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たかしちゃんと  作者: 溝端翔
転校編
2/29

たかしちゃんと転校初日(2)

『キンコンカンコン』


「お、もうこんな時間かい……? はい、じゃあ今日の授業はここまでです」


「たかしちゃーん!! 大丈夫??」


 うう。きらなちゃん……かな?


「あっ……ははは! たかしちゃん顔! 顔!! すごいことになってるよ!! 」


「あうっ」


 ううう……忘れてた……、ティッシュももう全部使っちゃったし……。


「もう吉良さん! 高橋さんに失礼でしょう!」


「ごめんごめん、ほら、ティッシュ使っていいよ?」


 は、箱……!?


「あ、あなたそのティッシュ先生のでしょ!」

「そ、そうだけど……」


「きらなちゃんありがと……」


「だめじゃない勝手に先生の使ったら!」

「もうーいいでしょひよりー、私ティッシュ持ってないしさ……」


「ちーん」


「だからって先生の勝手に使ったらいけません!!」

「むう……。おっ! たかしちゃん綺麗になった綺麗になった!」

「ちょっと! 吉良さん無視しない!!」


 うう、恥ずかしい……。


「それと! たかしちゃんずっと泣いたでしょ! ノート見せて欲しかったら言ってね!」

「ああ! はいはい! ボクもボクも!」

「えー、ノートなら私のノート貸してあげるよ! 2人とも字汚くて読みづらいんだもん」

「なにおー!!」


 ふふっ。


「みんな、ありがとうございます……」


「いえいえ! どういたしまして!」


 えへへ、なんだかみんなあったかいです。


「お、高橋さん。大丈夫かい??」


「大丈夫だよせんせー!」


「えっと……まあせっかくだから吉良さん達に任せますね。高橋さん、授業でわからないところがあったら聞きに来ても構わないからね」


「は、はい!」


「今の先生は社会の八代(やしろ)先生だよ。さっきたかしちゃんの為に自己紹介してたのに寝てたでしょー」


「あうっ……。ね、寝てない……です……」


「あはは、元気そうでよかったー!」


「あ、高橋さんもう大丈夫なの?」

「本当だ、高橋さん大丈夫!?」

「ほんまや!! あたしも!! あたしもたかしちゃんと喋りたい!!」


 わわわわっ、えっとえっと」


「高橋さんってどこから引っ越してきたの?」

「そのリボン大っきいねー!」

「たかしちゃんって名前変わってるよなー」


「ちょっと祇郁(ぎいく)さん! 名前のことは触れてあげたらかわいそうじゃない!」


「えーなんでーさ、そんなことないやろ……。なーたかしちゃん」


「こらー! たかしちゃんは今起きたばっかりなの!! そんなに寄ってたかって質問攻めにしちゃだめー! やっと泣き止んだばっかりなんだから!! まったく。ねったかしちゃん?」


「わ……。えっと、えっと」


「えー、きらきらばっかりずるいー」


「私たちも高橋さんとお話ししたいよねー!」


「あ、あの……。私も、えっと、仲良くしたい……です」


「ほらー! 高橋さんもそう言ってるしさー!」


「そうだそうだー!!」


「あう、で、でも、ちょっと、囲まれるとびっくりしちゃ……いま……」


「ほらね!! たかしちゃんは怖がりなの! だから私良いこと思いついたの! まずは自己紹介しましょう! たかしちゃんはさっき自己紹介したけどさ、私達の事は何にも知らないでしょ!?」


「そうだね!!」

「確かに!!」


「じゃあボクから! ボクの名前は僕津(ぼくつ)ここ!! ここって呼んで!! えーっと好きなことは食べることとスポーツ! 特にサッカーが好きなんだけど……部活は男子だけだって言われてしかたなくハンドボールしてるんだけど……あーサッカー部がよかったなあ……」


「ここちゃん……」

「うん!」


 ここちゃん。スポーツが好きでショートカットが似合って前髪止めてるピンも可愛いボーイッシュな女の子。


「あー!ちょっとここ!!私からする予定だったのに!!先越さないでよ!!」


「それじゃっじゃあ次は私ね! 私は比留(ひとめ)ひより! ひよりって呼んでいいよ! 好きなことは……友達とお喋りすることかな! 高橋さんともいっぱいお話ししたいなっ! よろしくね!」


