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たかしちゃんと  作者: 溝端翔
部活体験編
20/29

たかしちゃんと天文部(2)

次回の更新は11月25日金曜日更新です。


毎週金曜日更新です。

Twitterにキャラクターのイメージイラストなどもアップしております。

 ふうう、初めての部活。ちゃんとみんなと仲良くできるかな…。どんな人たちなんだろ。どんなことするんだろ。

 ううう、緊張するなあ。


「もー、たかしちゃんなにやってんの早く早く!」


「わわわ、待って待って。まだ心の準備が……」


「部活始まっちゃうよ! 15分からだよ!」


「わわわ、きらなちゃんお机揺らさないでー」


 ええっと、今は…4時2分。えっとえっと、後、えっと……あ、3分になっちゃった。うう、あと、うんと、12分。

 うう、もうすぐだ…。


「もーおっそーいー」


「あっははは、きらきら急かしすぎだって。そんなに急がなくても始まるまで結構あるし大丈夫だよ」


「初めてのたかしちゃんとの部活だよ!? 待てないよ!」


 えへへ、私もきらなちゃんとの部活楽しみだなあ。

 やっぱりこわいけど……。ううう。


「あ、きらきら、今日ちゃんと迎えに来てよ。ボク待ってるからね」


「当たり前でしょ! こここそちゃんと待ってなさいね」


「うん、じゃあまた後でー」


「後でねー」


 ふう、ここちゃんにちょっと助けられました。

 えへへ、きらなちゃんのお家楽しみだなー。


「ちょっとたかしちゃん! ぼーっとしてないで準備準備!」


 あわわ。


「あーん、可愛いわたかしちゃん」


「げ、愛居たの」


「あ、安心していいのよ。私これから生徒会があるから。それにお昼にいっぱいたかしちゃん補給したんですもの」


 生徒会?


「愛ちゃん生徒会の役員さんなの?」


「そうよ、と言っても生徒会は撫子先生が決めるんだけどね」


「あーんもう、私が説明するのにー。それでね、生徒会の人たちは撫子先生と同じでみんな名前に花の名前が隠れているの。私だと百合ね。会長は…」


「あー、その話はまた今度にして!部活部活、遅れちゃう!」


 あ、ほんとだ、もう9分になってる。


「ふふ、別にいいのよ。だって次また話せる機会ができたんですもの」


 えへへ。


「あーもう聞いてないって、たかしちゃんも早く早く!」


「うん。えっとえっと、今日は愛ちゃんきらなちゃんのお家こないの?」


「私はまた今度にさせてもらうわ。生徒会今日は早く終わるみたいだから」


「そっか」


 あ、きらなちゃん足踏みしてる。ふふふ。


「いこっかきらなちゃん」


「ぶーぶー。たかしちゃん遅いんだから」


「愛ちゃんまた月曜日ー。ばいばいー」


「あー、ぎゅうー。ばいばいー。きらきらもー」


 ふにゃあ。愛ちゃんは柔らかい。


「あ!! やられた!! ぎゅーっ! ふう、行こっか遅刻しちゃう」


「ふにゃあ」


----------


「失礼しまーす」

「し、失礼しまーす」


 あ、今日はお部屋明るいんだ。

 わあ、望遠鏡とかお星さまの本とかいっぱいあったんだ。この前は真っ暗だったから気づかなかった。

 ……? なんか変な人がいる。鮭持ってる。だれだろ、なんだか、えっと、クマみたい、タンクトップを着たクマさん。……先生、かなあ?


「せんせー。久しぶりー」


「お、君が新入部員の高橋か。よろしく」


 ああ、やっぱり先生なんだ……。なんだろうあの鮭。


「ちがーう!先生マスクより眼鏡したほうがいいんじゃないの!?私は綺羅名!」


「冗談だよ、そっちの君が新入部員だね? とても静かな部活だけれど楽しんでもらえると嬉しいよ。私は顧問の天野太陽(あまのたいよう)。太陽のように熱いことで有名だ」


「えええ、ええ、と。た、高橋たかしです。よろしくお願いします」


 なんで鮭を持ち上げたり降ろしたりしてるんだろ……。


「もう、先生が意味わかんないこと言ってるからたかしちゃん怖がってるでしょ! こんな名前でも女の子なんだから! そんなムキムキだから怖がるんだよ!」


 あう、きらなちゃん、こんな名前でもって……。


「ああ! ほら涙目になってるでしょ!! 先生筋トレ禁止!!」


「ダメだ! 筋トレだって星を観るうえで重要なんだぞ! 私たちが住むこの大きな地球。その地球を取り囲む広大な宇宙。その広い宇宙の中でこうやって君たちと巡り会ったのは本当に素晴らしい奇跡なんだ。でもな、やっぱりこの広大な宇宙にとってはその素晴らしい奇跡すらもちっぽけな存在なんだよ。だからこそ私は筋トレをしてこの宇宙に生き続けるのさ!!」


