永遠の愛
「君、自分が誰かわかってる?」
太一
「え。俺?太一っていうけど。。」
ちゅむ
「そういうことじゃないんだよね〜。
電車に乗らなかったんだね。」
太一
「電車?乗ったよ。だからここへ来た。」
ちゅむ
「君、大事な人を亡くしたんだね。でも、その人は待ってる。
それがこのネックレスの意味だよ。」
太一
「どういうこと?」
ちゅむ
「君たちの世界には課題が与えられるの。その課題をクリアした人だけが
次のステージ進めるんだよ。クリアできなければ、また生まれ変わってはじめから。
君たちはクリアしたんだけど、何かが起きて、離れ離れになった。」
太一
「君たち?どういうこと?」
ちゅむ
「僕に一つ提案があるよ。
僕はどこの駅にも君を飛ばすことができるの。
でも、大切なのは、どこの場所ではなく、どの時点か。なんだよ。」
太一はちゅむの言っていることがさっぱりわからなかったが、
ここにずっといるわけにはいかない。そう思いはじめていた。
「俺は、、何も思い出せないんだよ、気がついたらここにいた。」
ちゅむは腕を組んで考え始めた。
「普通、死神に会ったら同じ電車に乗ってここへ来る。そしてまた、始発駅まで飛ばされるんだよ。
まあ、たまに地獄の森の中へ飛ばされる人もいるけど。。。
でも死神は君を電車に乗せなかった。つまりクリアしていた。クリアしていたのに死神に出会うことは普通はないの。つまり君はつぎのステージに行くための大事なパートナーを残してきたことになる。パートナーは鍵のようなもので君とセットなんだ。君たちの世界の課題。それは永遠の愛。一度掴んだのに、何故か旅路の途中で離れてしまった。死神はそのネックレスを通じて君にチャンスを与えたのかもしれない。」
太一は意味がわからなかった。自分が妄想した世界がこんなに深い物語なんて信じられなかった。
そして早く目が覚めたい。そう思いはじめていた。
「クリアするステージにもいろいろあるんだけど、君は最上階のステージをクリアしたみたいだね。
ネックレスの色がそれを意味してる。世界を救うレベルの愛だよ。でも、、それを失った代償は君の心の空虚な穴を広げてしまっているようだね。だから君は自分がだれかもわからないし、パートナーも忘れてしまっているんだね。」