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いつかどこかで誰かがした選択。あるいはハジマリの物語

すいません、本業で新人2人同時教育するかたわら。

普通に別の制作活動などなどで執筆する時間が取れず。

お久しぶりの投稿です。

「はぁ~……疲れた」


 ベッドに横たわり、呟く男。

 思わぬ転身をした彼の怒涛の3日間が終わった。

 もともと何かを作ることが好きだったこの男。

 料理にプラモ、木工に始まり、いつしかサブカル方面のもの作りも始めていた。

 

 男は知っている。

 自分にできることはできる限りしたい。

 それだけやった上での結果なら、反省しても後悔しない。

 自分自身の行動指針を。

 それと同じく知っている。

 その気持ちを裏切られた時の辛さを。

 報われなかった時の虚しさを。

 その時自分自身がどうなるのかを。

 それは金銭や結果の話ではなく、心の問題。


 だから男には100か0しかない。

 どれだけ何かをしていても、熱量が0になった瞬間に何もかもを捨てる。

 たとえどれだけ色々なものを懸けたとしても、全てなかったことにする。

 相手への迷惑なんて考えもせずに。

 いや、だって俺のこと雑に扱ってんなら俺だって雑に扱うし。

 俺を真っ直ぐ見て、ちゃんと特別であると感じさせてくれる君だから価値を感じた。

 その価値の分、俺は君につぎ込んだ。

 その価値を、最初に感じた魅力を、今は感じない。

 そうなると俺が何かをする理由ってない。

 そんな気持ちを適当な理由でごまかして。

 

 することが全て当たり前、ではないから。当たり前の横に特別、もあるから。

 逆に男がしてもらうことも全て当たり前だとは思わない。

 特別で、いつなくなるかわからない、不安定なもの。

 だからこそ、少しでも長く続くように。特別であろうと自分のできる特別を当たり前に重ねる。

 それを少しでも嫌だと思ったら。できなくなったら終わり。

 ただ、信じるな。あくまで自分に与えられたものへの対価をどうするかで考えろ。

 損得で動いてない男が、心の損得として自分自身の心を守るために決めていることだった。

 自分自身の為にもなんとなく、ゆる~く、思うままに作って、表現して、世に出せたらそれでいい。

 それだけでよかったのに男は出会ってしまった。

 気付いてしまった。

 感じてしまった。


 ちっぽけで、儚げで、夢に向かって、現状では薄い可能性。そこに賭けて足掻いていた。

 独学と経験だけで培った魅力に。

 ギリギリのところに今立っていて、何かちょっとでも崩れたらすべてが終わる。

 助けて、と叫んでいる心の声に。

 自分のもの作りと、経験と、やりたいことに、巻き込んだらどうなるだろうという好奇心と。

 出会うべくして出会ったんだろうという運命じみた何かを。





 出会ってから色々なことがあった。

 意を決し、声をかけて、メールを送り。

 話していく中で知った予想外。

 自分の頭の中の世界の表現に妥協はしたくない。

 熱意はある、だったら……、と。

 過去の誰にもしなかったことをする。

 足りないものを埋める手助け。


 接していくうちに、周りが注目しだした。

 自分がきっかけで、声がかかるようになった。

 誇らしく思うと同時に腹が立った。

 美味しいところだけ持っていこうとするなと。

 そこで気付いた気持ち。自分自身が求めてる。

 ずっとはない。

 でも、その時が来るまで誰より近いところにいたい。


 ほんの少しだけ深いところに触れて感じた。

 エゴの犠牲になることへの怒り。その傷の深さ。

 ふと考えた。誰かに委ねることが正解なのかと。

 ビジネスとして行うものと、相性は悪い。

 魅力だけではなく能力で判断されるから。

 一時無理を重ねて、なんとかスタート地点に立ったとして。

 そこから夢にたどり着くまでにそれ以上の無理を重ねないといけない。

 無理してまで立った先、自分自身が壊れてしまう。

 きっと、自分自身を怨むだろう。後悔を抱えて生きていくかもしれない。


 自分の叶えたかった夢は、奥底にあった1番大事なものをもう叶えた。

 だったら……、1番大事なものに気付く前の憧れ。

 それを今持ってる人の力になろうと。

 そして、自分の表現に人の夢を利用するのではなく、叶えたい夢のために自分の表現を利用する。

 人を育てることって絶対にしたくない、嫌だ。責任を負いたくないし、絶対にめんどくさい。

 そう言っていた男は、さんざん悩んだ末にその道を選んだ。



「ありがとうございます」


 出会いから1年。

 まともな運営にはなれない、それでも自分を選んでくれた。

 誰にも選ばれなかった、過去の自分を少し救えた気がした。

 50人いて、まともな運営なら48人がハマる形を作る。

 じゃあ、弾かれた2人は?

 例え他の誰にもハマらなくたって、目の前のたった1人に通じればそれでいい。

 

 この子の夢を。そこに懸ける気持ちを、誰も気付こうとしなかった。

 いや、都合よく使うために見ないふりをしていた。

 痛かった、苦しかった。きっと辛かった。


 その分甘やかすと決めた。

 仕事に、制作に妥協はできないけど。

 

 その小さな身体に、これ以上重荷を背負わなくたっていいんだよって。

 傷つけてないか、傷ついていないか、嫌な気持ちでいる時間が少しでも減るように気にし続けるよって。

 過去や周りが、たとえ自分で、自分を否定しても。

 関係ない。知ったこっちゃねぇ。

 俺はどんな逆境でも今まで夢を諦めなかった、夢を叶えるために必死に食らいつくあなたを肯定するよ。

 だから、ちゃんと俺を見てね。

 そんな気持ちを秘めて。


 ちょっとしたことで起こる自己嫌悪、ふとしたことで顔を出す100か0の、0にしたがる自分と戦いながら。

 ほんの小さなことでも嫌われた? なんて気にして病んで。

 それでも向き合い、選んだ道を進んでいく。

この話はこういう人もいるんだよ~って話です。

個人的にもちょっと夢のためって言葉で搾取する人間って嫌いですがね。

これはイベントをやってる人間として、制作やってる人間として。


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