幻滅
あのひとは絶対に
私の幻を見ている
私の姿をしっかり見ながら
私でないものをそこに描いている
怖いからやめて
幻が滅び落ちて
あなたが私に幻滅するのが怖い
私はただの
捨てられた宇宙人
地球では珍しい存在だから
あなたには美しい花に見えただけ
誰にも好かれたくない
誰からも期待されたくない
幻が剥がれて
ほんとうの自分が晒されるのが恐ろしい
ほんとうの私を見ないで
そう叫ぶ唇が
ひとりでに喋り出す
私を見て
私はここにいる
私を存在させて
私を承認して
私を褒め称えよ!
私を!
私を!
おまえの幻で私を7色玉虫の女王に祀り上げよ!