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冬の日とカレー2~料理~

 買い物を終えたサクラが、スーパーから出て来た。右手にレジ袋を下げている。

 アサガオに、ちゃんと買い物を終えたことを連絡しようかな、とも思ったけれど……。

(ううんっ!サプライズで驚かせてやろーぅ!)

 と、思い直し、ポケットから取り出しかけていたスマートフォンを戻して、彼女は家路を歩き出した。

 ところで、彼女が片手で持っているビニール袋は、二人分のカレーの食材だから、量的には多くは無い。けれど、タマネギにジャガイモ、ニンジンとなると、地味にだが、重たい。

 締めて二~三キログラム程度ではあろうが、そんな重さのビニール袋を下げて、十五分間の道のりを歩くのは、帰宅部の女子高生であるサクラの体を確実に蝕むだろう。

 そんなこと夢にも思わないサクラは、サプライズカレーに驚くアサガオの顔を想像し、緩みきった表情で歩を進めていた。

(むふふぅっ!『おねえちゃん、すごぉおおーぃい!やれば出来るんだねえぇ』とか言っちゃうのかなぁー!?アサガオちゃんはぁー!?)

 しかし案の定、五分も歩かないうちに、サクラの右手はプルプルと震えて来た。ビニールの取っ手が掌に食い込んでくる。

(ぐ……っ!ぐぬぬぬぬぅー!)

 さっきまでのだらしなく緩んだ頬を引き締め、眉間にしわを寄せる。たまらず、袋の持ち手を右から左へと移した。つかの間の休息を右手は与えられた、が。

 しかし五分もしないうちに、今度は左手が犯される。

(ま、まさか……、とは思ったけどーっ!?)

 そのまさか。徒歩での買い物は体力勝負。自転車に乗るのに似て、少しずつ、静かに、しかし確実に人間の体力を奪う。気付かないうちに、毒に犯されるのに似て。

 再び袋を持つ手を左手から右手に戻す。しかしこうなるともはや、勝負がついたも同然。持ち替えたばかりの右手が、すぐに悲鳴を上げ始めた。

(が、がはぁっ!!)

 もう一度袋を左手に持ち替える。しかしすぐに左手が……!

(ぬ……!ぬおぉおぉおおーっ!)

 左手から右手へ、すぐに右手から左手へ、左手、右手、左手、右手。ほとんど一人バケツリレーみたいな状態になってきた頃に、何とか自宅へと帰還した。

(か……!帰って来られたぁーっ!腕が抜けるかと思ったぁ……!!)

 ヘトヘトになって、背中を丸めながら、戸を開け、中に入る。

 真っ直ぐにキッチンへ向かい、スーパーの袋を放り出すと、少し休憩することにした。


 とりあえずエアコンの電源を入れて、リビングに倒れ込む。大の字になって、深呼吸をする。今日はなんだか、やたらと疲れることばかりのような気がする。

「はぁあああーーーっ!」

 思わず、特大サイズの息をついた。

 アサガオは何時に帰ってくるのか分からないけれど、これから初めての料理に悪戦苦闘することを思えば、それほどゴロゴロしていられる時間も無いだろう。もう少し身体が落ち着いたら、ボチボチ、カレーを作る準備を始めなければ。そう思うと、土壇場で結構心配になってきた。

