夢とかやりたい事とかを見つける話4
勢いで婿養子になるの決めたけど、本当によかったんだろうか?今まで彼女いなかったのと、相手が美少女、明らかに金持ちだって理由で返事したし。
「そういえば、君の名前を教えてくれないか?」
「加藤 智司です。」
「カトウ サトシか。カトウ君、私の名前はダイル ディファ ルクシアンだ。」
「あー、加藤が名字で智司が名前です。なんで智司 加藤ってことです。」
「そうか、サトシ君か。レオ、サトシ君を部屋に案内してくれ。着替えなどの用意もな。」
「かしこまりました。」
こうして俺のルクシアン家での生活が始まった。
そういえばお義父さんの名前のディファってなんだ?
レオに聞くか。
「なぁ、レオ。」
「なんだ?」
「ディファって何?」
「ディファとは、役職の事だ。」
役職か、
「へー」
「意味は王の側近だな。」
「王の側近」
「ちなみにルクシアンは公爵家の事を指す。」
「公爵家」
頭が追い付かねぇ。なんだてことは俺公爵家に婿養子で入れるの?こんな日本の学生が?夢か?
「お嬢様は来年中央学院に通うことになる。だからお前も頑張れよ。」
「中央学院?え、俺も通うの?」
「当たり前だ。中央学院とはこの国で一番大きな学院で通えるのは実力のある者のみ。そこに血筋だとかそんなのは一切関係無い。」
ラノベとかだと血筋メインだけどそうなのか。実力次第か。実力ってなんのだ?
「実力ってなんのだよ」
「魔法を中心に武術、学問、商売、まぁ言ってしまえばこの国の発展に役立つ全てだ。」
「俺魔法使えない。」
「3時間あれば使えるようになる。」
3時間か意外と短いな……
「3時間!?」
「あぁ」
「えっ、どういうこ……」
「着いたぞ。ここがお前の部屋だ。」
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「お父様、入るわよ。」
私はそう言ってお父様の部屋に入った。聞きたいことがあるからだ。
「お父様、彼はどうなりますか?」
「メアリー、サトシ君は家の婿養子になるよ。」
その答えを聞いた瞬間私は全身で嬉しさを表現した。
「ところでメアリー。彼のどこを気に入ったんだい?」
「なんとなくです。なんとなく彼と一緒に居たいと思ったの。」
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部屋に入った後俺は用意された服に着替えた。
(めちゃくちゃ高そうな服だな。でも、洋服に似ててよかった。誰かに手伝ってもらうの恥ずかしいから絶対。)
そう思ったりしながら着替え終えて、
「レオ、こんなんでいいか?」
最終チェックをレオにしてもらう。
「あぁ、大丈夫だ。」
合格をもらえた。不思議な事にレオは俺が着替える時には外に出ていた。別に見られたい訳じゃないけど、男同士だから居てもよかったのに。そんな事を考えているとレオは気づいたのか、
「あぁ私は男じゃ無いぞ。」
と、さらりと言って来た。
「はい?」
衝撃の事実。イケメン執事は女でした。
(そんなラノベ展開いるかぁー!!)
俺の心の叫びは誰にも届かなかった。