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神様の慈悲  作者: 河藤
第一章 旅立ち
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第4話 転移完了

気づくと俺はベッドの上にいた。

上半身を上げて辺りを見回す。

どうやら山小屋のようだ。

すると、後ろから声が聞こえてきた。


「気がつきましたか?マスター。」


振り向くと同年代かと思われる少女が立っていた。

メイド服を着ていて、黒目黒髪で髪は肩まで伸ばしている。

とても美人だ。

ん?マスター?


「えっと…、あなたは?」


「ヘスティア様からは何も?」


頷く。ヘスティア様と言うことはこの娘も神様関係者かな?


「それでは自己紹介を。私はヘスティア様より創造された貴方様のメイド、コーラスと申します。以後お見知り置きを。」


コーラスが俺に向かってお辞儀をする。


「よろしくお願いします。」


すごいなヘスティア。

生物まで創造できるのか。

俺もいつか創造できるかな?


「メイドって言っても、何をするんだ?見たところ森の中みたいだけど…。」


窓から外が見えるが落ち葉や木々が見えるだけだ。


「家事全般と聞かれたことに答えるように、と言われております。」


どうやらヘスティアの言っていた、しばらくは住める、というのはこのことだったようだ。


「まずは転移後の自身のお姿をご確認ください。」


そう言ってコーラスは俺を姿見の前に連れて行った。

姿見の前に立った自分を見て驚いた。

本当に別人だ。

髪は淡い銀色で腰まで届いている。

そして瞳は赤い。

顔もかなり整っている。


「ウサギみたいな眼だな…。」


鏡ごしに自分の眼を見つめながらそう言う。

これだとかなり目立つんじゃないか?


「なぁ、この世界じゃ俺みたいな容姿は珍しくないのか?」


「はい、銀髪なら普通に存在しています。しかし、ここまで綺麗な緋色の眼は珍しいかと思われます。」


珍しい、ってことは存在していることにはいるんだろう。なら大丈夫だ。


「頼みがあるんだが、いいか?」


「何なりとお申し付けください。」


「髪を切ってほしい。」


腰まで届いているためだいぶ長い。

こんなに髪が長いのは初めてだ。


「どれほどまで切りましょうか?」


「そうだな…、とりあえず背中の中間ぐらいまで頼む。」


「かしこまりました。」


手際よくコーラスが髪を切っていく(まぁ切るだけだけど)。


「どうでしょうか?」


「うん、だいぶスッキリした。ありがとう。」


早速【創造クリエイト】を使って髪を束ねるためのゴムを創造する。

おぉ、手の中にゴムが出てきた。

本当に思い描いた通りだ。

束ねると更に動きやすくなった。

夕暮れも近いのでコーラスは準備をすると言って部屋を出て行った。


中を見てみたが、山小屋というよりも普通の一軒家と言っても差し支えない大きさだ。

しっかり2部屋あるし、まだ部屋が余っている。


準備が終わるまでまだ時間がかかりそうだから、本棚いっぱいに置いてある本を読むことにする。

まずはこの世界について。

金銭についてや各国の歴史や文化、特色についてが書かれてある。

やっぱりお金は大事だし、理解しとかなくては。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


とりあえず読んだところは全て覚えた。

覚えたというよりも【完全記憶】で勝手に覚えていた。超便利。

これが前世であれば…と言っても、すでに時遅し。


どうやらこの世界の金に札は無く硬貨のみらしい。

まとめると、


王金貨=白金貨100枚

白金貨=金貨100枚分

金貨=銀貨10枚分

銀貨=銅貨10枚分


日本円に換算すると、


銅貨1枚100円

銀貨1枚1000円

金貨1枚1万円

白金貨1枚100万円

王金貨1枚1億円、らしい。


白金貨は貴族などが使うことがあるようだが、王金貨ともなれば国同士の大きな貿易ぐらいでしか使わないらしい。

ちなみにヘスティアは俺が街に入っても困らないようにお金も置いといてくれた。

麻袋の中に白金貨50枚と金貨100枚、銀貨と銅貨が10枚ずつ。

異世界に降り立った瞬間から所持金、日本円にして5100万円。

異常だ。


なんか手元にこんなに金があると怖い。

そんなことを思っているとコーラスから準備ができたとの呼び声が入った。

テーブルにつくと、色々な料理が並べられていた。

味は日本のレストランなんかで出てくる料理以上だ。

コーラスに食べないのかと聞くと、


「私は創造された身なので食べる必要はございません。」


との返答が返ってきた。


その後風呂に入って自室に戻り、本の続きを読む。

あと数日もすれば必要な情報が書いてある本や魔道書なんかは読み終わるだろう。

何冊か読み終えたところで寝ることにする。


やはり一度読んだ本のことは全て覚えているようだ。

ベッドに入った瞬間睡魔が襲ってきた。

かなり疲れていたんだろう。

気づくと俺は夢の中だった。

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