第4話
やっともう一人の主人公を出せました。
俺はさっきのアナウンスに言われたことを考えていた。
(眷属を作る事ができるスキルなんてものが手に入ったか。これがあれば、俺の盾役や斥候なんかに使えるかもな。どちらにせよこれで生き残る確率が増えたな。しかしどうやって作るんだろうな?)
そう思ってステータスの紙でスキルを詳しく見る事ができると思い出し、見てみる事にした。あの狼はいきなり襲ってきたから、紙を仕舞う暇が無かったので出したままだったのだ。そのまま戦ったので汚れてないか心配だったが、杞憂だったようだ。
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名前:
種族:暗曜犬 Lv5
HP:60
MP:80
攻撃力:65
防御力:50
素早さ:75
スキル:《加速》《魂吸収》《毒耐性(小)》
派生スキル:《眷属召還・作成》
魔法:《暗魔法見習い》《風魔法》
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レベルが3つも上がっていた。どうやらあの狼は以外とレベルが高かったのだろう。もうすぐでステータスが三桁にいくだろう。
それでは、眷属はどのようなものか見てみるかね。
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《派生スキル》:派生スキルとは《スキル》が成長することにより新しく発現する能力を指す。
《眷属召喚・作成》:集めた魂を使って自分の眷属を作ったり召喚したりできるスキル。
作成:魂を2個以上と眷属にしたい生物の遺体を使用する。遺体の欠損が激しかったりすると失敗する可能性が大きくなる。また、魂の使用数を増やすとより強い眷属を作成可能。
召喚:魂を2個消費して冥界から冥獣を呼び出す。召喚主の命令に従うかは、運次第となる。
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ふむふむ、なるほど作成に関しては、かなり使えるな。だが、召還は……うん止めとこう今召喚したら出てきた奴に殺される未来しか見えない。召還は暫く封印だな。じゃあ早速作ってみるか?丁度死体もあるし、どんな感じなのか実験してみよう。
「スキル:《眷属作成》発動。」
そう言って発動させたら俺の胸辺りから、2つの青白く光る玉がでてきて、お互いに混ざり合い一つになって緑毛狼の死体に入っていった。すると、
「グチャグチャグチャ……」
と音を立てながら緑毛狼の体が真っ黒なドロッとした液体に覆われていった。その様子はさながら、新たな生命な誕生する前の卵のようであった。俺は少し気持ち悪いと思いながら初めての眷属の誕生を見守った。暫くすると黒い液体がいきなり霧散した。
「うわっ!?」
俺はそれにビックリして茂みに逃げ込んだ。そして視界が晴れてきたら、緑毛狼が横たわっていた場所に真っ黒な狼の骨が立っていた。眼窩には青白い光が灯っており、体も心なしか光っているようだった。俺はその骸骨に近づいていった。
「おぉ!!なんか強そうだ。これなら俺の護衛になるかな?」
『勿論でございます我が創造主』
「うわっ!?誰だ!」
『目の前に居ますよ?』
「ああ!お前喋れたんだな!」
『いえ。声帯が無いため、私のスキルである《念話》を使って話をしています。』
「なるほど。それでお前は何ができる。」
『前衛から後衛まで行うことができます。』
「よし、ではお前に命令する、俺のサポートしろ。」
『かしこまりました。その命をしっかりと遂行させていただきます。』
よし、これで狩りが更にやり易くなるな。緑毛狼のときよりも強そうだしな、盾役になれるかは少し心配だがその時はその時だ。
「ではまずは、拠点となる所を見つけようか。暫くはこの森に住む予定だからな。あとは、拠点を作った後はお前は俺に戦い方を指導してくれないか?」
『勿論でございます我が創造主よ。では良さそうな所があるので付いてきて下さい。』