「ひとりで、ちゃんとできるかなぁあ……??」

 まあ、悩んでいてもしょうがない、と思えるだけのポジティブさがサクラにはあった。最悪、お湯にカレールウを溶かせば、食べ物にはなるだろうし、と。

 とは言え、適当に作るつもりも無い。やるからには、ちゃんとアサガオに喜んでもらえるくらいのクオリティを目指すつもりだった。

 休息している間に、もう一度カレーの作り方を確認しておくことにする。スマートフォンで検索すると、たくさんのレシピが出て来た。

「カレーって言っても、色んな作り方があるんだねぇ……」

 難しそうに思えたから、そんなに凝った作り方をするつもりもないし、そもそも基本的な具材しか用意していない。

「んー。いいや、コレでっ!」

 単純そうで、かつ手順が写真付きで分かりやすく書かれている、初心者向けらしきレシピを選んだ。

 そうと決まれば、寝転がりながらレシピを眺めていても仕方がない気がしてきた。

「もう、始めちゃおうっとー!」

 両手で勢いをつけて、腹筋で起き上がる。着っぱなしだったアウターを脱いで、腕まくりをする。と。

「あ、迷彩柄のエプロン!」

 いつもアサガオが使っているエプロンが、キッチンに投げ捨てられているのを発見した。アサガオという子は、普段絶対に迷彩柄の洋服なんか選ばないのに、なぜかエプロンだけは、頑なに迷彩柄を使い続けているのだった。どうせエプロンだし、何でもいいと思っているのか、それとも、隠れた本能が妹にはあるのか。

 とにかくソイツを手に取り、パーカーの上から身に着けた。

「うん……。なんとなく、戦いが始まる実感が湧いてきた……」

 ような気が、しなくもない。臨戦態勢は出来た。次は、必要な器具を揃える。

 まずは、スマートフォン。一番大事な、言うなれば司令官であり、作戦本部の機能を務める。次に鍋。

「えーっと……、鍋はどこの引き出しだっけ……??」

 シンクの下に収納がいくつかあり、全部引き出して確認し、鍋を発見した。二人分あればいいし、そんなに大きい必要は無い。あと、まな板と、包丁。切った食材を入れておくボールもいくつか用意した。

「さてーっ!いざっ!参る!」

 迷彩柄の女武将はスマートフォンで作戦を確認する。

「まずは、タマネギを切る……。うーん。一個で足りるかな……?」

 タマネギの切り方をスマートフォンで見ながら、挑戦してみる。

「最初に両端のヘタを取る……」

 ザクリ。

 何にも意識せずに包丁を入れたが、案外普通に切れた。

 そう言えば、包丁を握るのは初めてではないことに気付く。小学校から調理実習を何度もやっているし、林間学校でカレーを作ったこともある。

 今サクラは、学校の授業や行事が、ちゃんと実生活に役立つこともあるのだ、ということを、初めて実感した。とは言え、油断大敵、ここで指を切る怪我をして、アサガオに心配をかけては元も子もない。

「左手は猫の手……、左手は猫の手……」

 料理の基本をブツブツ唱えながら、作業を続ける。

 ヘタを取ったら、真っ二つに包丁を入れる。そして皮を剥く。この時流水を当てながらだと、きれいに取りやすい。オレンジ色の皮を一枚剥いてみる。ちょっと薄めの色だが、またオレンジ色の層が現れた。

