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5.冒険へ行きたいのに

 私は雨が嫌いだ。


 あの知識の迷宮との出会いから約三ヶ月が立って、六月になった。友達も少しできた。一人だけ。

 最近は毎日雨が降っていて、ノートとかを持っていくときに濡れてしまいそうで怖い。


 外は雨が降り続いているのに、迷宮の中はちょうどよく過ごせる湿度に保たれているから快適だな、と思う。

 お家もこんな感じで過ごしやすければいいのにな……


 お父さんは最近冒険に出れないと愚痴を言っている。

 でもお母さんは、家事をやってくれたらその分研究が捗るので、ずっと雨が降ってくれたらいいのになって言っている。

 私はどっちの味方をしようか。


 それよりも、勉強で困ったことが出てきた。

「常識」分野の「周りの自然」のあたりが、覚えられないのだ。


 そのことをお父さんに相談すると、

「実物を見に行けば覚えられるんじゃないか?」

「楽しそう!今から行こうよ」

「でも今日は雨が降っているから、おひさまが見えたときにでも行こうか」

「お母さんに許可は取らなくていいの?」

「そんなこと言い出したらユリは猛反対するだろ?危険だからと。

 だから、秘密だよ、ユズ。いい?」

「わかった、わたし秘密ちゃんと守るーっ!」


 そして翌日。ユズの思いがどこかの神様やらに届いたのか、雲一つない快晴だった。


「おっ、今日は一緒に冒険に行くか」

「行く」

「その前にちょっと装備くらい整えないとな」


 二人は家を出て、更に奥の小道に入り込む。

 私はすごい不安だ。ここは私の知らない道だし、人通りも結構少ないから、道を間違えたのかなと思う。お父さんなら十分にありえる。


 不安を抱えながら歩き進むと、

「ここだ」と、立ち止まって言った。

 ちょっと雰囲気が怪しいお店だな。

 私が外観を観察している間に、お父さんはお店の中に入ってしまったので、私もとっとと入る。


「いらっしゃーい」

 若いお兄さんがこっちを見て声をかける。私はとりあえず会釈をする。

 お父さんは奥の方の肌が黒いおっさんと会話をしている。


「ユズ、こっち」

「うん」

 呼ばれたら基本行く。常識だ。


「あっ、これが娘のユズです」

「おい、ディーズ。こんなちんちくりんに武器を持たそうとしているのか?頭狂ったか?」

「ああ、もちろんだ。あと俺は常識人だ。

 何かあったら自分で身を守れないと大変だろ?かわいい女の子じゃないか」

「こいつは何歳だ」

「こいつじゃなくって、ユズ。ちなみに6つ」

「普段は何をしているのか」

「午前中は迷宮で勉強、午後は家事手伝い」

「ひ弱そうだな、こいつ……ユズ」

「で、ナイフを既製品でいいんで貰いたい」

「はぁ。仕方ない、売るか」


 お父さんとこのおじさん――ディフィーと言うらしい――は盛大に揉めている。どうやらお父さんの勝ちらしい。


 本をたくさん読んだから、こういう話の道筋を読むのとかは得意になった。まだ人と話すのは苦手だが。


 ディフィーさんが、私の手にナイフを握らせる。

「やっぱチビすぎる、でもこれでいいか」

「ちびちび言わないで」

 悔しいから言い返してやった。

 でも当の本人は笑っている。


 しばらくいろんなのを持たされたりしたが、これで決定したみたい。

「じゃ、お代は5万ca(カンタレット・アーツ)

「はい5万」

 お父さんは金貨五枚をさらっと出した。

 これこそ大人の威厳……!


 ナイフを買ってもらった私は、冒険者ギルドに行く。「常設依頼の受注」をしたいそうだ。


 太陽の位置から見るに、まだ10時頃のはず。まだ冒険には旅立てないようだ……

ザ・中途半端

明日もなんとか投稿するので許してください……

私にはこれが限界みたい……

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