1.プロローグ
その日はいつもと変わらないありふれた1日になる筈だった、俺こと八神 莉音は朝眠い目を擦りながら起き上がり母さんが作った朝ご飯を食べた後学校へ行きクラスメイトへ挨拶をし友人の秋空 鈴斗と新しく発売するゲームの話で盛り上がり、授業中に寝ていた頃を教師に見つかり説教され学校から鈴斗の家に向かおうとしている時だった、鈴斗の家の前の横断歩道で信号待ちをしている時、後ろから男の子が走って道に飛び出して行ったどうやら塀の上にいる猫を見て飛び出してしまったらしい、慌てて母親が止めようとするも止められず道路に飛び出してしまった
パーーー
丁度走って来ていたトラックの運転手が男の子に気が付きクラクションを鳴らしブレーキを踏むも間に合いそうも無いそれを見て咄嗟に俺は走り出していた、後ろで鈴斗が叫んでいたが気にせずに走り男の子の体を掴み母親の方に投げ飛ばした、俺は運動が苦手で体育の授業ではいつも下の中くらいの成績しか無いがこの時は火事場の馬鹿力を発揮したのか母親の方まで男の子を投げることができた、緊急だったので乱暴になってしまったが何とか母親が受け止めれた様だ、俺が確認出来たのはそこまでだった、母親が男の子を受け止めたのを確認した瞬間遂にトラックに衝突したのだ、衝突した衝撃で宙に浮き訳がわからず「一体何が起こったんだ?」と考えているうちに地面に激突していた、地面に激突した瞬間激痛が襲って俺は声にならない悲鳴を上げた、遠くで鈴斗や男の子の母親たまたま近くに居た通行人の悲鳴が聞こえてきた、次第に意識が朦朧とし激痛も遠のき慌てた様子で走って来て必死で呼び掛けて来る鈴斗の姿を他人事の様に見ていた、そうしている間にも徐々に命の灯火が消えていくのが自分でも分かった、俺が最後に考えたのは
「新作のゲームやりたかったな〜」
だった、そうして八神 莉音としての生涯を終えるのだった・・・・・
「・・・て」
「・・きて」
「起きて」
そんな声を聞きながら俺は目を覚ました、最初に視界に入ってきたのは何処かの教会にでも有りそうな綺麗な壁画だった、縁の方は星が輝く夜空で真ん中に行くに従ってグラデーションになっており、段々と夜空から朝焼けの空になり真ん中は太陽が輝く真昼の空になっていた、暫く目が覚める時に聞いた声を忘れ壁画に見入っていたら
「気に入ってもらえて嬉しいですがそろそろ本題に入りたいのですが」
と、声が聞こえて来たので慌てて声が聞こえて来た方向に視線を向けた場所には、女神と聞いてすぐに思い描く様な白いダレスを纏った女性が豪華な椅子に座らこちらを見ていた。
「あのー、貴方は一体どなたでしょうか?此処は何処なんでしょうか?あと、俺は死んだんでしょうか?」
思わず気が動転していたのと、余りにも目の前の女性が綺麗だったので普段使わない敬語を無意識に使っていた、人間分からない事や美人を目の前にすると無意識に敬語になるんだな〜と、半端現実逃避の為に考えていたら、
「普段の喋り方で構いませんよ?あと質問の答えですが、私の名前はアルディスと言います此処は私が住んでいる神宮ティアリエ、その中に有る謁見の間です、最後の質問は大変答えづらいのですが・・・貴方が認識している通りあの時貴方はトラックに跳ねられて死んでしまいました、本来なら貴方の魂はそのまま輪廻の輪に帰り魂が浄化されそれまで積み重ねてきた記憶を洗い流し次の生が与えられるまで輪廻の輪の中で揺蕩うはずでしたが貴方が助けたあの男の子は数十年後、世界で広まり何十万人もの死者を出すウイルスの特効薬を作る事になっていました、それをこちらの手違いであんな事になってしまいました、あのままではあの子は死んでしまいウイルスの特効薬は作られずに、やがて世界は滅んでいたでしょう貴方には世界を救っていただき感謝しています、それと同時に貴方がこれから歩む筈だった人生を絶ってしまい申し訳無く思ってもいます、そこで記憶を持ったまま私が管理する世界の内の一つへ転生してはどうかと思い貴方の魂を此処に呼び寄せました、勿論これは命令では無く提案です、断ってもらっても構いません」
と、目の前の女性・・アルディスが俺の質問に答えてくれた、まあ最後の質問の返答が思ったよりも長かったが知りたい事も知れたし良いだろう、質問したい事も増えたが。
「大体の事情は分かったが気になったことが何個かあるから聞いていいか?」
「勿論です、何でも聞いて下さい!」
「ああ、分かったじゃあ遠慮無く聞かせてもらう」
と答えながらも心の中では
「急にテンションが高くなったな〜」
と考えていた
「俺が住んでいた世界はアルディスの管理していた世界なのか?」
「半分そうで、半分そうではないです、貴方が住んでいた世界は私と他の神々と共同で管理していました、今私が貴方と会って話しているのは私が神々を纏める長の様な立場に居るからです」
「成る程、今更だが俺が助けたあの男の子は無事だったのか?」
「はい、母親が受け止めきれなかった所が地面に当たって擦りむいたくらいで重傷はしていません」
「それは良かった、次は〜輪廻の輪って本当に有るんだな」
「はい有りますよ、全ての世界を繋ぐ通路の真ん中にありその魂を必要としている世界へと送り出し役目を終えた魂は輪廻の輪へと戻り、先程言った様に記憶を洗い流しまた必要とされるまで輪廻の輪の中で眠り続けます」
「へ〜そんな仕組みなのか、最後の質問だけどその提案をことわった輪廻の輪の中に戻るのか?」
「はいそうなります、転生するのならばどんな種族になるか選んだり能力を決める事が出来ます」
「そう言えばその世界って、魔法とかは使える所なのか?」
「勿論使えますよ、貴方が住んでいた世界で言うとラノベやファンタジー小説の様な世界ですね」
「よくラノベやファンタジー小説なんて言葉をしってたなぁ」
「内容が面白いので休憩の時によく読んでいますから、ただ面白すぎて時間を超え読み耽ってしまった時はよく部下たちに注意されてそれが続いた時は暫く禁止されますけど」
「そ、そうなのか《この様子じゃ常習犯だな、余り部下たちに苦労をかけない様にしろよ》俺は転生する事にする、その方が楽しそうだし」
「分かりました、それではステータスと唱えて下さい」
「嗚呼分かった、ステータス」
目の前にゲームで良く見る様な半透明な画面が現れ其処には種族や職業などが描かれていた
「お〜、本当にゲームみたいだなぁ」
「その方が分かりやすかったのでゲーム画面を参考にしてみました♪」
燃え尽きそうです、初めてなのでどう書いて良いのか分かりませんが楽しんで頂けたら幸いです。