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プロローグ
月が綺麗ですね。
これは「坊ちゃん」「吾輩は猫である」「心」で有名な夏目漱石氏が生徒に説いた言葉だと言う。
「I love you.」を「あなたを愛してる。」
と訳すよりも
「月が綺麗ですね」と間接的に表現するした方が良い。と教えたらしい。
では、この言葉は知っているだろうか。
星が綺麗ですね。
…
と聞くと知らない人が多いだろう。
当たり前だ。あまり有名な言葉でもないし、前述の言葉と比べて一生に一度聞くかどうか、それもロマンチストでもない限り知らないだろう。
「あなたに憧れています。」
と言う意味だ。
間接的に「好き」と伝えると言うニュアンスでは似ているような言葉、しかしながらこの言葉は「実らない片思い」を表現しているようにも聞こえるだろうか。
さて、こんな話を長々と続けていても仕方ない。
これは僕、鳴海星凧とその先輩、空閑弓月先輩との、そして僕の気持ちの整理のために描く物語だ。
誰にも読まれることはないと思うが、一つの記録として、書けたら押し入れの底にでも隠しておくか…。
途中途中、気持ちが切れないように書こうと思う。
さあ、描いていこう。
弓月先輩が亡くなるまでの物語を。




