新元号(二百文字小説)
掲載日:2019/03/31
「もしもし、母さん」
「お前かい? どうしたんだい?」
「新元号を当てる懸賞に応募したいので振り込んで欲しいんだ」
「それなら母さんは知ってるよ」
「ホント? 教えてよ」
「教えて欲しければ、振り込んで」
「そんな金があれば、振り込みを頼んでいないよ。早く振り込んでよ」
「何だい、その言い草は。本当に知っているのにそんな事を言う子には教えてあげないよ」
息子は知らなかった。母が元号選定手続き検討会議のメンバーなのを。
実際に教えたりすることはありませんし、メンバーも最終決定には加わらないようです。




