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たかしちゃんと  作者: 溝端翔
部活体験編
23/29

たかしちゃんと帰り道

次回の更新は12月16日金曜日22時頃更新です。


毎週金曜日更新です。

Twitterにキャラクターのイメージイラストなどもアップしております。

「おーい! たかしちゃーん! 光ー! おまたせー!」


「あ、きらな先輩だ。早いですね。それとも私たちがゆっくりだったんでしょうか」


 あ、ほんとだ、ここちゃんもいる……。わあー、そんなに走ったら転んじゃうよ。


「おまたせおまたせー! ふう、待った?」


「ううん、私たちもついさっき着いたところだよ」


 なんで2人ともあんなに走っても転ばないんだろ。いいなあ。


「たかしちゃんやっほー!」


「あ、ここちゃんやっほー」


 ここちゃんはいつも元気だなあ。


「この子が光ちゃん? ボクは僕津ここだよ、よろしくねー」


「はい、井手野光って言います。よろしくお願いします」


「さっききらきらから聞いたんだけどね、光ちゃんって宇宙人が好きなの?」


「あ、はい! 特に火星人が好きです!」


「火星人ってあのタコみたいなやつ?」


「そうです!!!」 


 わっ、光ちゃんの目がキラキラしてる。ここちゃんも火星人さん好きなのかな?


「やっぱり火星人はタコですよね!! 犬の耳とか足が2本とかじゃないですよね!!」


「え、うん、タコだと、思ってたけど……。あれ? 違うの?」


「あってます!! すっごくあってます!!」


 わ、なんだろ、光ちゃんこっち見た。


「なによ光、私の意見は変えないからね!」


 あ、そっか。私の火星人さんも可愛いのになー。


「よーしじゃあ帰ろっか」


「あ、そういえばみなさん帰り道右ですか? 左ですか?」


「私左だよ」


「そっかあ……。私右です」


 そっかあ。光ちゃんはここでばいばいかあ。


「ボクも本当は右なんだけど、今日はきらきらの家行くからなあ」


「そうなんですか。じゃあ私はここでお別れですね。また来週です!」


「そうね、気をつけて帰りなさいよ!」


「来週は一緒に帰ろうか光ちゃん。部活は違うけどさ、もうお話ししたから友達でしょ! 宇宙人の話もうちょっと聞きたいし」


「はい! えへへ、みなさんお疲れ様でした! また来週です!」


「ばいばーい」

「ばいばーい」


 光ちゃん行っちゃった。火曜日の部活が楽しみだなあ。もっと光ちゃんとお話ししたい。


「よーし、じゃあ行こっか。あ、そういえばたかしちゃんはどっちなの?」


「あ、えっと、右」


「えええ!!一緒じゃん!!」


「ふにゃあっ」


 び、びっくりしたあ。


「あ、ごめんごめん。でも同じなら早く言ってよー。一緒に帰ってたのにさ」


「えっと、きらなちゃんいっつも放課後忙しそうだったし……。それにきらなちゃんがどっちの方向かわかんなかったから……」


「あ、そっか、いろんな部活に遊びに行ったり手伝いに行ったりしてたからか。じゃあこれからは一緒に帰ろうね!!」


「にゃ……。うん!」


「ふーたーりーとーも! 早く行こうよ!」


 あれ、ここちゃんはもう門の外でお待ちかねでした。


「じゃあ行こっか」


「うん!」


----------


「たかしちゃん、田んぼに落ちたらダメだからね!」


「大丈夫だよう、いっつもここ通ってるもん」


 むう、きらなちゃん、私そこまで運動神経悪く無いもん。

 あ、またあの白い鳥さんいる。なんていう鳥さんなんだろ……あ、そうだ!


「ねえねえ、きらなちゃんここちゃん。あのね? カンコン鳥さんの長老さんってね、いっつも寝てるの? 朝も、さっきも寝てたから気になってたの」


「そーだよー、夜は知らないけどね。学校の間は朝と下校のチャイムの時だけ起きるの。そんでまた寝るの。あー、朝ごはんと昼ごはんの時も起きてるか」


「そうなんだ。お話しするのは難しいかあ……」


 残念です。長老さんともお友達になりたかったなあ。


「そうだ、教室のカンコン鳥さん、お名前ってあるの?」


「さあ? ここ知ってる?」


「ボク? 知らないよ? 先生なら知ってるかも」


 二人とも知らないんだ。先生……知ってるかなあ。


「どうだろー、あの先生適当だからなー。なかったら私たちで名前付けよっか。ちっこいのはーチビカンコン鳥!」


「えー、もっと可愛い名前がいいなあ」


 名前にカンコン鳥入っちゃってるもん。


「あはは、きらきらそのまんますぎるよ」


「じゃあミニカンコン鳥!」


「あっはは、それじゃあほぼ一緒だよ」


「じゃあここは何がいいと思うのさー」


 ここちゃんならどんなお名前にするんだろ。


「ちっちゃいやつでしょ? あいつヤンチャだからなあ……。うーん、バード!」


 ええええ!!バードって!!


