単純なお笑いシリーズ うんちの神様
注意:タイトルで分かる通り下品な作品なので、そういうのが苦手な人は見ない。読まない。不愉快に感じたらブラウザバック。これ大事。不愉快になってもいいと心構えが出来ている人のみ、続きをどうぞ。
洋式トイレに座り五分ほどチャレンジしているが、あまり出そうな気がしていない。これは仕切り直しした方が良さそうだな。立ち上がり、パンツとズボンを上げようとしたところで、目の前に煙がポワンと広がり、そこからペットボトルサイズの何かが出てきた。
「うぉおおおお。ナニナニナニナニ。うぇーーー。どしたどした何なの? びっくりした! ナニナニナニナニ何なの!?」
てんぱりながら少しでも離れるようにトイレの奥の方に移動しようとするが、狭くて奥まで逃げれない。本当ならトイレを出ていきたいが、訳の分からないものが戸の前にいるから出て行くことが出来ない。
「まあ落ち着きなさい。私は神です」
「えええ!? 神? 本当に? うそだー、いや本当? イヤイヤイヤ…」
よくよく見ると、ペットボトルサイズの何かはお爺さんぽい、服装はローブ? まあそれっぽい恰好といえば恰好だけど、神様などと言われても信じようがない。
「だから落ち着きなさい。まぁまぁ大丈夫だから。落ち着いて。いいから話を聞け!!」
ずっと否定したり驚いていたら、自称神様がブチ切れた。
「はいい!!」
「うむ。お前に助言をしに来たのじゃ。いまうんちをするのを諦めたじゃろ」
「はい、でそうかなと思ってトイレに来たのですが、やっぱ出ないかもという気もしてきて。いったん仕切りなおそうかと」
なぜか素直な気持ちで話してしまった。相手が神様のせいだろうか?
「本当に諦めていいのか? お前の夢に対する思いはそんなものなのか?」
「いや夢じゃねーよ! じゃなかった夢じゃないです! うんちをするのが夢って何ですか!」
「うん? うんちをするのが夢な訳なかろう」
「そうですよね。びっくりした。そんな訳ないです」
「うんちになるのが夢じゃろ?」
「ちげーよ! 何でうんちになるのが夢なんだよ! どういうことだよ!}
「落ち着くがよい。今だってトイレで祈っていたのではないか?」
「はぁ?」
思い返してみると、両肘を両モモの上に乗せて、両手を組んでその手の上に額を乗せて踏ん張っていた。恰好から見ると祈っていたようにも見えるかも知れない。
「違いますよ、あれは踏ん張っていただけであって、祈っていたのではありません」
「そうか、でもお前のうんちに成りたいという思い、その強い思いに応えたいんじゃ」
「いや思ってねーし! うんちに成りたいなんて思ってません!! どっからそんな話が出てきたんですか?」
「うん? 覚えてないのか? 小学一年生の時の作文に、将来うんちになりたいと書いていたじゃろうが」
「いや知らねーよ! そんな事書くわけないだろ! え? 書いてたの? マジで? そうなの…」
「その強い思いに感心し、いつもお前のことを見守ってきたのじゃ。そしたらうんちを(踏ん張る事)諦めようとしていたので助言をしに来たという訳じゃ」
「ああ、どうも…。ん? もしかして、今まで、過去も含めて、トイレの様子とか見てた…とか?」
「無論じゃ。神は見守るのも仕事の一つじゃからな」
「やめてよ! 排泄しているところを人に見られるとか耐えられません! マジで止めてください!」
「人じゃないぞ神じゃ」
「うっせよー! そこはどうでもいいんだよ! そうじゃなくて見ないでください。恥ずかしいです」
「全然気にならんがのう」
「おめーは気にしねーかもしれねーけど、こっちが気になってんだつうの! いいから見るなよ!」
「仕方ないのう。そこまで言うなら排泄時は見ないようにするかの」
「はい。本当にやめて下さい。ん 排泄時? もしかしてそれ以外も見てたりしますか?」
「おう、24時間365日、片時も目を離さず見ておるぞ」
「やめてよ! ずっと見られていると思ったらもう何にも出来ないよ!」
「仕方がないのう。まあ自家発電しているときくらいは見ないでおいてやるかの」
