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平凡に生きているだけですが?  作者:
始まりの4月
4/4

4:意味深な言葉。

 隣の席の上野さんとも友達になれたし、今までの事を思い返せば出だしは上々なのでは?

 なんてわくわくしてた気持ちは今やどん底まで落ちてるんだけどね。

 本当に毎回思うんだけど、入学式とかの最初の挨拶ってなんでこんなに長いんだろう。

 あ、隣の組の子うとうとしだしてる。

 そりゃこんだけ長い話を聞かされ続ければ眠たくもなってくるよねぇ...わかる。


 集中して聞くのは退屈だと感じた私は周りへ視線を向けた。

 あ、朝の...花咲先輩。

 やっぱり遠くから見てもすっごい綺麗な人。

 というか隣にいる先輩達も美人しかいないんだけど、顔面偏差値どうなってんの?

 ん?花咲先輩の隣に居る少し小さい茶髪の先輩、こっち見てる...?

 なんか目が合ってるような...なんでにっこり笑ってるんだろ。

 ちょっと嫌な予感に背筋が震えた所でどうやら入学式は終わったみたい。

 校長の話より面倒事に巻き込まれそうな予感がすごい。

 自慢じゃないけど私の直感は結構当たるから、ほんの少し身構えてしまう。


「どうしたの、みーくん?」

「んー、いや、なんでもない。なんでもないと良いんだけど...。」

「どういう事?」

「朝会った先輩居たでしょ?花咲先輩。」

「ああ...あの人。」

「花咲先輩の隣に居た先輩となんか目が合っちゃって。」

「隣の?」

「そう。で、ちょっと悪寒がしたというか...。」

「そこのきみ〜。」


 桃と話ながら教室へ戻っている最中、初めて聞く声に呼び止められた。

 声をかけてくる相手に一切心当たりがなく、不思議に思いながら振り返ると思わず嫌そうな声が漏れた。


「え”...。」

「あっはは、なんでそんな嫌そうな声?」

「いえ、すみません...。何でしょうか?」

「んーん、さっき目があったからさ。それに、朝涼奈(すずな)に捕まってたでしょ?」

「涼奈?」

「そーそー、花咲 涼奈!」

「ああ、花咲先輩でしたか。」

「んで、初日から何やらかしたの?」

「何も...。」

「へぇ?」


 心当たりはないから答えなかっただけだけど、顔を覗き込むように近付いてきた。

 本当に近いし美人に見つめられるのは、少しドキドキしちゃう。

 すっごい軽そうなタイプだけどこの人も生徒会の人なのかな。


「ま、何でもないなら良き良き!」

「ありがとうございます...?」

「なんかあったら何でも相談しておいで!ついでに生徒会にもおいで!」

「いやいや、入るつもりないですし。あなたの名前も知りませんし。」

「あ、そっか、ごめんごめん!あたしは井上 舞夏(まいか)!涼奈と同い年で生徒会に入ってるよ!」

「澤田 翠です。よろしくお願いします。」

「みどりんね!よろしく〜!また今度ちゃんと話そうね!」

「え?また今度?」

「そろそろ戻らんと涼奈に怒られちゃうから、じゃね!」

「あ、ちょ!」


 まるで台風みたいな人だった、本当に。

 それにしても、また今度ってなんだろう...やっぱり悪寒がする。

 きっと隣にいる桃の雰囲気が怖いからだけじゃないと思う。多分。

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