玄関に待機させて家のなかに入った。


 エルザは自分が行きます。と言っていたが、気配を探れるし、自分の気配を隠せるので俺の方が適任だと言うと引き下がってくれたし凄いです。と褒めてくれた。


 折れた鼻が…ってそれはいいか。


 気配を探っても見つけられなかったが、泥棒等は俺のように気配を隠すのが上手いだろう。

 一部屋、一部屋慎重に探りながら安全確認していた。


 案の定、俺の部屋に知らない人達がいた。

 なぜか既に死んでいたので、エルザにとりあえず兵士を呼んでもらうように頼んだ。


 エルザに呼んできてもらっている間に、残りの部屋も捜索したが、他の部屋に人はいなかった。


 兵士達が家に来て、状況を説明すると事情を聞く為に連れていかれた。

 その際に兵士が泥棒達の首を…

 身元確認のために必要なのだろう…


 その光景はエルザには刺激が強そうだったので、エルザに戸締まりを頼んだ。


 家に荷物を置いておくのは怖かったので、荷物を次元カバンに入れていた。


 家から出る際、エルザが鍵をしっかり閉めていた。



 取り調べをする場所では、次元カバンを預けなくても良かったが、中にいる間に次元カバンを使ったらいけないと忠告された。


 事情といっても知りたいのはこっちだったが、質問に正直に答えてしばらくすると解放された。

 ちなみに鍵を閉めないで出たと話した時は呆れられた。


 俺だって反省しているよ。


 兵士さんの話では、俺の家に入ってみたが引っ越したばかりで奪える物が少なく、貴重品が高価な物ばかりだったので仲間割れしたのではないかと教えてくれたが、真相は分からないらしい。


 そこで嫌な事実を知ってしまった。どうやら父上の形見の剣はシュリさんの作品らしい。


 シュリさんに殴られた原因は、鞘はそうだけど剣は違うので怒ったのかもしれない…


 もし折った事がバレたら…

 シュリさんこだわり強そうだったし、自分が作った装備品をとても大切にしていた。関係修復は無理かもしれない。


 だがまだ大丈夫だ。と俺は誰かを説得していた。


 取り調べが終わったのは夜遅かったので、今日はここで夕食を食べて寝る事にした。

 貸せる部屋が一つしかなく、エルザと同じ部屋に寝る事になった。


 その際「うるさくするなよ」と言われたが、俺を危険人物として見られているのか?

 いっそ暴れてやるかとも思ったが「そんな元気ないですよ」と否定すると笑われた。



 朝起きると朝食までご馳走になった。

 さすがにエルザは人が死んでいる場面を見て眠れなかったのか、寝不足の顔をしていた。


 心配すると「大丈夫です。これから頑張ります」と健気に言っていたので「頑張る人は好きだけど、無理はするなよ」と釘を刺しておいた。


 エルザが人の生き死にに慣れ過ぎるのも嫌だった。

 そう願うのに俺はエルザに、こういう事をする世界に足を踏み入れさせるのかと思うと、俺はいったいどうしたいのだろう…


 泥棒達は賞金首が懸かっていたみたいで、お金をカードに振り込んでもらい帰った。


 エルザの購入金額の一割もなかったが、しばらくの生活は安泰になった事は唯一良かった事だ。


 帰った後に残念な事に気付いた。

 首無し死体が残っていたのだ。


 死体の片付けくらいしてくれてもいいのに…と愚痴ったら、泥棒の所持品は片付けた人の物になる為、万が一盗まれていた物も、片付けた人に所有権がある事を教えてくれた。


 だから最初の盗賊の装備品も貰えなかったのか…とこの世界のことを一つ知った。


 部屋の掃除はエルザだけでは大変だろうと、奴隷館に手伝いを手配しに行かせようとしたが、一人で大丈夫なようだ。


 エルザに無理言って俺も手伝ってみたが…

 オブラートに包まれた戦力外通告を受けてしまった。このままいても邪魔になると思い庭で訓練をしていたが…


 やはり一人では大変だと思い奴隷館に向かった。

 気になって訓練に集中できないしな。


 なにしろ八人もの死体がこの家にあるのだ。

 それを処理するのに俺だったら一日経っても終わらない。

 元貴族のエルザにも厳しいだろうと思った。


 家の掃除の手伝いを奴隷館のルータさんに頼んだ。


 ルータさんは絶対にエルザの勘違いに気付いていたはずだ。


 だからそれくらいはしてくれるよねって事と、これからも貸し出しのサービスを定期的に利用する事を匂わせて、交渉の甲斐あってかこれからも安くで貸し出してくれる事になった。


