もし夫が勇者に選ばれたら
勇者が魔王討伐してパーティーの女性と結婚する話は多いですが、勇者が結婚していたらどうなんだろうと思って書いたのがこのお話です。
需要があるかわかりませんが、隙間産業が大好きなので読んでいただけたら嬉しいです。
妊娠中の女性に対する暴力場面があります。
気になる方は読まない事をオススメします!
オリシール王国の北東の山間にあるラグラン村という小さな村で、アレクとレーナは生まれ育った。
2人は同い年の幼馴染。いつも一緒になって遊んだり学んだりして、将来は2人は結婚するだろうと周りも本人達も思っていた。
レーナの家は、布を草木の汁で染める染め布屋をしていた。
レーナは染めた布を使って服や小物を作るのが得意だったので職人として忙しく働いていた。
そしてアレクは腕利きの狩人として働いて、お金をたくさん稼いでいたのだった。
子供の頃から可愛らしい顔立ちだったアレクだったが、狩人になり身体が大きくなると精悍さが加わり近辺の村にはいないような美丈夫な青年になったのである。
当然、若い娘達は誰もがアレクに憧れて彼の花嫁になりたがった。
レーナも愛らしい顔をしていたが、アレクのように一際目立つ顔立ちではなかったので、アレクの陰に隠れるようになり、大人しく目立たない女の子と思われるようになっていた。
しかし、アレクは大きくなっても変わらずレーナの事が大好きで、行商人が村に来るとアクセサリーを見繕ってはレーナにプレゼントして愛を囁いた。
いくら他の女性達に迫られても全く相手にしないアレクに、女性達が怒ってレーナを口汚く攻撃する事もあったが、アレクが自分達に靡く様子が少しも見られないのもあって、次々に脱落して行った。
そしてレーナが18才になって成人した日に2人は結婚して村で暮らす事になった。
王都に働きに出た幼馴染には、「都会に出たらもっと稼げるのに」と言われたが、2人は平和で身内が大勢いる村から出ようとは思えなかったのである。
その日は、朝から王都からジャクール神殿の神官と神殿騎士団が村に来る事になった。
15才以上20才未満の男子は全員村の広場に来るようにと通達があったので、19才のアレクも狩りに行かず広場で皆と一緒に待っていた。
去年求婚を繰り返していたレーナと結婚したアレクは、アレクの実家の2階で両親と4人で暮らしていた。
アレクが朝家から出る時に見送りに出たレーナは、「男子だけ集まるようにって何事かしらね?」と疑問を口にした。
アレクは、妊娠して大きくなった妻のお腹を愛おしそうになでながら、「どこかの道が崩れたから補修工事に人を出せとかそんな話じゃないか?」と、その時は、この後起こる事を想像できるはずもなく気楽に言っていたのである。
アレク達が広場で待っていると、ジャクール神殿の旗を持った神殿騎士団を先頭に、馬車が数台入って来た。
馬車から降りてきた煌びやかな法服を来た神官達は、大きな荷物を持って来た。
赤い豪華な絨毯の上に広げられたのは、大きな白い台座に刺さった一本の剣だった。
「今から魔王討伐の勇者選定の儀を行う。選定参加者は、この剣を台座から引き抜いてみせよ!」
神官の言葉に集まった男性や見物に来た村民は「おおおっ!」と声をあげた。
「勇者だってよ!あれを抜いたら勇者様だ!」
前回魔王が現れて勇者が選ばれたのは200年以上前の事である。
魔王討伐を物語でしか知らない話を聞いた村人達は、興奮して蜂の巣を突いたような騒ぎになった。
「恐れ多くも女神シシュカの名において行われる儀式である!皆の者静粛にせよ!」
神官の言葉と神殿騎士団の威圧によって静かになった男達は、静かに剣を引き抜く列に並んだ。
そして、1番前に並んだ男が台座から剣を引き抜こうと腕に力を込めたが、剣はビクともしなかった。