「んー。どこまでが皮なの?コレ?」

 とりあえずオレンジ色の部分は可食部分には見えないから、ペリペリと剥いていく。すると、緑っぽい層が現れた。

「食べられるの?ここー??」

 考えるのも面倒なので、剥いてやることにした。ペリ。すると、白くてキレイな可食部まで分解してしまった。

「あわわわゎーーっ!」

 急いで救出して合体させる。歪だが、何とか白いタマネギが用意できた。コイツラの繊維を断ち切るように包丁を入れていく。カレーだし、そんなに薄く切る必要もない。

 サク。

「あれ?ブアツすぎ……??」

 一センチくらいのカットになってしまった。これはさすがに無い。二.五ミリくらいにはなって欲しい。

「えいっ!」

 サク。うーん。さっきよりかは薄いけれど、まだ五ミリ以上はある。

「むむむむむ!」

 案外薄く切るのは難しい。それに、斜めに包丁が入ったようで、薄い部分と、分厚い部分の差が激しい。

 もっともっと薄く切りたい。でも、安全第一。猫の手は忘れないように……。

「ぐぬぅ!!」

 しかしこれだとツルツル滑って切りづらい。

 サク。切り進めていくと、バランスが悪くなって、どんどん支えづらくなってきた。

 もう、適当に包丁を入れて、みじん切りにすればいいじゃないか、と思えて来た。どうせ食べ物であることには変わりないんだし……。

「んー、いかんいかんっ!」

 それではまたアサガオに笑われてしまう。ちゃんと作った風な見た目は確保しておきたかった。

「えいっ!」

 再びタマネギと格闘を始める。が、今度は目が染みる。涙が出て来た。

「うぇえぇー!!」

 鼻をすすりながら、結局、半分切るのに十分、一個切り終わるのに二十分かかった。慣れのおかげか、だんだん薄く切れるようになったけれど、やっぱり五ミリより少し薄いくらい。本当はもっと薄めに切りたかった。

「ふぅうぅーー!」

 一息ついて、次はニンジンに取り掛かる。と、その前に。

「ニンニクとショウガ、忘れてたっ!」

 急いで冷蔵庫を開けて、ニンニクとショウガを取り出すが……。白い皮だらけの物体と、漢方薬みたいな物体。

「どうすんの?コレ?」

 レシピには、すりおろす、と書かれていたが、いったい、このそのまんまの姿から、どうやったらすりおろしが出来上がるのか、サクラには理解不能だった。

「…………」

 見なかったフリをして、無言で冷蔵庫に戻した。が、冷蔵庫の他の段からすりニンニクのチューブを発見した。

「これで良いじゃんー!!」

 きっと、最初からこれを使うものなのだ、そうに違いないという確信がサクラにはあった。ショウガは無いけれど、まあいいだろう。

 さっき切ったタマネギをボールに移して、ニンジンを取り出す。これも一本あれば十分そうだ。

「皮を剥いて、ヘタを落とす……」

 ここでピーラーを使うことくらい、サクラにも解る。そっとピーラーを滑らせると、簡単に皮がむけた。

「おおっ!これはらくちんだ!」

 タマネギが一番の強敵だったのかもしれない。ニンジンは楽勝そうだ。

 一通り皮が剥けたところで、上下のヘタを落とした。

「細くなっているところに包丁を入れて……、ん、んんんんんんーっ!?」

 包丁が入らない。刃が止まってしまって、ビクともしない。

「けっこう……、カタい……??」

 生のニンジンがこんなに硬いとは知らなかった。包丁が硬さに負けて、斜めに入ってしまいドツボに嵌ったようだ。本当は左手を添えて、テコにして切れば良いだけだが、サクラはそんなこと知らない。

 だから、両手で包丁の柄を握り、思いっきりまな板に叩きつけた。

「えいっ!!」

 バンッ。鈍い音を立てて、確かにニンジンは真っ二つになった。だが、切れた、というよりかは、破壊された、という表現の方が合っている。

「次は、太い方に、縦に包丁を入れる……、…………」

 また包丁が途中で止まってしまった。だから再び両手で叩きつける。

 バンッ。バキッと音を立ててニンジンが縦に割れた。半分、というより、三対七くらいの比率になったけれど、まあ気にしない。

 後は簡単。端から切っていくだけ。ザクザク切っていく。タマネギを五ミリで切るよりも、ニンジンを五ミリで切る方がずっと楽だ。十分ちょっとで全部切り終わった。

 切り終えてから見てみると、分厚さは不揃いだし、元々の柵の大きさが全然違かったので、結構バラバラなサイズ感になってしまった。でも気にしない。

 勢いに乗ってじゃがいもに手を出す。これは二つくらいだろうか。

「芽を落として、皮を剥く……」

 とりあえずピーラーを滑らせてみる。ニンジンよりかは面倒だが、難しい作業ではない。林間の飯盒炊飯を思い出し、ピーラーの端についている突起で芽を抉ることも理解した。

「じゃがいもの芽って……、どれ……??」

 手に取って眺めてみると、確かに小さな乳首みたいのがいくつか生えている。多分これを取る。他にもクレーターみたいのがいくつかあるけれど、これも芽だろうか?