「じかっ…、勘弁してください。もう死にたい、恥ずかしくてもう生きていけない…。ていうか神様暇なの? 何で24時間365日、俺を気にしているんだよ」
「いやだから、うんちに成りたいという思いに感心して、助けてやろうかと思い見守ってきたのじゃぞ」
「いや何でだよ! うんちに成りたい、の、どこに感心する要素があるんだよ! 神様ならもっと別の何か、もっと大事な何かをフォローすべきなんじゃないの?」
「いや、我の担当うんちだし」
「うんちなの!? 神様うんちの担当なの? というかなんでうんちの神様が必要なの?」
「お前はヤオロズの神という言葉を知っておるか?」
「あーなんか聞いたことあるような、神様は沢山いるんですよね。ヤオロズは八百万という意味でしたっけ? もしかして神様って八百万も居るんですか!?」
「さぁどうじゃろ。正確な統計は覚えおらんが多分数年前の統計があれじゃから、三百位かのー」
「あー結構少ない? 八百万という後に三百となると少ない気もしてくるけど。でも多いと言えば多いのかな?」
「うん、ざっくり三百ごく位じゃな」
「ごく? ごくってなんだ? スマホで検索しろ? 数字 単位 一覧 でいいの? フムフム…。 って、10の48乗!? どんだけいるんだよ神様!」
「神様は増える一方じゃからの。だからうんちの神様だけで数十億はおるじゃろ。守護する仕事に空きがないのじゃ」
「うんちの神様多すぎ! いやもう、人間一人毎に神様ついていてもいいレベルじゃん」
「いかんいかん無駄話が過ぎたわい。もう少しで出るから、頑張ってみなさい。もう排泄時や自家発電時には見ないようにするから安心せい」
「いやもう全般的に見ないでください!! それはさておき、助言ありがとうございます」
お礼を伝えると同時位に消えて居なくなった。なんか出ると言われたら出るような気もしてきたのでもう少し頑張ってみる。
トイレから出て部屋に戻り仕事を再開する。しばらくして、また出るような気がしてきた。さっき出したのにな。また神様とか出てきたら嫌だなと思いはするものの、とはいえ出さないとまずいのでトイレに向かう。
「見ないでくださいよ! お願いしますからね!」
自分以外いないトイレの中で、声を出してから用を足す。しかしなんでだろうな、さっきも出したのに直ぐに出したくなるのって。神様に聞いたら原因を教えてくれるかも知れない、聞いてみようかな?
「あの神様ちょっと良いでしょうか? 神様? あのー神様?」
しばらくすると、ポワンと煙が出て、神様が目の前に現れた。
「お? うんちになる覚悟が出来たか!」
「なるかい! そうじゃくて、ちょっと聞きたいことがありまして。質問してもいいですか? ありがとうございます。実は大きいのを出して、しばらくした後、また大きいのを出したいと思う時があるんですけど、なんでそんなことが起きるのかなって。原因を知っていたら教えてほしいなと」
「ふむふむ。お前は天使の取り分という言葉を知っておるか?」
「ああー、ええーと、あれですよね。ウイスキーとかブランデーとか熟成している期間に量が減るから、それを天使の取り分とかいうとかなんとか」
「そうじゃ。実際に様々な物を神は得ておる。当然食したら出す必要がある。それが追加うんちじゃ」
「やめろよ! 何してんだよ! 人の体に他の人のうんち入れんなよ! キモ! やめてもう!」
「人ではなく神のうんちじゃ」
「そのくだりはどうでもいいんだよ。神だろうがなんだろうが止めてください!」
「ええーー」
「ええーーじゃねーよ! マジで止めて下さいよ」
トイレから出て仕事を再開する。PCがフリーズして応答しない。しばらくしてブルースクリーンが表示された。
「くそっ!! マジかよ! 資料作成中だったのに。一時間位の作業が…、ついてねー。ていうか、うんちを見守るくらいならこういうのを防いで欲しいわ」
するとポワンと煙が出て神様が出てきた。と思ったらなんか違う感じの神様だな。PCの神様だろうか?