諦めた男は次に並んでいる者に場所を譲る。
そうして並んでいる人数の2/3が終わった頃、アレクの順番が来た。
アレクが他の人達と同様に剣の柄を持つと、なぜか剣がフルっと震えた。そして力を入れても無いのに、剣は台座から外れたのである。
「おおおおおおおおぉぉぉっ!」
周りを囲んでいた人々から興奮した声がした。
その中で1人アレクは、引き抜いた剣を見つめて呆然としていた。
「女神シシュカの名の元にアレクを勇者と認定する!」
「やったぞー!アレクが勇者様だっ!」
再び大きな叫び声が村に響いて村人達はアレクを祝福した。
しかし、村人達が笑顔でいたのもここまでだった。
神官の1人が前に出て、今後のアレクについて話し始めたのである。
「勇者アレクは、これよりすぐに我々と王都のジャクール神殿に向けて出発してもらう!それでは、皆の者解散…」
「待って下さい!」
勇者に選ばれたばかりのアレクが神官の言葉を遮って声をあげた。
「私には、怪我をして介護が必要な父親と臨月の妻がいます!家族と離れて魔王討伐に向かうわけにはいきません!」
アレクの必死の言葉に、神官は大きな布袋を取り出した。
「ここに金貨が500枚ある。魔王討伐に数年かかるとしても家族が生活するには充分であろう。
これとは別に魔王討伐を果たしたら、貴族に取り立てられ領地も与えられる事になっている。
家族が心配なら、村長に金貨を100枚渡すので、これで家族の面倒を見るようにと命令しよう」と神官は金貨の入った袋を村長の胸に押しつけた。
「これで安心して魔王討伐に向かえるであろう。
では勇者アレクを馬車にお連れしろ!」
そこへ誰か呼びに行ったのかレーナが大きなお腹を押さえながら走って来た。
「アレク!行かないで!」
「レーナ!!」
神殿騎士団の騎士たちが暴れるアレクを馬車に連れ込もうとする。
「アレク!!」
「レーナ!!!!」
屈強な騎士達が囲んで頑丈な馬車に押し込められたアレクの声が響く中、神官達を乗せた馬車は逃げるように出発して行った。
その場に崩れ落ちたレーナを残して…
興奮していた村人達も冷静になって、泣き崩れるレーナを見れば、家族と別れの時間を与える事無く夫を連れ去った神官に怒りを感じた。
「なんだい、なんだい!身重の女房を置いて旦那を連れて行くなんて、あんまりじゃないか!村長!そんな金貨の袋、神殿に突っ返して抗議しておくれよ!」
レーナの隣の家に住むマルタが村長に詰め寄った。
「しかしこの金貨100枚があったら村の中に井戸が掘れるかもしれん。そうしたら川まで行かなくても水が使えるのじゃぞ?」
井戸ができたら水汲みに行かなくて済む…。
水汲みは重労働である。
この金貨で井戸ができたら毎日重い桶を担いで水を汲みに行かなくても済むのだ。
そう考えたら誰も金貨を返そうとは言わなくなってしまった。
それはそうだろう。 洗濯も料理も掃除も何もかも水は生活に無くてはならないものなのだ。
レーナの家でも同居するアレクの父は、数年前に崖から落ちて寝たきりなっており、母も夫の介護でつきっきりになっていた。
毎日の水汲みはアレクがやってくれていたので身重のレーナは重たい水を持って運ぶ事は無かったのだが、明日からどうすれば良いのだろう?
レーナは明日からの生活を考えれば考えるほど涙が溢れてくるのだった。
そんなレーナの肩を抱いてマルタが村長に言った。
「ごめんねレーナ。皆、井戸ができるかもって言われたら何も言えなくなっちまったよ。でも神官様が言っただろ?アレクの家族の面倒を見るようにって!
絶対レーナは村の皆で守るからね!安心しとくれ!」
そして、マルタは村の人々に聞こえるよう大きな声で叫んだ。
「皆聞いとくれ!レーナたちのおかげで金貨100枚を頂いたんだ!
