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はじまりました~!

ふぅ、ぎりぎり今日中

「さあ、魁人! 私達と契約して、このスタジオ貸してよ!!」


「あの……、なんていうかその……」


「うちの最年少がホントにすいませんでした……」


 どうも、俺です。

 19時の集合時間よりも30分ほど早く、藍那たちは家のスタジオに集合したんだけど。

 スタジオの明かりをつけて、軽く掃除をしてたらやってきて。

 俺に向かって、開口1番藍那がそう言うと流れるように璃紗さん、あやめさんの順番で謝罪をする。


「ああ、そんな謝らなくてもいいですから! みなさん、頭上げてください」


 ロスヴァイセの大人達(藍那以外)が揃って頭を下げる様子に、慌てて声をかける。

 いいんだよ、アポなし訪問じゃないんだから!

 

「ホントにごめんなさいね。新しいスタジオどうしようか、なんて考えてたら、藍那(この子)がいきなり明日魁人にスタジオ貸してって言いに行くわよ!って言ってくるもんだからびっくりしちゃった」


「いや、なんかうちの親には話通してたみたいなんですよ。それで最終的に俺が対応することになるから、俺がいいって言ったら貸すって話になってたみたいで。俺も昨日藍那が家に来てなかったら全然知らないまんまでした」


「そりゃ私達もこのスタジオ使えたらな、なんて思ったりしたけどね。営業してるスタジオじゃなくて、あくまでおうちの1部じゃない? 流石にどうしても、って時以外では頼めないかな~? って思ってたんだけど。黙ってここまで話進めるとは思ってなかったのよ」


 むふー!と鼻息荒く、机やついたてをセッティングする藍那を横目に、俺たちは話し出す。

 マジでなんで藍那は色々なやつの位置知ってんの?


「なんつーかまぁ。俺も俺で色々やらなきゃなんで、そこだけ外れてれば貸すのはやぶさかではないんですけどね」


「え? じゃあ貸してくれるの?」


「とりあえず条件次第ですよ。藍那は専用とか言ってましたけど、それは絶対無理で。現実的な話、週何回、どれだけの時間借りたいとかそういうのも全然聞いてないんで」


 NG出そうと思ってたけど。そうなると藍那はともかく色々2人が大変だろうからなぁ。

 できる限りは付き合うか、とそんな気持ちになったのは今日の昼休みのことだった。





「ごはんごはーん♪」


 ご機嫌な様子でドル研の部室に入るささめさん。

 今日も今日とて色んなやつらの俺も一緒に!アピールをかわして、この部室に来たわけだが。

 ささめさんが部室に入る前に言った


「私とお昼ごはん食べたかったらちゃんとオファー出してよ? 今のところ1年先まで埋まってるけど」


 って言葉でみんな引き下がった。

 

「ねぇ、今日ってどんなことするんだろうね?」


「さあ? 思いっきりハードなレッスンになるかもね。それこそワンマン前の追い込み、みたいな」


「それだと私ついていけないよ~」


 なんてやり取りを経て、ささめさんが尋ねた


「それで、おうちのスタジオは貸してあげるの?」


 の一言に俺は最初こう答えた。


「いや? ごくたまにならいいけどさ。固定で毎週何曜日の何時から、ってのは断ろうかなって」


「え~、貸してあげなよ」


「貸してあげなよ、って言ってもさ。マジでどう話を進めていったらいいかわかんないんだもん」


「でもさ、私もそうだけど。夢があって、それに向かって進んでいこうって時に誰かわかってくれる人がいて。その人が手を差し伸べてくれたら絶対嬉しいよ。色々な理屈は抜いて、自分がどうしたいかで考えてさ。正しかったら何かしらできっとうまくいくんだよ」


 ささめさんのその言葉で、もう1回ちゃんと考えることにした俺。

 結論でいうと、結局こうなんだよ。

 推しのためならえんやこら!

