死神
「だめかも、もう君、死んでる。」
太一は唖然とした。
「お、、俺、死んでるの?ちゅむ。」
「うん。そうだね。間違いなく死んでる。」
「えええええええ!!!まじでっ!!!」
太一は久しぶりに大声を上げた。でも心の中で信じてはいなかった。
どうせ自分が作り上げた妄想の世界。こうなったらとことん楽しんでやる。
そう思っていた。
「じゃあ、ここは天国か地獄??やだあ。やだやだやだあ〜〜。
もう人間に戻れないのおお??」
ちゅむはそんな太一を冷ややかな目で見ていた。
「ね、嘘だと思ってるでしょ。」
「え。。」太一の背中が凍りついた。
ちゅむはおもむろに話し始めた。
「君、白髪のおばあさんに出会ったでしょ。そして何かもらったはず。
あれはね、死神だよ。死神に出会った人は終点まで一気にきちゃうんだよね。
僕は終点を見張る役目。」
「し、、死神。。。」
太一はひざから崩れ落ちた。
さっきまでの虚しさ以上に、自分が死んだことがショックだった。
「切符。もらったでしょ?」
「切符?これのこと?」太一はポケットの中のネックレスを見せた。
それを見たちゅむは、目を見開いた。
「ええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!っ」
驚いた様子のちゅむに太一は困惑した。
「な、、なに??また悪い予感??」
「こ、、これさ、、、なにかわかってんの??」
ちゅむは震えながら問いかけた。
「何よ。なんなんだよ。」
ちゅむがこたえた。
「君、自分が誰かわかってる?」