異文化だ…(後)
3話 【異文化だ…(後)】
まさか、自分は小助と別の世界に居るとは…
夜空を眺める忍風が今日起きた強烈な体験を思い出す…
洋服や下着などは、何時ものとは全く違うがしばらくすれば、慣れて来るから不思議だ…
ただ、明日はちゃんと一人で着替えられるか不安だ…
流石にジイヤ殿(前回一緒に風呂入った人)に着替えさせられるのは武士として恥ずかしい…
食事にしても、一瞬槍や刀で食べるのかと驚いたが、どうやら此方ではナイフとフォークと呼んでいるらしい…
明日はちゃんと使える様に頑張ろう^^
けど、ワインには驚いた…一瞬獣の生き血を飲んでるのかと思ったが…以前長崎で飲んだ東洋の酒と似て美味だった。
一番驚いたのは、肉だなwwまさか、殆どの人何時もが食べてるとは今も信じられない。そういう意味では、私の世界より豊かだろう…だが、漬物や野菜…、味噌汁…魚や貝などが全然出ないと思うと大変悲しく思う…
そして、忍風は床に入り【最初の食卓】の話を振替る。セリア(前回の金色の長髪の少女)の父君は偉い地位であり色々な情報が入ってくる為私も多くの情報を得る事が出来た。また、セリアに関しても彼女は異世界に何らかの憧れ的な物を抱いてるらしく、倒れてた私を見て率先して看病をしたそうだ。
食事後も幾つか情報をもらったので整理しよう…
まず、魔法陣と呼ばれる呪文を地面に書いた結界で異世界との交信は気軽に出来るらしい。が、異世界から人を連れて来る技術はあるが本来複数人の召喚士が大規模な魔法陣を作り7日掛かりで召喚するのだ。近くに魔法陣の魔痕や人の泊まった痕は、セリアが私を見つけた時、存在しなかったという…
だが、最近はそのような不自然な形でこの世界に来てしまう人の話をよく耳にするそうだ…
ふと思い出す…自分の周りでふと人が消える"神隠し事件"が増えている事を。恐らくは自分も神隠しにあったのだろう。
だが、まさか自分に起こるとは思わなかった。
[解説:神隠し]現代ではかなり減ったが、人が消える事はよく有った。一説によれば上州の一部で伝わる"風与出者"の一部は別世界へ行ってしまったのだろうと囁かれている
…がしかし、焦らずに探していけば元の場所、元の時間に戻れるかもしれないという可能性が有るそうだ。とにかく今私はそれに賭ける事にした…
それにしてもセリア…姫によく似てたなぁ…