「まあいいや。全部取ろ!」

 ピーラーの端を当てると、案外簡単に芽を落とすことが出来た。ピーラー大活躍だな。もう少し料理が出来るようになったら、マイピーラーを買おう。そんなことを考える余裕も出て来た。

 一通り皮を剥き終わったところで、とりあえず真ん中に包丁を入れて半分にした。次に半分を四等分にしてみた。

「ちょっと。大きいかな……?」

 さらに半分にして八等分にしてみる。

「これだと、ちょっと小さい……?」

 どうやら半分の六等分くらいがちょうどよさそうだ。

「六等分……?六等分ってどう切ればいいのぉっ??」

 とりあえず、もう一つの半分を半分にしてみる。この後、どこに包丁を入れたものか。とりあえず三分の一位のところで切る。そして三分の二くらいのところでも切る。

 六カットにはなった。しかし比率が等分ではなく、二対三対一くらいでバラバラだ。しかしまあいい。そんなこと気にしない。

 もう一つのじゃがいもも、同じように切った。

 次は肉だ、と思ったが、買ってきた肉はカレー用なので、もう切れている。ここで、切る作業は終了であることにサクラは気付いた。

 そして歓喜した。

「キターーーーーッ!!」

 一人でここまで出来た。確かにカットは歪だけれど、想像以上にスムーズだった。なんだ。一人でちゃんと出来るじゃないか。この勢いでどんどんやってしまおう。


 一通りカットした具材を、いよいよ火にかけていく。 

「まずは……、タマネギを飴色になるまで炒める……。飴色って、なにっ??」

 よく分からなかったが、鍋に油を敷いて、コンロの火をつける。

「火の強さはどれくらいなんだろ……」

 レシピには特に書いていないので、何でもいいということなのだろうか。一番強いのはなんか違う気がしたので、真ん中より少し強いくらいにした。

 カットしたタマネギを鍋に投入した。最初はうんともすんとも言わなかったが、だんだんジュージューと小気味良い音を立てきた。

 おお。タマネギだけなのに、既にいい匂いがしてきた。ヘラでかき混ぜてやると、わあっと湯気が立ち、五感で食欲が刺激される感じがする。

「お腹空いてきたかも……」

 もう、出来上がるのが楽しみで仕方がない。

 しばらくかき混ぜていると、部屋中が湯気で曇っていることに気付いた。美味しそうな匂いも充満している。その時、お母さんがアサガオに、『換気扇をつけなさい!』と叱りつけている場面を思い出し、急いで換気扇のスイッチを入れた。

「まあ、セーフでしょ……?誰も見ていないし!」

 そう、今日は自由の日なのだ。料理をするのも自由。ちょっと手順を間違えたって、誰にも叱られはしない。

 タマネギの色が変わってきた。飴色、というのが未だ理解出来ていないが、もう少し炒めてみようと思う。

 タマネギの端々が少し焦げて来たかなぁ、というタイミングで次の手順に移ることにした。確か、理科の実験で、べっこう飴というのを作ったことがあるが、あの時できた飴は、結構焦げたような色をしていたから。

 鍋に少しだけ脂を足して、チューブニンニクを入れる。しかしレシピを見ても、一片としか書いてないから、どれくらいの分量かわからない。だから適当に、二センチくらい絞り出して入れた。そして肉を入れる。

「表面の色が変わるまで炒める……」

 肉がジュージュー言っている。なんて美味そうなんだろうか。

「良い匂い……。これだけでご飯食べられそうー」

 まだ味は何もついていないのだが。

 一通り肉の表面に色がついた時、タマネギはもう焦げ掛かっていた。

「大丈夫?コレっ?」

 レシピを見ると、タマネギは焦げやすいので、少し水を足しながら炒めるとよい、と書いてある。しかしそんなものを用意している間に、さっさと作ってしまった方が良いんじゃないかとサクラは思った。

