南とお爺さん。
私は驚いた。
南に行くと家が建っていた。
私は家に近づき玄関らしきドアをノックした。
ノックをしたが返事がなく、私は恐る恐る家の中に入ってみた。
家の中に入ると、そこにはテーブルとイスがあり、テーブルの上には湯気がでている美味しそうなシチューが置いてあった。
やっぱり、誰かいるんだ。
私は嬉しかった。
………嬉しかった?
自分でも驚いたが私は自分で思っているよりも寂しかったのかもしれない。
?「おや。お客さんとは珍しい」
上から声がした。 私は上を見てみると階段からお爺さんが降りてきていた。
「お前さん、どこから来たんじゃ?」
……どこから? 分からない。
私はこれまでの経緯をお爺さんに話した。
「なるほどのぉ、気がついたら綺麗な草原に……か、、ふむお前さんにとってここがどこかも分からないということがじゃな?」
私は頷いた。
「ここは、春島というところでな1年中暖かくてポカポカしたところじゃ」
春島? 日本の四季の春か?
「四季……とはなんじゃ?」
四季を知らないのか? 私は四季の説明をした。
「なるほどのぉ、四季のことは分かったがここはお前さんの言う日本というところではない。」
私はあまり驚かなかった。
そうであろうとは思っていたし、このような場所は日本で私は見たことが無かった。
そんなことよりも、これからのことをどうするかだ。
暫く私が黙っていると、
「とりあえずお前さん、暫くの間ここに住むか?」
え?
「なに驚いとるんじゃ、お前さんはこの春島に来たばかりなんじゃろ? これからどうするかも決まってはいない。 そんな女の子をほっとくほど、わしは腐ってはおらんわぃ」
……嬉しいかった。
なにも分からない場所にやってきて、これからどうするのかも決まっていない私。
「それで、どうするんじゃ? ここまま1人で生活するか、わしの家に来るのか」
そんなもの迷うわけがない。
「これから、よろしくお願いします……!!」
「うむ。 よい返事じゃ。」
......................................................
「おじいちゃん、これはここでいいのか?」
「おー、そこで構わんよ。」
今日も私の新しい日常が始まる。
怖くはない。 私は1人ではないから。
だからこそ知っていてほしい、
人は悪人でも善人でも人は孤独には勝てない。
誰かに優しくして貰うと自分も優しくなるということを。
ありがとうございました!
この話で完結です!
楽しんでいただけたなら嬉しいです!
では、また次回の作品でお会いしましょう。