「はじめましてうんちの神です。うんちに対して何かありますか?」
「おめーもうんちの神様かよ! 呼んでねーよ!」
「いやだって、くそって言ったから、この場で脱糞したいのかな?と」
「するかよ! トイレでするっつうの! 何でわざわざ知らない人を呼んで糞するところを見せつける必要があるんだよ」
「神ですけど?」
「だからそのやり取りはどうでもいいんだよ。何で見せつける必要があるかって話だよ!」
「性癖とか?」
「そんな特殊な性癖は持ってないわ!」
「寝取られは特殊な性癖じゃないと?」
「なっ…やめろよ! 今はそれ関係ねーだろ! だいたいさ、話の流れから行ったらここはPCの神様が出るところじゃないの? PCの神様は居ないの? 神様? いませんか? 神様ー?」
するとポワンポワンと煙が出て、別の神様達が出てきた。
「PCの神様ですか?」
「「「「初めましてうんちの神です」」」」
「何で全員うんちの神様なんだよ! だからPCの神様を呼べよ!!」
「いやだって、お前の守護神がうんちの神だから他の神は出てこないよ」
「そっそんな…。どうせならもっと役に立つ神様が良かった」
「ずいぶんと失礼な奴じゃな。神罰を下すぞ!」
「え? 神罰!? すっすみません。態度を改めます」
「駄目じゃ! お前には十日に一度の割合で緩くなる体質を与えるのじゃ」
「思ったよりたいした事ねぇー。というか普段からその位かもう少し多い割合で緩い気がしますけど」
「うむ、過去十年の統計じゃと七日に一度の割合で緩くなっておる」
「改善してんじゃん! 神罰じゃないじゃん!」
「甘いぞ。ここに居る神の数を数えてみよ、十じゃ。十の神がその神罰を与えたらどうなると思う?」
「えええっ! えーと毎日緩くなるということですか?」
「百億に一日の割合で緩くなるのじゃ」
「もう一生緩くならないじゃん! ていうか緩くなる確率が減ってんじゃん! 何で減るんだよ、どういう計算式だよ、もう仕事の邪魔だから帰って!!」
--数日後--
「食物繊維も食べんと良い排便が出来んぞ」
食事をする男性に対して、神様が注意を促す。
「わかってますよ。ただ面倒なんですよね。あと食事中なので便の話はしないで下さい」
洗面所の方から別の神様が呼び掛けてきた。
「タオル交換した方が良いぞ。菌が繁殖しておる。おなかを壊すかもしれん」
「ええー、まだ一日しか使ってないのに。わかりました食べ終わったら変えます」
「冷蔵庫のキムチ。あれやばいぞ。捨てなさい」
また別の神様が男に話しかける。
「明日ごみの日なんで捨てます」
「ところでうんちになる覚悟は出来たか?」
「なるかい!! うんちには成りません!」
少し賑やかな生活が始まり、一生おなかが緩くならない体質となった。
どもぐわじんです。たまには馬鹿馬鹿しい話も良いかなって思って書いてみた。
本当なら長編書きたいんだけど、そんな余裕が無し。来年4月以降になれば、1,2か月余裕が出そうな気もするけど、また7月くらいからは忙しい毎日になりそうだし。難しいなあ。
私の他の作品読んだことない人は、コメディー短編あるので、それでも読んでみて。
おなかが緩くならないのは祟りだと思う。悪いものが出て行かないのだから。
オチをホラーにしたい気もしてて、そうなるとコメディーじゃなくなるからやめました。