 野菜から水が出る、と聞いたことがあるし、と。まあ、ニンジンもじゃがいもも、あんまり水は出ないのだが。

 そこでニンジンと、じゃがいもを続けざまに投入する。すると、ジュージュー言う音がかなり収まった。どうやら丸焦げにはならなそうだ。

 ヘラでかき混ぜるのが大変になってきた。ヘラが重い。無理に動かそうとすると、ニンジンかじゃがいもが吹っ飛んでいってしまいそう。

 かき混ぜるのがなんだか面倒になってきたサクラは、ここで水を投入してしまうことにした。分量は、まあ二人分くらい。ルウは今日買ったばかりだし、足りないってことは無いだろうし、適当でいいや。シンクまで鍋を運び、適当な目分量で水を入れた。

「あとは……、沸騰してきたらアクを取る……。具に火が通ったら、ルウを入れて完成……、か……。アクって、なにっ!!」

 アク、とはよく聞く言葉ではあるが、実際にアクという物体を見たことは無かった。なんなんだ、アクって。サクラの頭の中で色々な想像が飛び交う。

(白いのかな?黒いのかな?取るくらいだから、きっと黒いんじゃないかなぁ?焦げみたいなヤツだね、きっと!!)

 そういうことならば、黒っぽい物体が出てくるまで待つことにする。既に九割がた、料理も完了していた。

 時計を見ると、四時半になろうかというところ。なんだかんだで、料理開始から一時間半位経っていた。まあ、五時には終わるだろう。

 しばらくすると、鍋が沸いた。勢いよく噴き出してきそうだったので、火を少し弱めてもうしばらく待つ。すると、ぽつぽつと、灰色とも、肌色ともいえない、謎の物体が浮いてきた。

「こッ、これがアク?」

 確信は持てなかったが、とりあえずオタマですくって捨てる。何度か繰り返しているうちに、そんなに出てこなくなった。時計の針が五時を指すまでさらに待って、ニンジンとジャガイモに箸を突き刺してみた。うん。もうだいぶ柔らかいけど、もう少し煮込んだ方が良さそう。

 その間に後片付けをしてしまうことにする。

 シンクに散らばった、タマネギ、ニンジン、ジャガイモの皮を集め、三角コーナーに捨てる。そして包丁、まな板、ボールを洗って完了。洗い物の手際もあまり良く無いので、けっこうな時間がかかった。

 もうカレールウを入れても大丈夫だろう。しかしどれくらいの量を入れればいいのかよく分からなかった。とりあえず箱を空けて、二つになっている塊を一個、そのまま放り込んでみた。

 しばらくかき混ぜていると、自然とルウが溶けて来た。

「おおーっ!」

 感嘆の声を上げつつ、もっともっとかき混ぜる。あれ、適当な分量でやったけど、色もとろみも、いつものカレーと同じ感じになってきた!

「まさか……っ!?で、き、た!?」

 ちょっとすくって味見してみる。

「アツっ!!」

 まだちょっと熱かった。フウフウしてもう一度試してみる。

「……っ!!こっ……、これはっ……、これはっ……!!」

 サクラの身体を電撃が駆け抜けていった。思わず叫ぶ。

「カレーだぁああああぁあ!!」

 カレーだった。カレーを作ったら、普通のカレーが出来た。

 とまれ、サクラの初めての料理は完成した。なんとなくもう少し煮込んでから、ルウの余りを箱に戻し、鍋に蓋をして、火を止めた。

「できた……!!できたぁああああああああーーーー!!」

 後はアサガオの帰りを待つだけだ。

 大仕事を終わらせ、気が緩んだサクラは、そのままコタツのスイッチを入れ、寝転んだ。慣れないことをたくさんしたからだろう、今日は疲労が溜まっていたようだ。数分もしない内に、すっかり眠ってしまったのだった。


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