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たかしちゃんと  作者: 溝端翔
部活体験編
29/29

たかしちゃんとタイプ

次回の更新は1/27金曜日22時頃更新です。


毎週金曜日更新です。

Twitterにキャラクターのイメージイラストなどもアップしております。

『キンコンカンコン』


「よーし、今日も吉良は遅刻だがみんな揃ってるなー」


「セーフでしょ!! セーフ!!」


 ふふ、きらなちゃんもっと早く来ればいいのに。


「それでだ、再来週の木曜日から二日間、中間テストがあるからな。それの時間割配っとくぞー」


「えええええ!」

「テストいやーー!!」


 うう、テストかあ。


「大丈夫だ、普段からちゃんと勉強してるお前らなら満点間違いなしだよ。あ、それと来週の木曜日からは部活も休止だからな。その分しっかり勉強するように」


 部活もお休みになっちゃうのか……。テストのお勉強しないといけないのかあ。

 やだなあ……。

 えっと、1日目が数学と国語と社会で2日目が理科と英語。

 うにゃあ、テスト始まっちゃうよう。


「因みに体育のテストはないからなー、先生のとこ来ても教えられることはないぞ。聞きたいことがあったら担当の先生に聞いてくれー」



----------



『キンコンカンコン』


「たーかーっしちゃん!」


「にゃあっ」


「あはは。ねえたかしちゃん! 再来週から部活なくなるでしょ、放課後時間できるしさー遊ぼーよ! 私の家来てもいいーしー、たかしちゃんの家行ってもいいしー」


 あ、きらなちゃんのお家また行きたいなあ……。


「……えええ! お勉強はしないのきらなちゃん!」


「勉強って、別にすることないじゃんか。いつも通りでいいのよいつも通りで。それで点数取れるんだしさ」


 ああ、それで点数取れるんだ。

 きらなちゃんうらやましい……。

 ずるい……。

 可愛くって、スポーツができて、お歌も上手で、おしゃれで、その上勉強もできちゃうんだ……。


 ずるい……。


「もしかしてたかしちゃん勉強したいの?」


「う、うん……」


「あー、たかしちゃんそういうタイプかー。テスト勉強するタイプ」


 タイプって……。


「私は勉強しないタイプなんだけど、たかしちゃんそっちタイプかー。めずらしいねえ」


 ええっ。めずらしいの?


「きらなちゃん、テストだよ?? みんなテスト勉強するよう」


「あははは、たかしちゃん何言ってるのさ。テスト勉強なんて誰もしないって!」


 もしかして、ダイワ中学校ではそれが当たり前なのかな……。

 ど、どうしよう。お勉強したいのに……。

 お勉強したら変なのかな……。


「こ、ここちゃんー」


「わ、たかしちゃんどうしたの!?」


「えっと、えっと、えっと」


「えええ、きらきらどうなってるのー!?」


「たかしちゃんテスト勉強したいんだってさ。めずらしいよね、今どきテスト勉強なんてさ」


 うう、ここちゃん。

 ここちゃんは勉強するよね!?するよね!?


「あー、そういうことか。ボクは勉強するよー。部活とかでできてない分取り返さないといけないし」


 うう、やっぱり私だけ……にゃ?


「えええ!? ここもそっちタイプ!?」


「よかったあ!! ここちゃんこっちタイプだった!!」


「ええっと、タイプとかよくわかんないけど、たぶんそっちタイプ」


「いやいや! そんなはずないわよ! たまたま2人がおバカタイプだっただけで他のみんなは普通タイプよ」


 わああん、おバカって、おバカって。


「タイプってそういうこと。あれ、たかしちゃんもボクと同じでおバカだったの?」


 うー、ここちゃんは自分のことおバカだと思ってるよう。

 違うよう違うよう、私もここちゃんもおバカじゃないよう。

 きらなちゃんが変なだけだもん、きらなちゃんが頭良すぎるだけだもん。


「ほら、たかしちゃんの後ろ姿ずっと見てる変態、ちょっとこっち来て話に混ざりなさい」


「……ふっ、いつから気づいていたのかしら。私のストーカー・アイに気づくなんて……」


「そんなことはいいから」


 ああ、愛ちゃんいたんだ。気がつかなかった。


「あんたはテスト勉強しない普通タイプよね??」


「テスト勉強? タイプとかはわからないけれど、テスト勉強はしますわ」


 愛ちゃん!

 ぎゅーっ!


