早すぎん?
昨日更新って書いてあったのに、そのあとの土日どっちかで更新だけ覚えてて遅れました。
すいません。
「ありがとうございました~!」
「ここ使わせてもらえる時があったら魁人くんに声かけるように言っとくから。また一緒にやりましょ」
なんて佐々木さんとアイリスさんがやり取りをして、佐々木さんは帰っていった。
ロスヴァイセの3人も完全にレッスン終わりの休憩、って感じでゆっくりしてるし。
そろそろあの話をしてもいいかな。
「ささめさんも帰ったことだし、スタジオについて話がしたいんですけど大丈夫ですか?」
朗らかに話していたロスヴァイセがはっ、と気が付くと正座して俺に向き合う。
「ええ、大丈夫よ。それで……どうかしら。貸して……、もらえるかな?」
「さっきも言いましたけど、条件次第ですね。まず、確認したいんですけど使うのは全体で集まる時だけですか? それとも個人練習の時にも使います?」
「一応全体で集まる時だけのつもりだけど……。みんなもそれでいい?」
あやめさんと軽くやり取りをすると、あやめさんが2人に確認を取る。
すると、藍那がこう言った。
「え~、私個人練習もしたい。こんないいところ滅多にないもん」
藍那の言葉に璃紗さんも口を開く。
「確かにこれくらいのところ借りようとすると他だと結構高いよね。個人の家のスタジオだからすごい使いやすさもあるし。スタジオの中にトイレとシャワーあるのって普通にすごくない?」
「正式にここ借りるってなったら、汗流して帰れるのかな?」
「じゃあ、みんな個人練習もしたいってことでいい?」
「うん!」
「そうね、したいかな?」
やっぱそうかぁ。でも言っとかないとな。暇人じゃないんだし。
「俺も俺でやることはあるからさ、全体練習で1日は空けるとして、他に何日も空けられないから。毎週何曜日の何時からってので週2日か3日くらいで抑えてくれると助かるんだけど。あと、シャワー使うとガス代かかるけど大丈夫?」
「わかったわ。じゃあそれは決まったら連絡する形でいいかしら?」
「いいっすよ。親父が契約書作ってきたみたいなんで、誰か契約書に名前とハンコお願いしますね」
俺とあやめさんがぽんぽんと言葉を投げ合って、意外とあっさり物事が決まっていく。
契約ってこんな感じで進んでくんだなぁ、なんて思ってたら藍那が間に割って入ってきた。
「ねぇ、ちょっと」
「どしたの藍那?」
「大事な話なんだけど、スタジオのお金って……月いくら?」
しまった、それがあった!って顔をするあやめさん。
大きな額請求されたら諦めるしかない。
でも、うちのヲタクだから空気読んでくれるはず……!みたいなこと思ってんだろうなぁ。
俺も悩みながらこう言った。
「いやー、これ難しいよね。電気代とシャワー使うならガス代、あと俺の手間賃くらいは最低限欲しいんだよ。ただ、いくらかかるかってのがその月によって違ってくるじゃん? 決まった額もらって、それ以上かかったら赤字だし、それ以下だったら取りすぎだし」
「魁人の手間賃はいくらくらいなの?」
「別にそんな取るつもりはないよ? 月5000円くらいでいいし」
その言葉に驚くみんな。
それもそのはず。さっき軽く調べたらこのクラスのスタジオだったらだいたい1時間2000円くらいはする。
例えば週3回、3時間ずつ練習すると毎週18000円、月にして72000円はかかる。
それが実費に+5000円。どうだ、得だろう。
「ならさ、魁人。例えば今月ここでかかった電気代とかガス代とかって来月に請求くるじゃん? その金額に5000円足して、魁人に渡したらどう?」
「あー、それな。それ確かにいいよな。ちょっと親父に聞いてみるわ。月いくらって想定してると思うから、それでいいか一応確認取っとかないと」
なんて思ってたら親父からの着信。
なんだ? とりあえずみんなに断りを入れて電話に出ることにする。
「もしもし?」
『おう、魁人。お前にレンタル代の最低ライン言っとくの忘れてたなぁって思って』
「マジかよ。ちょうどその話今してたんだよ。タイミングめっちゃいいな」
『どうせシャワー浴びてぇってなると思うし、そうなるとスタジオだけで電気代、水道代、ガス代だいたい月合わせて2万5000円くらいか。そこにお前の手間賃合わせた額だな。それ以下なら貸さなくていい』
「俺の手間賃は5000円、って言ったから月3万になるけどそれでいい?」
『お前がそれでいいなら』
「わかった。じゃあそう伝える!」
そう言って、電話を切ると不安そうに俺を見つめていた3人に説明をする。
「親から今電話で、月2万5000円に俺の手間賃が最低ラインって言われました。なんで、月3万円でどうです?」
「それで」
あやめさん、判断早すぎない?
まぁ、いいならいいけどさ。
ということで俺の家にロスヴァイセが来ることになった。
ロスヴァイセが魁人とスタジオについて話をしていたころ、逢沢美優は1人で歌っていた。
カラオケ店の1室、歌うのは次のライブのセットリストに組み込んでいた曲。
何度歌っても納得がいく出来にはならない。
それでも自分にできることはやり切ろうと、もう1度歌おうとしたその時。
スマホの通知音が鳴る。確認するとアイリスからだった。
『逢沢さん、急な話で申し訳ないんだけど来週の土曜日の朝~昼帯でイベント出れない?』
本当に急な誘い。でも、スケジュールは空いてる。
どうしようか迷った末、美優は出演できます、と返信したのであった。
関係ない話ですが、一之瀬工房のリットリンクができました。
所属声優の女の子の宣材写真やボイスサンプルもありますので、よかったら覗きに来てください。
そしてよかったら関係者の皆様、お仕事ください←




