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23 七海の狂気※閲覧注意!

「うぁああああああああ!!」


 頭に衝撃が走り、高斗は地面に倒れた。思わず頭をさすると、脳まで響くような鈍い音がキーンと鳴った。

 痛覚が一時的に麻痺しているため、痛みを感じることはないと直毘は言っていた。確かにそのとおりではあった。しかし自分の頭が――まるでスイカのようにかち割られるシーンを想像するだけで……。


 嫌な予感がしながらも、高斗はさすっていた手を離して見てみると、思ったとおり血がついていた。血流自体は止まっているので、それほど出血量は多くはないのだが、それだけでも高斗にショックを与えるのには充分だった。


「なななな、なんで……」


 困惑しながらも立ち上がろうとする彼に、

「動けるの? じゃあもう一回!」


 七海はバットを振り上げると、再び高斗の頭に振り下ろした。そのまま三発、四発、五発。全てフルスイングだ。高斗の顔が血と痣だらけになったところで、ようやく七海は暴行を中止した。


「痛い? ねえ高斗。痛い?」


「なんで、こんなことを……」


 ぽつりと呟く高斗の腹を、七海は長い足で思い切り蹴り上げた。わき腹の骨が全て砕けたのではと思うほどの衝撃に、高斗は吹っ飛び地面に倒れ落ちた。周りに並ぶ椅子や机が倒れたりひっくり返ったりと散乱する。


 これほどのことをされても、やはり痛みはない。ないのだが、されていることをイメージするだけでも気を失いそうになる。


「そんなこと聞いた覚えはないわよ」


 倒れた高斗の頭を、七海は土足で思い切り踏みつけた。冷酷な眼で見下ろすと、そのままグリグリと足蹴にする。


「ひっ……っ!」


 高斗は恐怖しながらも、七海に踏まれた頭を勢いよく持ち上げた。そのまま、一瞬の隙をついて出口に向かって走り出す。いくらゾンビとはいえ、これ以上傷を負ったらいくら直毘でも治せない。


 どうして自分がこんな目にあってるのか分からなかった。放課後七海と一緒に帰らなかったから? 桂馬瑠璃に告白しようとしたから? それだけの理由で? 


 血はほとんど止まっていたが、やはりフラフラとして走りにくい。


「逃げるなぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!」


 振り返ると、七海がもの凄い速さで追いかけてきていた。

 

(怖……!)


 そう思う間もなく、がくん、と膝がくずれ落ちた。

 見ると、高斗の右足にバットがめり込んでいた。

 自分の足が、見慣れない「くの字」に曲がっている。


「ぎゃあああああああああ!」


 悲鳴を上げて高斗は倒れた。

 七海は、その場にかがみこむ。


「あんたが悪いのよ? 逃げたりするから。あたしから逃げたりするからっ! こう! こうなるのよ!!」


 そう言って七海は、金属バットを振り上げた。

 そしてためらいも無く高斗の足を殴打し続けた。

 右足に八回、左足に七回。

 計十五回痛めつけたところで、ようやく七海は手を止めた。


「あんた、いつからこんなタフになったの? プロレスラーでも、もうちょっと早く動けなくなるわよ」


「う……あ……」


 聞かれても、今の高斗に答える余裕などなかった。

 ただピクピクと痙攣を繰り返すだけだった。


(こ、殺される……!)


「そろそろ死にそうね。その前に、さっきの質問に答えてあげる。あたしがどうしてこんなことしてるか、だったわよね? 一度しか言わないからよーく聞くのよ?」


 殺伐とした空間には相容れないのん気な口調で、七海はいきさつを語りだした。

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