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たかしちゃんと  作者: 溝端翔
部活体験編
15/29

たかしちゃんとスポーツ

「ありがとうございました!」


「あ、ありがとうございました……」


 ふにい、バドミントン部の体験が終わりました……。

 今は歩きながら次の部活をきらなちゃんが考えてるところです。

 結局あの後二回しかラケットに当てれませんでした。きらなちゃんもバドミントン部の先生も部員さんもいっぱい教えてくれました。だけど結局二回しか当てれませんでした……。うう、私にスポーツは向いてないのかな……。


「次どうしよっか」


「ふう……」


「んー? よしよし」


「きらなちゃん、私にスポーツは向いてないのかな……?」


「そんなことないよ!今日三回も当たったでしょ!?練習したりもっと教えてもらったり、頑張ればたかしちゃんでもできるようになるって!!」


 きらなちゃんは優しいなあ……ふう。


「まずはね、自信を持つことだよ! 出来るとか出来ないとか、そんなことはどうでもいいの! やってやる!って。その気持ちだけでもうほとんどスポーツは出来てるんだよ!?」


「で、でも…さっき、やってやるって思って出来なかったもん……」


「何言ってんのさ! 三回も当たったでしょ! 一回も当たったことなかったのにだよ!? すごいじゃんか!」


 ふにぁ。


「で、でも……」


「それと、後はそのスポーツが好きかどうかだよ! たかしちゃんはバドミントン好き??」


 好き……かあ。考えたことなかったなあ。

 全部苦手って思ってて。

 バドミントンは、どうだろ……。


「好き、じゃないかな?」


「あははははは」


 わわ、なんでそんなに笑うんだろ。


「あはは、ごめんごめん、じゃあ嫌いなの?」


「ううん、嫌いじゃない」


「そっか、でもすごいね! 好きでも嫌いでもないのにあんなに一生懸命頑張れて! うりうり」


「ふにあ、あうあう」


「じゃーさ、たかしちゃんが好きなスポーツってなに?」


 ええええっと……。

 好きな、好きな、うーん……。


「わ、わかんない……」


「そっかあ、じゃあ、興味あるスポーツとかは? 見てて楽しいとか、やってみたいとか」


 うーん……。興味かあ。


「さ、サッカー?」


「あはははははは」


 にゃ、な、なんで笑うんでしょう。変だったかな?


「そっかそっか、サッカーか! じゃあさ、サッカー部見に行こっか。男子の部活だから体験はできないだろうけど、サッカーボールくらいなら貸してくれると思うしさ!」


 だ、男子の……。ちょっと怖いけどスポーツできるようになりたい。


「うん、行ってみる!」


「よーし! じゃあサッカー部に」


「あー! ちょっとちょっと!ハンドボール部は!! サッカー部よりハンドボール部!!」


「わあっ!!」


 びっくりしたあ、ここちゃんが後ろにいました。


「ちょっとここ! たかしちゃんがびっくりしたでしょう! 大きな声出すときは一言言ってからにしなさい!」


 一言言ってからって、ふふふ、きらなちゃんったら。


「ごめんごめん。 でも、だってさ! 次からゲームだし探してたんだよ! なのにやっと見つけたと思ったらサッカー部行こうとしてるんだもん! すでに体操服着てるしさ! だめだよ!サッカー部行っても体験できないんだからさ!ハンドボールするの!」


「あーそっか、ハンドボール部行くって言ってたね」


「あー!きらな忘れてたでしょ!もう!ハンドボール部は!!楽しいんだからね!」


 ああああ、きらなちゃんがブンブン揺さぶられています。


「あーあーあー……わかった!!」


「わあっ!」


「あはは、ごめんごめんたかしちゃん、でもわかったよ! 私がハンドボール部行って、たかしちゃんがサッカー部に行けば良いんだよ!」


 ええええっ!!


「わ、私一人でサッカー部に行くの……?」


「そ! そんで私はハンドボール部に行くの!」


 ううう、一人で……サッカー部……。


「えええーたかしちゃんは来ないの?」


 そうですきらなちゃん、私は行かないの?


「たかしちゃんにハンドボールはまだ早いの! だってあんなに走ってボールが飛び交う中にたかしちゃんが入れると思う??」


「それは確かに……たかしちゃんにはキツイかもね……」


 私もそう思います。


「だーかーら! まずはたかしちゃんが好きなサッカーを出来るように頑張るの!」


 うう、一人で……。


「そっか! たかしちゃんサッカー好きなのか! じゃあさじゃあさ、今度一緒にサッカーしようよ! シュートとかタダシとか誘ってさ!」


「えっと、私まだ、サッカーできない…」


「ちょっと! 私も誘ってよ! 私もやるわよサッカー!」


「あたりまえでしょ! みんなでサッカーやろ! それなら今日は諦める!」


「あの、ここちゃん、私……」


「みんなでサッカーいや?」


「う、ううん、いやじゃないけど…」


「じゃあ決まり!! さ! きらなハンドボール行こ!」


 あうう、私まだサッカーできないようここちゃん。


「ちょっとちょっと待ちなさい。ここは先にハンドボール部行っといて。私はたかしちゃんと一緒にサッカー部に行ってサッカーボール借りてから行くから。たかしちゃん一人だと心細いでしょ!」


 き、きらなちゃん……!


「ありがとう」


「心細いの? そっか、じゃあ待ってるね! たかしちゃん頑張れ! きらな! 絶対来ないとダメだからね!!」


「わかってるって! また後でね!」


「ちゃんと来てよー!!」


 ここちゃんが叫びながらハンドボール部に戻って行きました。

 一人でサッカー部かあ……ちょっと怖いなあ。


「じゃあ行こっかたかしちゃん!」


「う、うう、うん」

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