 ってことで貸そうと思ったわけで。感謝してほしい、俺とささめさんに。

 時計を見ると18時55分。約束した時間の5分前だ。

 そろそろ来るかもなんて思って、一言断って玄関へ向かう。

 玄関のドアを開けると、そこにはインターホンを押そうとした芽衣がいた。


「魁人くん! こんばんは!」


「ああ、いらっしゃい。もうみんな来てるから案内するよ。こっちきて」


 ジャージ姿の芽衣から挨拶を受けるとそう言ってスタジオまで案内する。

 後ろをそわそわしながら着いていくささめさん。

 スタジオが近付くほどに緊張が強まってるのがわかるから、俺はあえて後ろの芽衣にのんきな声で話しかける。


「あのさ~、さっきね。ロスヴァイセが来たんだけど、デイジーまた来た瞬間に私達と契約してスタジオ貸してよ!って言ったんだ。どんだけそのセリフ好きなんだよって思わない?」


「え、あ、うん。そうだね。ねぇ、今みんな何やってるの? ホントに私が混ざっていいかな?」


「大丈夫だと思うよ。今日基礎トレらしいから。見学だけってことはないと思う。あ、着いたよ」


「そうなんだ…。あ、ちょっと待って、1回落ち着かせて」


 スタジオのドアを開ける前に立ち止まり、深呼吸をするささめさん。

 それを確認すると、俺はスタジオの扉を開けた。

 扉の向こうにはストレッチをしているロスヴァイセ。

 俺たちの姿に気付いたあやめさん、アイリスが声をかけてくれる。


「あ、お疲れ様。……あなたが、さきがけくんの同級生?私はアイリス・メーテルリンク、よろしくね」

 

「は、はい! 佐々木芽衣って言います! よろしくお願いします!!」


「アイドル目指してるんだって?いつか一緒のライブに出られるといいね。初めまして、かな? メリッサ・ネクタールです。わからないことがあったら言ってね?」


「昨日ぶりね。改めて、デイジー・ヴァルキリーです。今日はできる限り協力させてもらうわ」


 ロスヴァイセから挨拶をされて、感極まるささめさん。

 感動でいっぱいの顔で再度挨拶をする。


「佐々木芽衣です。みなさんの練習にご一緒できて、本当にうれしいです。今日は精一杯頑張るので、よろしくお願いします!」


 ささめさんが頭を下げる様子を、笑顔で見つめるみんな。

 ああ、よかった。迎え入れてくれた。

 頭を上げたささめさんは3人に導かれるままスタジオの中へと入っていく。


「さて、もう運動できる服装みたいだし、すぐ練習始めましょ。まずは発声系トレーニングからやっていきましょうか」


「佐々木さんは私の横ね。こっちおいで」


 璃紗、メリッサさんの呼びかけにみんなは鏡の前で横一列に並ぶ。

 どこに立てばいいか、わからない芽衣をアイリスさんが自分の横に来るよう促した。

 本日の練習内容は、基礎に帰る。

 ということでメンバーが毎日家で行っているトレーニングから行うことにしたらしい。


「えっと、佐々木さん。今から肺活量を鍛えるトレーニングなんだけど。腹式呼吸ってわかる?」


「あ、はい。音楽の授業で習いました」


「それを使って肺活量のトレーニングをするの。まずはメリッサを見てて」


 なんてアイリスさんの説明のあとに手を上げたメリッサさん。

 ささめさんと向かい合い笑顔でこう言った。


「それじゃ始めるねー……」


 メリッサさんが息を吸う。すぅー、という音が静かなスタジオに響き、メリッサの腹が膨らむととあるところでぴたりと止まる。

 数秒の後、ふぅー、と息を吐き始め、腹がへこむ。吐き終わった後、再びメリッサさんの動きが止まった。


「背筋を伸ばして立って、ゆっくりと限界まで腹式呼吸で息を吸った後、5秒息を止めるの。そのあとまたゆっくり限界まで息を吐いて。吐き終わったら同じように息を止める。これを5回繰り返すの。じゃあやってみましょっか」


 こうしてロスヴァイセとささめさんのレッスンが始まった。

明日も更新できるようにがんばりまーす!

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