8/13
黒い悪魔
太一の頬を熱い空気が触れた。
その熱さに、太一は意識を取り戻した。
目を開けると、あたりは火の海だった。
草原の中に倒れていた。
そしてその火の海の中心で、家が燃えていた。
見たことのある家だ。
そうだ。。自分の家だ。。おれはここに住んでいた。
サキと___。娘の樹里亜と___。
記憶が少しづつ戻っていた太一だったが、その場をどうすることもできない。
「サキ。。。樹里亜。。。」
その瞬間、太一の体を何かが貫いた。
太一は息が止まり、意識がなくなりかけたが、最後の力を振り絞り、振り返ると、
そこには黒いマントを被った、悪魔が立っていた。
そしてその悪魔は太一にこう言った。
「お前たちの呪文は解けた。この世はわれらの支配下になるのだ。永遠にな。」