 部屋に戻ると、あまり進んでないようで俺の選択は間違いではなかった。


 エルザは人員が増えた事に、驚いていたが感謝をしていたので「このままでは昼食が食べれないからな。エルザが作る料理を早く食べたい」と言うと、助っ人に掃除を頼んで昼食の準備を始めた。


 やはり定期的に利用するのは良いことだろう。

 依頼後やダンジョン攻略後は疲れて、なにもする気が起きないからな。


 さすがに仕事が終わった後に家事をさせるほど鬼ではない。

 俺は戦力外だしな。


 それからエルザは張り切り過ぎたのか、食べきれないほどの食事を作ったので、助っ人達も一緒に料理を食べた。


 エルザも含めて恐縮していたが、時間と食事の無駄だからと言って食べてもらった。


 次元カバンがあるしエルザがその事を言おうとしたが、そんな野暮な事は聞くなとエルザに目で訴えるとなぜか嬉しそうに黙っていた。


 どうやら助っ人のなかに、エルザの家の従者が何人かいたみたいだった。

 ルータさんの仕業だろう。


 それから早く綺麗に終わったら、少しのボーナスを与える事にもした。

 まぁ本来払わないといけない値段の差額分を渡すだけだが。


 これからも使っていくつもりなので、しっかりやってもらおうという打算も少しはあったが、俺は早くダンジョンに潜りたいのだ。

 こんな事早く終わらせてほしい。


 俺の打算が成功したのか、助っ人達のペースも上がり一段落した。

 エルザと従者達は、家具を買って来てもらう為に外出してもらった。


 正直家具なんて備えつけの物があるし、俺はベッドさえあって、奇抜じゃなければどうでも良いが、使い勝手や掃除のしやすさ等、俺には分からないなにかがあるんだと思う。


 備えつけのベッドで泥棒が死んでいたので、必ず買って来て欲しい事と、奇抜なデザインはNGということを伝えて好きに選ばせる事にした。


 残った者には終わったら(くつろ)いでいればいいと言って俺はまた訓練に戻った。


 訓練をしてしばらくすると視線を感じ、そちらを向くと俺より背が高いイケメン助っ人の一人が見ていた。


「掃除は終わったのか?」

「はい。確認なさいますか?」

「それはエルザに任せる。あと楽にしゃべっていい」

「堪忍な。助かるわ」


 一気に砕けたな…

 まぁそっちの方が話しやすいしいいか。


「で他の奴はどうした?」

「旦那はんが言った通りに寛いでおりますわ」

「そうか…でお前はなにしてるんだ?」

「ちょっと旦那はんが凄い訓練していたんで、見学させてもらいましたのや」


 まぁ俺のは素人が見たら凄いのかもしれないな…

 ザーザさんにも誉められたし…


「まぁ、頑張ってきたからな。でも上には上が沢山いるよ」

「旦那はん…上には上がいるってのは分かりますが、沢山はいてはらんのちゃいますか」

「それはお前が世界の広さを知らないだけだ」


 ツバキは少し不服そうな顔をした。


「うち、ダンジョンに臨時パーティーで潜っていろいろなお方の腕見て、うちは強い方に入る自信ありますが、そんなうちよりも上のように感じますわ」


「うーん…」


 俺は一回戦敗北だし、盗賊の頭にも剣術では負けたし、ドルクにも結局一度も勝てなかった。

 剣だけで勝てた奴はラキだけだ。


 あの時の盗賊の頭には今では五分な気がするが…

 自分の見立てだからな…


 ドルク(師匠)には…

 ただ師匠も強くなっているって言ってたからな…


 そんなドルクにも勝つビジョンがまだ持てない…

 まぁそのくらいの腕だからな…


 剣聖の弟子達、ましてや剣術大会優勝してから無敗の剣聖なんかには勝てる気がしない。


 まぁ何度も言うようだけど俺は魔術師だけどな…


「ぼーっとなに考えてますの?」

「負けた事を思い出していた。でも俺は魔術師だからな。上には上がいるのは仕方ないさ」

「はーっ!?なに言うてはりますの?」


 そんなに驚くことか?


「それなら一つ、うちと戦ってくれまへんか?」


 少し考えたが戦ってみようと思った。

 俺には対人経験が少ないからな。

 なにか見えるかもしれない。


「分かった。いつでもいいぞ」


 しばらく見つめ合っていた。

 俺から攻めていいのか?

 多分俺の方が強いからそんな訳ないか…


「早くかかって来い」


 ドルクの真似をして少し隙を見せた瞬間、ツバキが突っ込んできた。

 最後までお読みいただきありがとうございます。

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