「あ!ちょっとひよりまで!!」


「ふふ、ひよりちゃん」


 ひよりちゃん。髪型も話し方も委員長みたいでしっかりしてるメガネかわいい女の子。

 ……あれ? でもきらなちゃんが委員長なんだっけ。


「よーし!次私!! えっと、私は寿(ことぶき)(つかさ)! つかさって呼んで!」


「つかさちゃん」


「あ、それでね、あのね、私の名前の漢字、苗字が寿で、下の名前が司なの。聞いてのとおり繋げたらお寿司になるんだけどね……今年のクラス発表の時に……」


========


「わ、もうみんな集まってる……。私のクラスどこだろ……あ、 A組…」

「お寿司だー!! お寿司がいる!!」


「えっ!?」


「ほら見て! お寿司だよ! 女の子かな!? どこにいるんだろう!! おーい! お寿司ちゃーん!! どこー!?」


========


「って具合にね、きらなちゃん叫んだの! 全校生徒がいるのにだよ?  あの日はすごく気配消したよー、すぐ見つかってダメだったけど。だからあんまり気にしないでいいよ! きらなちゃん悪気はないみたいだし」


「ん? なにが??」


「ほらね……」


 つかさちゃん。お名前はお寿司みたいで。髪は後ろで結ってて。お寿司好きなのかな?


 そんなことがあったんだ……きらなちゃんったら……。


「あー! じゃあ私も私も! 私は細見(ほそみ)小枝(さえ)! 細見の漢字は”ほそい”に”みる”で、小枝は”こえだ”って書くのね。それで……」


========


「えーっと。私の席、私の席はー……。あそこか。あれ? あれ?? あなたが小枝ちゃん!?」


「そ、そうだけど……」


「ええ!! 細くなーい!!」


========


「って言うの!! そりゃあ確かに私細くないし……っていうかむしろぽっちゃりしてるけどさ!! わざわざ言わなくてもいいよね!!」


「ちょっとちょっと!! 自己紹介タイムでしょ!! 途中からほとんど私の紹介じゃない!!


 ふふふ、やっぱりきらなちゃん天然なんだ。

 さえちゃん。ちょっとおっきくってとっても優しそうなふんわりした女の子。


「ほんなら私も!  私の名前は祇郁(ぎいく)まつりって言うねんけど……あ、祇郁の祇は祇園の祇で郁は郁な!」


 まつりちゃん、関西弁かな……?


「そんで、きらきら私の名前見るたんびに、祭りだ!祭りだ!わっしょい!わっしょい!……って言うねんで?? 失礼やと思わへん!?」


「何言ってんのさ! それはあんたが……『よっしゃーい!! やっと休み時間やでー!! 休憩休憩ー!!』とか『お昼ご飯やー!! ごっはん! ごっはん!』とか『部活行くでー!! いえーい!!』って何かあるごとにさわいでるからでしょ!」


「まあせやけどな……」


「ほらみなさい」


 ふふふ。まつりちゃん。短い髪型で前髪をゴムで結んでる楽しそうな明るい関西弁の女の子。


「はいはい、終わった?? じゃあ私ね! ……と言って私はさっきやったからさらっとするね!」


「ええー!?」

「あんなに急かしたのに!?」

「ほんまやで!!」


「うるさーい!! 名前は吉良綺羅名。たかしちゃんの友達だよ! よろしくね!!」


「えへへ」


 きらなちゃん。不良みたいに髪型は金髪で、天然でぐさっとくることもあるけどとっても優しい、この学校で初めての……私のお友達……!


「あー! ずるいずるい! ボクもだよ!」

「私も! 私も!」

「あたしもやで!!


「よろしくおねがいします」


「もっちろん!!」


 えへへ、きらなちゃんにここちゃんに、ひよりちゃん、つかさちゃん、さえちゃんとまつりちゃん……。いっぱいお友達ができました。


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