「あっははは! ヤンチャ関係無いじゃん! しかもバードってカンコン鳥みんなそうじゃんか!」


「ボク名前考えるのとか苦手だなあ、思いつかなかった……。たかしちゃんは? どんな名前がいいと思う?」


 ふにゃっ、えーっと、えーっと。ちっちゃいカンコン鳥さん。

 うーん、ううーん……。


「……ピーちゃん」


「あはは、たかしちゃんありきたりすぎ!」


「カンコン鳥はピーって鳴かないよ! あはは」


 ぷう、2人だって変な名前だったのに、笑いすぎだよう。

 でも考えるならもっと時間が欲しいなあ。


「あー楽し、ピーちゃんはそのまますぎるー」


「きらなちゃんこそチビとかミニとか付けただけだもん」


「やっぱボクの考えたのが一番いいね!」


「それはない!!」


 ふふふ、楽しいなあ。お引越ししてきてからこうやってみんなで帰るの初めてでちょっと緊張したけど、でも毎日一緒に帰れるといいなあ。


「そーらーをーみあーげれーばー♪」


「あおーいそーらにーーうかーんーでるー♪」


 わ、なんだろ。


「いーっぽーんのーひこおーきーぐもー♪」


「きみーとふーたりー♪」


「ゆびーでなーぞりー♪」


「わらいーーああーーーったねー♪」

「わらいーーああーーーったねー♪」


 急に歌い出したからびっくりしちゃった。なんの歌だろ、2人とも歌が上手だなあ。


「もうーたかしちゃんも歌わないとー。最後だけもっかい行くよ?」


 えええ、わ、私も?


「きみーとふーたりー♪」


「ゆびーでなーぞりー♪」


「わらいーーああーーーったねー♪」

「わらいーーああーーーったねー♪」

「わ、わら、い、た、ふにい」


 難しいよう、歌詞もちゃんとわかんないし恥ずかしいし、ううう。


「あっははは。もうー、全然笑いあってないじゃんかー。この歌知らないの?」


「えええ! そんなわけないよすっごい有名だよ?」


 うう、えっと。


「知らない……」


「えええ!! 本当に!? 『飛行機雲』だよ?? 空の色ってグループの!」


「うん……」


「ボク大好きなのになあ、空の色。びっくりしたあ。知らない人がいるなんて……」


「わたし音楽とか疎くって……。お歌もへたっぴだし」


「ははは。たかしちゃん今度いっぱい教えてあげるからねー。カラオケに練習しに行こうねー」


「うう、うん……」


「あー! ボクも行きたいボクも行きたい!!」


 うう、緊張してきちゃった。今日行かないのに……。


「もちろん! みんなで行かないとね!! あ、もうちょっとで家だよ」


「あ、ほんとだ! よーし!」


 わあっ!!

 ま、待って待って、2人とも置いてかないでー。


「もうーたかしちゃん早くー」


「ううー、二人とも早いよう」


 はう、さっきまでお話ししてたのに急に走り出すんだもん。二人に追いつけるわけ無いよう。ふう。


「だって早く行きたいしさ!」


「ここの言う通りだよ! もう6時回ってるんだよ! 遊ぶ時間短くなっちゃうでしょ!」


 ふええん、だからってそんなに早く走れないよう。


「はう、きらなちゃん、ふう、ここちゃん、もうちょっとゆっくり……」


「もうちょっとで着くのにー?」


 うう、楽しみだけど……。でも早いよう……。

 あれ、そういえば、やっぱりこの辺りはいつも通るところだなあ。


「たかしちゃーんはやくー!」


「ううう、まってえ」


「こっちだよー! こっちこっち!」


「ふう、ふう、早いよう。こけちゃうよう」


 危なかったです。なんどかこけちゃいそうになりました。


「ほら、ここが家だよ!! いらっしゃい!」


「わあ、おっきいお家」


「別におっきくはないよ! この辺みんなこんな感じでしょ!」


 あ、このお家……。


「わーー!!! このきれいなお家!! ここきらなちゃんのお家だったんだ!!」


「知ってるの?」


「うん! あのね、いっつも学校行くときにね、あっちからちょっと見えるの! きれいなお家だなあって思ってたの!」


 どんな人が住んでるんだろうって思ってたら、きらなちゃんだったんだ!!


「たかしちゃん家近所なの!?」


「うん、ここからもうちょっとあっちに行ったところだよ!!」


「じゃあご近所さんだったんだね!! すごいね!!」


 きらなちゃんとご近所さん!!

 えへへ、びっくりしちゃった。嬉しいなあ。次の日の学校に必要なものとか忘れちゃったら聞きに来たりしていいのかな?

 お休みの日とかにいきなり遊びに来てもいいのかな?


「いいなー、きらきらの家と近所だったらきらきらのママのご飯食べ放題だね」


「あはは、ここはほんとにお母さんの料理すきだねえ」


「だってすんごい美味しいんだよ!! たかしちゃんもほっぺ落ちちゃうよ!」


 食べてみたい!……けど本当にいいのかなあ。いきなりお邪魔しちゃうのに……。


「あ、たかしちゃんまた、そんな顔してる。いいの! 友達でしょ!」


「うん……」


「あ、そうだ近所なら後でたかしちゃん家行っていい?」


「にゃー! お片づけしてから!!」


「ちぇー、残念。ふふふ。さーじゃあ入ろっか」


 ふう、ふう。もうきらなちゃんったら、ドッキリしちゃった。

 きらなちゃんのお家、ドキドキ。どんなお部屋だろ。うう、緊張してきた。


「ただいまー!」

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