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新クラスと急な指名

新しい教室に戻ってからも僕はずっと彼女のことを考えていた。

まさかうちの学校の生徒会長だなんて…。

「やっほー!星凧!」

そう考えているとテンションの高い1人の女子が話しかけてくる。

あかり

「どうした?テンション低いぞー!」

彼女は瀬山灯せやまあかり。去年の僕の隣の席の女子だ。

入学してすぐの英語の時間、ペアワークになったとき、

「名前なんて読むの?『せいたこ』?」

…進平と同じレベルの思考力だった…。

案の定彼女は頭が悪く、『せいな』だと教えても、発言の時、

「Please tell us your neighbor.(あなたの隣の人のことを私たちに教えてください。)」

と言われても、

「えっと、『せいたこ』is…。」

と発言するレベルだ。

活発、そして社交的な彼女は意外にも帰宅部。最近は「星凧も進平もいるし、美術部入ろっかなぁ。」

なんてぼやいている。

しかし僕は違和感を覚える。

「あれ、灯、さっきいなかったよね?」

そう、さっき旧クラスにいた時は彼女はいなかった。

そして進平が答える。

「あぁ、こいつもお前と同じで朝飯食いすぎて腹壊したんやで。」

「違うわ!人身事故での遅延だよ!!」

そんな茶化しあっている2人を横目に僕の思考はあの子に吸い寄せられていく。苗字、空閑だっけ…。

「そういや、生徒会長さん、えらい別嬪やなぁ。」

「ちゃんと見たことなかったのかよ、空閑弓月くがゆずきちゃんな。」

「なんでお前『ちゃん』呼びやねん。」

「知り合いじゃないけど、知り合いみたいなもんだしー。ほぼ推し?みたいな?」

空閑弓月さん、いや先輩というのか。

「はい、席座りなさい!」

声と共にクラスに入ってきて教壇に立ったのは浅見麻美あさみあさみ先生、20代の姉御肌の先生だ。

彼女は2年ほど前に結婚したらしいが、旧姓「大野麻美おおのあさみ」から結婚して「浅見麻美」になってしまったとのこと。

「くそ不便だよなぁ。」

と言いながらケラケラ笑う先生はとても強い人だと思う。

「はい、じゃあ、今年の担任の浅見だ。よろしく。」

「麻美ちゃーん!今のは名前?苗字?どっちやねん。」

「苗字だよ!『にしや』、後で職員室来いや。」

「『にしのや』やねん!!』

2人で漫才のようなやり取りをし、クラスが笑いに包まれる。

その時、教室のドアがノックされる。

「なんだー、いいところなのに。」

そしてドアを開けるとのぞいていたのは…。

空閑弓月先輩、あの人だった。

「すみません、浅見先生。ちょっと生徒会でお知らせが…。」

「あー!弓月ちゃん。いいよいいよ、いくらでも。なんなら担任もやってー。」

「それは先生の仕事ですよ。」

「手厳しい…。」

そんなやりとりをしながら、教壇に立つ。

「生徒会に1人、転校の関係で1人欠員が出てしまいました…。男子で早急に決めなければならないのですが…。

星野ほしの先生が浅見先生のクラスなら誰でもって…。」

「なんだよ、星野ちゃん!私のクラスならなんでもってか!?

…まぁ、でも弓月ちゃんだしなー。…ある程度信用できて暇なやつ…。

あっ…(そうだ…。)」

小声で何か企んだ様子。

「鳴海、お前やれ。」

唐突な使命。

「えっ、なんで!?」

「お前ならまぁ他のやつ、例えば西谷よりは信用できるし、美術部だからある程度暇だろ?」

「まぁ、そうですけど…。もしかして…先生のテストで赤点とったからですか!?」

「まあいいだろ、弓月ちゃん、この鳴海星凧を貸すから。」

「ちょっと!」

僕は焦って声を上げる。今日の朝あんなことがあった人が上司なんて…。

「鳴海星凧くん…。了解です。じゃあ、鳴海くん。今、説明とか、挨拶とかしなきゃいけないからいい?」

「あっ…はい…。」

僕の抵抗も虚しく僕は連行される。

後ろで進平は

「くっそ、星凧…。後で覚えとけよ…。」

と爪を噛みながらぶつぶつ言っている。

うん…怖い…。

隣の灯は小声で…

「ついでにLINE聞いて、私も繋ぐから…。」

とか言ってる。

僕の友人、怖すぎないか…?

他にも男子クラスメイトからは恨みのような目線を浴びる…。

そして僕は異様な雰囲気の教室を空閑先輩と共に出た。

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