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神隠し

1話【神隠し】


江戸の町を男は走る。溢れんばかりの町人を押しのけ進む男の焦りは尋常では無かった。

その後ろに、ぴったりとくっついて走る小男が、ついに口を開いた!!

「兄貴ぃ…幾ら何でも直で行く事無いんじゃ無いんですか?こういう事は先ず大橋殿に報告し指示を仰いだ方が良いんじゃ無いんですか?」

それを聞いた男はピタリッと足を止め小男の方を振り向いた。

「バカヤロゥ!!小助ェ…お前の報告が一々ややっこしいから、こんな事になったんじゃねぇかっ!!それに、良いか?今大橋は3日前菰野藩に向かったばかりだ。今から行ってもどれ程の時間が掛かると思う?もし仮に大橋が居たとしても、あの連中まとめるのに何れ位の時間が掛かると思う?彼奴らと付き合ってると、後の祭りだぞ!!」

「でも、俺らだけで大丈夫ですかねぇ?」

「バカヤロゥ…出来るか出来ないかじゃねぇ。もしアレが藩内に持ち込まれてみろ!!お前の報告が正しければ、狸蔵は殿に罪をなすり付け、己は私腹を肥やすだろう…。そうなったら御家断絶!!何人もの家臣やその家族が路頭に迷う事だろう…」

「兄貴、今姫様の事考えてます?」

恥ずかしそうに彼は答えた「まぁ…なぁ..、あの姫様が路頭に迷ったりするのは見たくねぇもんなぁ…」

そんな所も含め兄貴の事が好きだった。

「まぁ…小助。俺とお前の実力が有れば大丈夫だよ。頼りにしてるぜ!!」

「先を急ぎましょうか!!兄貴ぃ」

決心をした二人の男の表情は誰もはばかる事は出来ない程に眩しかった。


だが、狸蔵の陰謀を目前にして兄貴は消えたのであった。信じられないと思うが、一瞬にして消えた。


そしてこれこそが、忍風(しのかぜ) (しん)が異世界へ向かう迄のプロローグであった…

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