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たかしちゃんと  作者: 溝端翔
転校編
4/29

たかしちゃんと転校初日(4)

 たかしです。

 気がつけば放課後になりました。


 放課後を知らせる最後のチャイムは教室のカンコン鳥さんではなく、正門の横にどしんと構えた少し大きいお爺ちゃんのカンコン鳥さんが鳴くみたいです。

 あのおじいちゃん鳥さん石像だと思っていました…。帰る時にちゃんと謝らないと。

 お昼休みは、また阿瀬君にからかわれました。きらなちゃんが助けてくれたのですが、またまた天然でとどめを刺されてしまいました。

 転校初日から泣いてばっかです。

 もっとしっかりしないと!


「たーかっしちゃんっ!」


「ひゃあ!」


 ううう、思ったそばから涙目です…。


「あはは、学校案内してあげるよ!!」


「もー、きらなちゃん、びっくりするので後ろから急に抱きつかないでください!」


「えー? だめかね? ふふふ。て言うかたかしちゃん!」


「あたっ?!」


 こつん。と頭を小突かれました。


「なにその話し方! 友達なんだからもっと楽に話して! こっちまでカチコチしちゃう!」


 きらなちゃんはやっぱり、優しいなあ。


「は、はい」


「ちがーう! はいじゃない! うん!」


「う、うん?」


「よろしい」


 ふにゃーあ。な、なでなで、されました。なんだかとてもぽかぽか。


「き、きらなちゃん?」


「なんだね?」


「友達……」


「そ! 友達だよー! だーかーらー、何かあったらいつでも頼ってね!」


「じゃ、じゃあ、男の子みたいって、言わないで…」


「うわー!ごめん! 私びっくりしちゃってさ、気にしてるもんね! 気をつけるよ! でも、たかしちゃん可愛いし気にしなくていいと思うけどなー。あ、そんなことよりさ!学校案内したげるよ! 行こ行こ!」


 きらなちゃん、そんなことって、私にとっては今後の生活がかかって…。

 それに私は可愛くないです…。

 でも、そういう所がきらなちゃんの良いところなのかな?

 初日にとても大切な友達ができました。


「よーし!行こっか!」


「うん!」



「そんでー、こっちが家庭科室でーこっちが理科室! この理科室には人体模型が四つもあるんだよ!」


「四つ? そんなに使うの?」


「さー?しらなーい! あ、こっちこっち! たかしちゃんほら!ここが天体室!夜にね星が観れるの!」


 わあ、ここが天体室…お星様かあ……。


「そうだそうだ、たかしちゃん!部活は決めた?? 一応ねーこの学校は全員部活には入らないとだめなの! 私は天文部に入ってるよ! たまーに夜に集まってね、星をみるの!」


 ほとんど行ってないけど、って、さすがはきらなちゃんです。ふふふ。


「部活かあ、考えてなかったです」


「そーなの? じゃあさ、天文部入らない? たかしちゃんが行くなら、私もちゃんと行く!」


「私、お星様…みたい」


「綺麗に見えるんだよ!天体室だけ天井がガラス張りになってて、開くようになってるの。夜はキラキラ星が光って、望遠鏡で見たりできるの! ほら、部員もちょうど募集してるしさ、入ろうよ!」


 天文部員募集中…かあ。

 ポスターの右下に『部長:星見輝(ほしみ てる』『副部長:干柿玲(ほしがき れい)』と書かれ『詳しくは担任の先生まで。』と書かれています。


「天文部、考えときます」


 とってもお星さまが見たいけど、今ハイって言うのはなんだか恥ずかしいです。


「やったあ!!じゃあ明日先生に言おうね!!」


 あれれ、きらなちゃんはもうその気満々になってます。ふふ。


「ありがとう、きらなちゃん!」


「ううん、こっちこそ楽しかった!たかしちゃん、また明日ね!」


 わあっ、廊下は走っちゃだめですよー!ふふふ。

 あ、待って。


「きらなちゃん!」


 私も言いたい。


「おーっとっと。なあにー?」


「また明日です!」


「うん!ばいばい!」


 きらなちゃんは手をブンブン振りながらで 走って行きました。

 いっぱい泣いちゃったけど、すごく楽しい一日だったなあ。


「ばいばい」


 きらなちゃんが消えた方へ言ってみます。ふふふ。なんだかくすぐったい。


「あ、あれ、ここって…」

 

 そういえば学校案内の途中でした。

 きらなちゃんの素早い案内は天文部のことで全部消えちゃいました…。帰れるのかな。


「ううう、待ってーきらなちゃーん。うう」

 

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