レーナの家の水汲みは村の者で交替で汲みに行くよ!村長もそれで良いよね?
文句がある奴は、この金貨で井戸ができても使わせないからね!サボったら承知しないよ!」
井戸ができても使わせないというマルタの声に震え上がった村人達は、了承の声をあげたのだった。
そのすぐ後、レーナの両親も義息子が勇者に選ばれた話を聞いて、慌てて駆けつけて来た。
「レーナ!かわいそうに。お腹の子供は大丈夫かい?
もう産月だって言うのに、子供の父親を連れて行くなんて酷い話だよ。お腹が張って苦しくないかい?」
母親は、レーナを抱きしめて娘の体調を気遣った。
「実家に帰って来ても良いんだよ。アレクのお母さんには赤ん坊が生まれるまで実家に来させますって言っておくからさ」
「ううん、大丈夫!義母さんが1人で義父さんの世話をするのは大変だもん。
それに村の皆さんも手伝ってくださるそうだから、アレクが帰って来るまで頑張ってみるよ」
「わかったよ。じゃあ毎日様子を見に行くからね」
「うん、お母さんありがとう」
こうして、レーナは義両親の待つ家に帰り、アレクが勇者に選ばれて村を出た事を報告したのであった。
それから1週間が経った。
今日はお腹が張るな。と思いながら夕食の準備をしていると、玄関の戸を叩く音が聞こえた。
「アレクさんの奥さん!アレクさんが怪我をして苦しんでるそうなんだ。王都から手紙が来たからこの戸を開けておくれ!」
アレクが怪我を?大変!とレーナがは玄関に向かい鍵を開けて扉を開けた。
すると数人の男達が押し入ってきたのである。
「悪いな勇者様の奥さん、死にたくなかったら、神殿からもらった金貨500枚渡してもらおうか!」
がっしりした身体つきの厳つい顔をした男は、周辺を荒らし回っている盗賊団を名乗り、剣をレーナに突きつけながらそう言った。
周りを見ると、台所にいた義母にも剣が突き付けられていた。
すると居間の奥にある義父が寝ている寝室から
「ギャアーー!」と声が聞こえた。
思わず「お義父さん!」と部屋に行こうとすると腕を掴まれて引き戻された。
「悪いな、手下の手が滑っちまったみたいだ。でも早く金を出さないと母親の方も手が滑りそうだせ」
見ると義母はガタガタ震えながら「助けて」と言っている。
レーナは「お金は全部あげますから、両親に手を出さないで下さい」と言うと、納戸を開けて金貨の入った袋を手渡した。
男は袋の中を覗くと「確かに」と言って手下に運ばせた。そしてこう言ったのである。
「勇者様は王都に着いて大歓迎されているみたいだぜ。
勇者様は豪華な衣装に身を包んで、それはそれは見惚れるようなお姿になったらしい。
王女様や貴族の令嬢達は皆、勇者に夢中だって話だ。
綺麗な女に囲まれて美味いもん食ってちやほやされたら、こんな村に帰って来るのは嫌になるだろうなぁ。ホント羨ましい話だぜ」
ニヤニヤしながら話す男の言葉にレーナの顔は青ざめた。
「そして国王陛下がおっしゃったってよ。勇者アレクと第一王女様を結婚させるってさ!」
「えっ、そんな話アレクが了承するなんてありえないわ!
だってもうすぐ子供も生まれるのよ?あんなに楽しみだって言ってくれてたのに!そんな与太話信じないわよ!」
それを聞いた男は、アレクの母に向かってこう言った。
「勇者様は、本当はお貴族様の息子なんだってな?