そう言って黒い骸骨狼は、案内をはじめた。移動しながらなんで知ってるのか聞いたところ、体の元になった緑毛狼と森鼠の記憶を受け継いでいるらしい。以外と役に立つな~と思いながら俺は新しい生活に胸を高めていた。
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俺の名前は石橋 大樹。いつものように、友達である池田と古城で放課後の会話を楽しんでいると、いきなりふざけた声でアナウンスしてきた奴がいた。最初は単なる悪ふざけだと思っていたが、どうやら違ったらしい。廊下からは、沢山の叫び声や困惑した表情で話す生徒が自分たちの教室に帰ってきていた。なんでかと聞いた所玄関が閉じてしまい、開けることができなかったらしい。そして、あのふざけた声はイラついたのか怒鳴ってきた。その声は最強であるはずの俺でさえ逆らったらヤベェと感じた。古城はみんなから質問責めにあっているから、役にたたん。うーんどうするべきか。そのように思考に耽っていると、
「じゃ俺自分の教室にかえるわ。」
となんとも緊張の無い声で池田が言ってきた。
「は?」
(あいつ今なんつった?今廊下に出る気か?あの声は遠回しに今外に出るなと言ってるんだぞ!なに考えてやがる!早く止めないと。)
そう止めようとしたが、彼が既に扉を閉めて出ていく所だった。俺は急いで扉に飛んでいったが、何故か扉はびくともしなかった。そして、
「はーい今出てる人は僕の言葉に逆らったとして殺すから、見せしめにも良いしね。」
と無慈悲なアナウンスが響いた後、廊下の方から池田の怒鳴り声が響いてきた。その数分後何も聴こえなくなった。俺は開かない扉にもたれるように座り込み自分の判断の遅さに歯噛みしていた。
(クソッ!俺がもっと早く止めていたら、池田を助ける事ができたのに……)
行き場の無い怒りが身体中を駆け巡った。古城も池田の声を聞いて教室にいない事に気付き、また俺が扉の前に座り込んでいるのを見て察したようだ。相当ショックだったのか、力無く椅子に座った後、他の生徒が話しかけても何もしゃべらなかった。
「「「アッハハハハハ!!」」」
突然の笑い声に俺は驚いて顔をあげた。こんな時に笑う奴らなんて大概予想がついたが、どうやら当たりのようだった。
笑っていたのは藤本 悟、萱沼 翼、名本 守の三人組からなる15人ほどのグループだ。こいつらは、いつも他人を如何にしてバカにするかしか考えておらず、その為こいつらにとって、太っていた池田は格好の獲物だった。しかし、池田はその見た目に反してかなり喧嘩が強かったので、返り討ちにあったのだ。その後は大人しくしていたのだが、どうやら反省はしてなかったようだな。
「馬鹿だなぁあいつ。汚いキモデブの癖に俺様に楯突いたからこうなるんだよ」
「そうだなぁ。ま、キモデブにはお似合いの最後じゃないか。」
「確かにな~」
「「「ギャハハハハハ!!」」」
相変わらずのグズどもだな。人の死をそんなに嘲笑って楽しいのか?楽しいんだろうね。そう思いながら俺は古城の元へといった。
「なぁ古城。」
「・・・・・・。」
「これからどうなるんだろうな俺達。」
「・・・・・・。」
「池田のことは残念だった、俺がもっと早く止めていたらこんな事にはならなかっただろう。すまない。」
「・・・・・・・お前が謝る必要はないさ。ただ、今は少し考えてさせてくれないか。」
「わかった。」
そう話た後俺は自分の席に着いて、悔し涙を隠しながら俯いていた。
暫くして
「やっと落ち着いたみたいだから、これから君達にやってもらいたい事を説明するよ。君達は僕の管理している世界に勇者として召喚されて貰うよ。召喚された後のことはその世界の住民が教えてくれるよ。そう頼んでおいたからね。じゃこれから頑張ってね~。」
そういった後、教室がの床に巨大な魔法陣?が表れて俺を含む皆を飲み込んでいった。
誰もいなくなった学校のスピーカーから声が続いていた。
「あれー?こんなところに送ったはず無いんだけどなー。まっ、それの方が楽しめるか。精々諦め悪く生き足掻いてくれよ、技術が向上したらその分僕の信仰が高くなるんだから。フフフ。」
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