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ある水滴
わたし、わたし、わたし。
わたしは考える。
考えるわたしはわたしなのかと。
わたしに考えられているわたしは考える。
わたしがわたしを考えている時点で考えるわたしはわたしではない、と。
堂々巡りの中でわたしが妥協できたのは、わたしはわたしであり、わたしでないということだった。
わたしでないわたしとわたしであるわたし。
どちらもが違う考えを有しているから、わたしが一人だけでは無いことをわたしは理解できる。
理解しているわたしは考える。
わたしとはなにか、と。
わたしは考える。