本当の親は王都に住む偉いお貴族様で、赤ん坊の時にここへ連れて来られたから、こっちの親は親じゃないって言ってるって話だ」
「まさか…」と義母を見ると、俯いて泣き出してしまった。
アレクが自分達の所に帰らないと言われたら、ありえないと否定できるが、レーナの知らなかった真実を突きつけられると全部が本当の話のように思えてしまった。
「わかったなら、もう勇者様がここへ帰って来るなんて思わない事だな」
追い討ちをかけるように言う言葉にレーナの心は凍りついた。
「勇者様は王女様と結婚するのにお前達が邪魔なんだとさ。だから始末してくれって頼まれたんだわ。って事だから、お前さん達は消えてもらうぜ」
そう言うと、男はレーナを突き飛ばし剣を振り上げた。
「おっと、そこまでだよ!」
義父の寝ている寝室の戸が開き、中から武器を持ったたくさんの男達が出てきた。
そして次々に盗賊達を拘束して捕縛していったのである。
レーナに剣を突きつけていた男もあっさり捕まって縄をぐるぐる巻きにされ転がされた。
捕縛の先頭に立っているのは隣の家に住むマルタである。
マルタと夫のヒューズは若い頃、(荒野の棘)というパーティーを組んでいたA級ライセンスを持つ冒険者だった。
「村に見かけない馬車が近づいているって報告があったからね。こりゃ怪しいって待ち伏せしていて正解だったね!」
そこへ村長達もやってきた。
「こやつらの乗ってきた馬車には大量の油が載せられておったわ!レーナの家の金貨と村に預けられた金貨を盗ったら、村に火をつけて村人を皆殺しにするつもりだったのであろうよ」
実はレーナは転生者だった。
本田真希と言う日本人だった女性は、結婚してやはり妊娠中だった時、単身赴任中の夫のアパートに行って夫の浮気現場を目撃してしまった。
逃げるように走った駅で夫と揉み合いになり、ホームから突き落とされて入って来た電車にはねられてお腹の子供と共に殺された。
この世界に転生して幸せに暮らしていたが、夫が勇者に選ばれて連れて行かれた時に前世の事を思い出したのだった。
前世で産んであげられなかった赤ちゃんを今世こそ
産んであげたい。
レーナは、夫を差し出してもらった金貨なんて欲しくなかった。
だから、マルタに金貨を全部使っても良いから冒険者を護衛に雇って欲しいと頼んだのだ。
頼まれたマルタは、引退していた(荒野の棘)のメンバーに久しぶりに身体を動かさないか?と声を掛けて、飲食、宿泊費をレーナがもつと言う条件で無報酬で護衛を引き受けてくれたのだった。
「子供が生まれたらお金がかかるからね。金貨は大事に取っときな!」と言って。
盗賊達が村長の家にある牢屋に連れて行かれると、レーナはお腹の痛みを訴えた。
「こりゃお産が始まるね。誰か産婆のベルガ婆さんを呼んで来ておくれ!」
マルタはそう言うと産湯を沸かす為に水を汲みに行った。
そうして日が変わる前に大きな産声をあげて女の子が生まれたのだった。
「オギャー、オギャー」
辺りに響く産声にレーナは、ようやく我が子をこの手に抱く事ができたと、転生させてくれた神に感謝したのであった。
出産を終えて赤ちゃんに初乳を飲ませていた時、階下に騒ぎが起こった。
何事かしら?と思っていると、マルタが「アレクが女神シシュカの祝福で瞬間移動のスキルを手に入れて、ここまで転移して来たらしい」と教えてくれた。
そして部屋の戸を開けてアレクが入って来たのである。
「レーナ!」
部屋に入って来たアレクはレーナが横になるベッドに走り寄った。
レーナが抱く赤ちゃんを見ると、愛おしそうにまるで宝物を見るように見つめる。
「お帰りなさいアレク。あなたの娘よ」と赤ん坊をアレクに手渡した。
「ああ、この世界にこんなに愛しい存在がいるなんて信じられない。