「あ、たかしちゃん……きゃー!もう今日は手を洗いませんわ!明日も明後日も!!」


「そ、それは汚いよ愛ちゃん……」


「あーん、たかしちゃんに罵られてしまったわ……」


「おかしいわね……。ここも愛もたかしちゃんもおバカタイプだなんて」


 うう、だからおバカじゃないのに……。


「あ、ちょっとシュート! あんたもバカなの!?」


 きらなちゃん、せめておバカにして欲しいよう。バカはやだよう。


「はぁ!? いきなりなんだよ。えっと、はぁ!?」


「だからあんたもバカなのか聞いてるのよ!」


「えっと、ここ、説明してくれ……」


「えっとねー、ボクとたかしちゃんと愛ちゃんがおバカタイプで、きらきらが普通タイプらしいんだけど、シュートはどっち? ってこと」


「……えっと」


「違うわここたん。バカがつくほどたかしちゃんを愛しているかの質問ですわ」


「それだったら私もおバカタイプよ!!」


「あんっ!」


 うにゃあ……。

 ああ、また愛ちゃんチョップして……。

 でも愛ちゃんちょっと嬉しそう……。

 

 ううん、そうじゃなくって。


「阿瀬くんテスト勉強する?」


「そうそう! それが聞きたかったのよ!」


「テスト勉強って、そりゃあするけどそれがどうしたんだ? ああ、そういうことか」


 阿瀬くん!

 ぎゅーっ!

 ……あ、わっ。阿瀬君のおててぎゅってしちゃった。


「あ、えっと、なんか、すまん……?」


 うにゃああ、きらなちゃーん。

 恥ずかしいよう。


「こらシュート!何勝手にたかしちゃんと手繋いでるの! よしよし、怖かったねえ」


「はぁ!? 俺じゃねえよ! たかしが勝手に!」


「うるさい!」


「きいいー!! 阿瀬の野郎……」


 わわ、愛ちゃん怖い。


「で、やっぱりあんたもおバカタイプだったのね」


「いや、そうじゃなくってお前が勉強出来すぎるだけだろ。普通はみんなテスト前には勉強するんだよ」


「嘘よ!! あ、ちょっと光貴!! あんたはテスト勉強しないわよね!?」


 あ、上くん。今何やってたんだろ。すっごく下を向いてた気がしたけど。


「ふっ、我がそんなことをするはずないであろう。たかだか教師が決めた試練になぜ私が本気でかからねばならんのだ。我は神だぞ、高貴なる神だ。その私がテスト勉強なんて低俗な行動をとるわけがな……」


「おっけーありがと。ほら、いたでしょ! 普通タイプ!」


 ああ、まだ上くん話してたのに。


「いや、あいつ毎回テストの点数ひどいぞ?」


 ええ!上くんお母さんに笑われないのかな!?


「じゃあ、えっと、えっと、あ! 健司ちょっと! あんたテスト勉強する!?」


「……」


 散歩ヶ寺くんの声って聞いたことなかったなあ。

 お話ししてるとこも見たことないし。

 お話しするのかなあ?


「ほら!!」


「ほらってなんだよ! そもそも散歩ヶ寺はテストの点数も見せてくんねえしどうなのかもわかんねえよ!」


「でもいたでしょ! 普通タイプ!!」


「本当にいるんだ。テスト勉強しない人……」


「ね、だからたかしちゃん遊ぼうよ!」


「えっと……」


「ていうか、きらな。これタイプ分けするなら『普通タイプ』と『変人タイプ』じゃね?」


「え……」


 変人タイプって!

 きらなちゃん変人じゃないもん! 


「だってよ、光貴とか散歩ヶ寺と同じって相当な変人だとしか……ぐあぇっ!?」


 ああああきらなちゃんパンチ!阿瀬くん痛そう!!


「きらなちゃん人をたたいちゃダメだよう!」


「だってだって!! シュートのやつ私のこと変人だなんていうのよ!!」


「うう、そ、そうだけど……痛いことはしちゃダメだよう」


「むーじゃあ今度から気をつけるけど……。じゃあ私もテスト勉強しよっかなー。変人タイプ嫌だし」


 うう、そんな理由でテスト勉強するなんて……。

 うらやましいなあ。


「じゃあ私の家で放課後勉強会しよっか! たかしちゃんと、ここと……仕方ないわ、愛も呼んであげる」


「!!」


 愛ちゃんすっごい嬉しそう。口動いてるのに声出てないよ、ふふ。


「変なことはしちゃダメだからね。あ、シュートも来る?」


「はぁ!? なんでそんな女だらけのところ行くんだよ、俺ははじめただしとやる予定だから」


「じゃあ、その2人も呼んでいいよ!!」


「何人で勉強するつもりだよ! 遊びじゃないんだぞ。いいよこっちはこっちでやるから」


「ちぇー」


 ふふ、きらなちゃん楽しそう。

 ……テスト勉強できるのかな。大丈夫かな。


「大丈夫だよ! わかんないとこあったら私が教えてあげるからね!! きらな先生と呼びなさい!!」


 うう、頼りになるのに不安だよう。


「じゃあみんな! 来週の木曜日から放課後私の家ね!! ここも愛もわかった!?」


「うん! ママに言っとくよ、ご飯いらないって」


「了解ですわ。ふふふ」


「あ、じゃあ卒業アルバム探しとかないと……」


 み、みんな!?

 ううう、ちゃんと勉強できるのかな……。

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