それが私のアイドルとしての名前!
お久しぶりの投稿です。
エッセイは書いてたんですけどね←
お母さんと話していると、魁人くんに呼ばれた。
久しぶりの魁人くん。……なんか、痩せた?
「ごめんね、最近学校行けてなくて」
ベッドに座る魁人くんと、向かいあってビーズクッションに座る私。
久しぶりに聞いた彼の声は、謝罪から始まった。
「ううん、そんな気にしないで! 誰だって体調悪い時はあるよ。ゆっくり休めばいいんだよ」
「そっか、ごめん」
「謝らなくていいって! それよりね、見てもらいたいものがあるの」
そう言ってカバンから取り出したのは1冊のノート。
ずっと考えてたんだ、アイドルとしての私。その先にある声優としての私。
佐々木芽衣としてステージに立つんじゃなくて、何かキャラ付けをして、それを演じる。
そこから始めていけたらなって。そう思って作ったもう1人の私の設定。
「これって……ささめさんが?」
「そうだよ、魁人くんには言ってなかったかもしれないけど私声優になりたいの。親がたぶん許してくれないから、専門学校とかには大学卒業した後とかしか行けないけど。それでも今のうちからできることはやりたくて。それで地下アイドルとしてステージに立って、運がよかったら声のお仕事もらって、実績作って、ってやりたいの。これはそのために私が生み出したもう1人の私。……どうかな?」
驚いた魁人くんにそう説明する私。
じっくりとノートを見始めた魁人くんの眼差しに少し緊張する。
「……すごいね。いいじゃん」
ノートを閉じた魁人くんが少し笑って言った言葉。
褒めてくれた。やった。
「あ、でも1つだけいいかな?」
「えっ、なに? なんかダメなところあった?」
「いや、提案なんだけど。身バレ防止のために仮面付けたらどうかなって? ほら、顔の上半分隠すやつ」
身バレ! そっか、ここらへんで活動するってなったら絶対学校とかバレちゃうもんね。
「じゃあ、悪魔の女王が贈る舞踏会、じゃなくて悪魔の女王が贈るマスカレイド、にコンセプト変えなきゃだね」
よかった~。デビュー前に気付けた。
そのあとも私が考えた設定を見て色々話して、最後私は魁人くんと決めたいって思ってたことを伝える。
「あのね、最後私の芸名なんだけど。本名もじって、なんか悪魔っぽい名前にしたいんだけど何かあるかなぁ」
「えっ、それ俺に聞く?」
苦笑交じりにそう言う魁人くん。そうだよ、魁人くんだよ。
私の始まりを作ってくれた、キミだからこそ聞くんだよ。
えー、なんかあるかなぁ。なんて言いながらベッドに横になる魁人くん。
「寝ちゃダメだよ? ちゃんと考えて?」
「大丈夫大丈夫、ちゃんと考えるって」
サキュバス? えっちなのはいけないと思います!
ベルフェゴール、マモン、ベリアル、ルシファー……。
色々魁人くんが有名どころを言ったと思えば。
アンラ・マンユ、アスタロト、アスモデウス、ベヒモス、なんて言い出して。
すごっ、物知り~! なんて感心してると
「あ、これ。いいじゃん。シャイタン」
シャイタン。なんか恥ずかしがりやっぽい名前だね。
でもいいかも!
「うん、シャイタン。いいと思う! どういう悪魔なの?」
「これさ。サタン、をイスラムだとシャイタンって言うらしい」
サタン! 魔王の名前とかに使われるよね!
なんかちょっと賢く見えるかも!
じゃあ、あとは名前だけだね。
「だったらメイ・シャイタン?」
「いや、本名そのまま」
なんとなく言っただけなのにすかさずツッコミを入れてくる魁人くん。
さすがにこれは使いませんよー。
「メイ、は使うとしてさ。なんか外国の人っぽい名前ないかな?」
メイン、メイル、メイス……、ねぇメイルとかメイスって鎧や武器だよね?
嫌だよ、そんなごっついの。
そんな時にふと浮かんだ名前。
「……メイリー」
「え、いいじゃん。メイリー・シャイタン」
メイリー・シャイタン。いい!
うん、これいい!
「そうだね! うん、決めた! メイリー・シャイタン、そう、それが私のアイドルとしての名前!」
別途連載中の2の方と繋げていくので、逆輸入した小ネタも出てくるかと思います。
導入部と、このあと更新する芽衣のモノローグでりにゅ~ある完結まで更新は止めますが、ご覧いただけると幸いです。
次回更新は9月に1回できたらいいなぁ。
本業、制作、なかなかハードです……。




