表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖翼のウェイレイ  作者: 優しい闇
6/6

本気の戦闘

どこからか、消火しろ!!という叫び声が聞こえる。スプリンクラーは起動しているが、火に触れた瞬間に蒸発してしまっているので、効果は無に等しい。


「お前……こんなに強かったんだな」


翼はゴツゴツとした黒岩。

微かだが熱気を放つ、その背中に俺は言う。


「力が、身体の中を駆け巡るんだ」


振り返ったその顔には灰がついていた。

燃やされ、塵としてこの世を彷徨うこととなった連合軍、ゴッドの派遣員たち。その、元は肉体、骨だった部分がルークの顔に付着しているのだ。


「抑えれないんだ、怒りの感情を」


怒りの感情、ねぇ。


「もっと、発散したいなぁ?」

「しゃーねー、外行くか」

「黒刄? ルーク? 本当にやるの?」

「「ああ!」」




メルヘン城から飛んで三分ほどの地点。

森が開け、広い空間ができている場所を発見したので、俺とルークは降り立った。


「圧熱球」


ルークの手元に小太陽が現れる。

一瞬にして、辺りを熱気が包み込み、黒岩の翼も赤く溶け始める。


「雷丸……」


俺専用である雷系の魔法だ。

オリジナルの翼を持つ者は、大抵が専用の魔法を使用することができる。オリジナルでなくても、使えることには使えるのだが、威力は比べ物にならない。


「形態変化……薙刀」


先ほどと同じ、灼熱の薙刀が握られていた。

俺は、腰から愛刀である銀雷を抜き、構える。


「銀雷、帯電!」


雷丸は、銀雷に引き寄せられるようにして消滅。代わりに銀雷は雷刀へと強化され、銀色の雷を帯びて輝く。


「来いよ」

「その包帯はどうするの?」


翼に巻かれている包帯は、解かないのか?という意味だろう。解けば、力はフルに発揮出来る。が、オリジナルの俺が断然有利になってしまう。


「へっ、ハンデをやるよ」

「無駄な気遣いだよ!」

「本気で戦ってほしけりゃ、自力で解いてみな」

「ふっ、上等だっ!」


ルークは瞬間移動と見間違えるほどのスピードで俺に詰め寄り、薙刀を横一文字に薙ぐ。

俺は刀の雷を操作、電子バリアを展開。危なげなくガードに成功する。


「まだまだあまいなっ!」


電子バリアを解除し、刀に戻す。

そのままルーク向かって縦に振り下ろす。


「おっと危ない」


翼の溶岩が刀の軌道を反らした。


「ちっ……」


そのとき、視界に白い帯状の布が舞った。


「包帯取ったりー!」

「なんで……? 触れられてはいない……」


舞っている包帯を見ると、端が茶色く焦げていた。


「……焼き切られたか」

「そうだよ、焼き切ったんだ!」

「ハンデは無しだ。 本気でいく!」


突然、バジバジッ!と雷が迸る。

俺の全身から発された雷は、背中にある翼に吸い寄せられてゆく。


黒い雷は俺の翼に宿り、鋭く形を整える。

左右計六枚だった翼に切れ込みが走り、パキパキと形を変えてゆく。

一枚一枚が黒い雷を宿した天使の羽根のように。


「これが俺の本性。 妖翼《黒刄》」


男にしてはやや長い髪が逆立つ。

目つきは鋭く、色も漆黒へと変わり、左目の下には雷のような形の黒い亀裂が走る。


「そうこなくっちゃ!」


またしても瞬間移動と見間違うほどのスピードどで俺の前に詰め寄る。


「形態変化……刀!」


瞬時に薙刀は、俺の刀と似たような形の刀へと姿を変え、俺に襲いかかる。

さっきの俺なら腹から二つに引き裂かれていただろう。

が、今の俺は違う。


「えっ……?」

「遅い。 どこに攻撃してんだよ」


俺は、すでにルークの背後に移動していた。


「魔収束……黒雷剣!」


翼の雷を刀に集め、巨大な剣を形創る。


「俺には勝てねぇよ、ルーク」

「そうだね。 改めて実感したよ」


そのまま、黒雷剣を振り下ろす。

が、もちろんルークに傷がつくことはない。


「俺の勝ちぃ!」

「負けた……けど、すっきりしたよ」


そのとき、上空から声がした。


「黒刄! ルーク! ご飯だってさ!」

「おーう。 腹減ったぁ……」

「ていうか、疲れたよ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