 ……。えっと。どういうことだろ。


「だからそれ何回聞いても意味わかんないって先生」


「こんにちはー」

「こんにちはー」


「おう」


 わわ、二人も部員さんきちゃった。ふーう。

 男の子かな…。


「あ、きらな先輩お久しぶりです!」


「やっほー」


「あれ? 後ろの人は?」


「新入部員の高橋だ。吉良と同じ二年だ。仲良くな」


「可愛い先輩だね」

「きらな先輩といい勝負じゃない?」


 はう、なんかこそこそしてる。ううう。


「僕は八木です! 高橋先輩!」


「俺は早乙女です! よろしくお願いします先輩!」


「よ、よろしくお願いします。えっと、八木くんと早乙女くん」


「声も可愛い。どうする声も可愛い」

「声はきらな先輩よりも可愛いんじゃない?」


 うう、なんだろ、またこそこそしてるよう。

 先生もずっと鮭してるし。


「そこ! こそこそしない!」


「わ、ごめんなさい」


「おこられたじゃんか」


 嫌われちゃったかな……。きらなちゃーん。


「ふふ、怖い? 大丈夫だよ。みんな優しい人たちだし。みんな星が好きだから天文部に入ってるんだよ。多分」


「多分?」


「だってみんなの事完璧に分かるわけないし。多分だよ多分。でもみんな優しいよ」


 ふふふ。うん。みんな優しそうだし。なにかこそこそしてたけど、でもいやな感じゃなかったから。

 思ってたよりも怖くないかも。先生は鮭だけど。


「こんにちはー」


「お、井手野、こっちこっち。念願の女子新入部員の高橋先輩」


「わ、ホントだ! えっと私一年の井手野光(いてのひかり)って言います!よろしくお願いします」


 わあ、ちっちゃい。天子ちゃんよりちょっと背が高いかな。ショートカット似合うなぁ、サラサラいいなあ。

 カバンにいっぱいキーホルダー付けてる。なんだろ、うーん、タコみたいな。


「えっと、私は高橋……。よろしく」


「やった、ずっと女子の部員来ないかって思ってたんです。玲先輩は輝先輩にべったりだし。きらな先輩は来てくれないし。八木くんと早乙女くんは男だし、先生も男だし。よかった! 高橋先輩はちゃんと来てくださいね!!」


 よかった、なんだかとても仲良くできそうです。


「そうだ、高橋先輩下の名前教えてもらっていいですか? 下の名前で呼びたいです! みんなそうさせてもらってるので!」


 あう。


「えっと、えっと」


「たかしちゃんよ! たかしちゃん先輩と呼びなさい!」


「たかしちゃん……。名前たかしなんですか!?すごい!なんか可愛い!! よろしくお願いしますたかしちゃん先輩!」


 えええ!? 可愛いって、ええ!! 可愛くない可愛くない!


「あははは! 光ちゃん何言ってんのさ、たかしは可愛くないよ! 可愛いのはたかしちゃんだよ、たかしって男の子じゃん!」


 グッサリ。

 ううう、きらなちゃん……。


「ええ、そんな事ないですよ! 珍しくて可愛いじゃないですか! たかしちゃん先輩見た目も可愛いし羨ましいです! あ、もしかしたらたかしちゃん先輩って宇宙人とかですか!?」


 ええっ!?


「ははは、何言ってるのちゃんと人間でしょ! 変なの。でも見た目は可愛いよね! あんた良い子ね」


「なんだ、もしかしたらって思ったのに。でも良いなあ、可愛くって」


 うう、なんだろう、よ、喜んで良いのかな……。名前可愛いって言われた事ないからわかんないよう……。


「僕たちもたかしちゃん先輩って呼んでいいですか!?」


「えっと……。あ、うん」


「やった!だいぶ距離が縮まったぞ」

「次はきらな先輩をきらなちゃん先輩って呼んでみるか……」

「……」

「……」

「やめとこう」

「そうだな」


「ちょっとあんたたち、何か言いたいことでもあるの?」


「いえ」

「なんでもないっす」


「ふふ、よかった。みんな楽しい人たちで」


「でしょ。大丈夫大丈夫」


「うん! みんなでお星さま見るの楽しみ!」


天文部、続きます。

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