ありがとうレーナ、こんなに可愛い子供を僕に与えてくれて!」
アレクは娘を抱っこしながら涙を流して喜んだのだった。
しばらく感動の対面を果たした所でアレクはレーナにあれから起こった事を話した。
王都に着いて、勇者の歓迎晩餐会で自分に瓜二つの男性に出会った事。
その男性はアルジール公爵家の嫡男で、実は双子の弟だった事。
この国では双子は不吉な者とされており、公爵家で19年前に双子が生まれた時に1人を公爵家の嫡男に残し、1人をメイドに金を渡して家から出したそうだ。
メイドは赤ん坊を連れて生まれ故郷のこの村に帰り結婚した。
それが今の両親だったそうだ。
勇者の力を得る為に向かったジャクール神殿で儀式を受けていたら、女神シシュカが降臨して、家に帰りたいと言ったら勇者の力とは別に瞬間移動のスキルを与えてくれたのだと。
アレクは瞬間移動の力を得て、すぐにこちらに転移してきたそうだ。
夫の腕の中ですやすや眠る娘を見ていると、今世の幸せにレーナは胸がいっぱいになったのであった。
再び転移して王都に戻ったアレクだが、魔王討伐の旅に出発しても毎晩レーナの元に帰って来た。
宿屋に当然アレクの部屋もあるのだが、魔法使いとしてパーティーに無理矢理入って来た第一王女が、アレクの部屋に侵入しようとして来て、昨夜は全裸でベッドで待っていたそうだ。
アレクは即こちらに転移して難を逃れたと言っていた。
そうして、野宿で交代で見張りをしなければならない夜以外は、アレクはいつも帰って来てレーナと子供と3人で寝た。
そうして魔王討伐の旅に出て2年経った頃、見事魔王を討伐したのである。
王都に帰った勇者一行は、たくさんの報酬を貰ったそうだ。
アレクは、ラグラン村を含む周辺の土地を得て領主になった。
アルジール公爵家は、アレクに公爵家の息子として迎えたいと言って来たが、捨てた子供に今更戻れとは呆れて物が言えないと断った。
領主になったアレクは領地の村に水道を引いたり街道を整備して、次第に領地は繁栄していった。
領主夫人になったレーナも前世の記憶で福利厚生や衛生の知識を活かして領民の為に力を注いだ。
アレクとレーナは3男2女の子供に恵まれた。
アレクの父は、残念ながらあの後すぐに亡くなったが、母とレーナの両親は生まれ育った村から離れたくないと今でもラグラン村に住んでいる。
アレクは後で知った話だが、数百年ごとに現れる魔王を討伐する為に選ばれる勇者は討伐の後、王家に迎えられたそうだ。
それは王家に勇者の血を取り込む事で勇者が王家周辺に生まれる事を期待したからだった。
勇者が王家に近ければ近いほど、王家の威信は高まり周辺国にも大きい顔をする事ができる。
勇者の血を引いた王家の姫はアルジール公爵家にも降嫁している。
公爵家が、双子で生まれた男の子の勇者になった方を捨て、只人の方を残した事を知った王家は、公爵家の唯一の嫡男を取り上げて世継ぎの第一王女の王配にした。
嫡子がいなくなったアルジール公爵家は当主がいなくなった後、取り潰されという話だ。
魔王討伐の旅でアレクの寝所に忍びこんでいた第一王女は、アレクに袖にされ仲間の魔法使いや戦士の寝所に行って体を許した。
毎夜毎夜爛れた関係になった王女は、父が誰ともわからない子を産んだ。
アレクの弟と結婚してからも王女の男漁りは収まらず、その後も2人の子を産んだが、勇者の血を引いているのかいないのか?
それを知るのは女神シシュカだけであろう。
その後アレクは、将来自分の子孫から勇者が出る事を案じ、自分が倒した魔王や魔物達の攻略法を研究して本にまとめてジャクール神殿に納めた。
その本の最後のページにはこう記されているという。
「勇者になったら、まず大切な人を守れ!」と
拙い文章ですが、全部読んで頂きありがとうございました!