【第104話】アイドル・フェスティバル 2
猛暑日でのジャパン・アイドル・フェスティバル(JIF)の午前の部が終了した。昼になるにつれ、気温はさらに上昇していた。
かえぽ助手「博士、メグちゃんたちの出演時間は13時予定でしたよね。」
ぽん博士「そうだったな。ステージ上がかなり暑くなって演者には一番キツイ時間帯かも知れんな。。しかし今回は『ミカちゃん2号』があるから大丈夫だ!、、ミカちゃん2号は熱中症の危険が高い人をセンサーがキャッチして、スポット・クーラーで冷却及びスポーツドリンクの補給を行うロボットだからなっ!!、、わっはっはっはっ!!」
なおたん「うひょー!ミカちゃん、グレイテスなロボットちゃんだねー♪、、ミカちゃーん、ぐれーいてすっ!!」
かえぽ助手「あ、あのー、、先ほど思ったんですけど、ミカちゃんがステージに一緒に居たらかなり目立っちゃいますよねえ。それとダンスをしている人間に近づいていってしまったら邪魔になってしまうじゃないでしょうか。リハーサルやレッスン中ならイイんでしょうけど、本番中だとウマくないんじゃないですかねえ。。!?」
ぽん博士「あ!。。そこまで考えてなかった。。」
なおたん「あちゃー。。ぽんちゃ、あちゃちゃー」

メグ「このミカちゃんねー、私たちがダンスをしている途中でも熱中症になりそうな人を自動的に判断して、その人に近づいて行ってクーラーで冷やしたり、水分を補給してくれたりするんだって!!、、それならこの炎天下でも安心してライブが出来るね!!」
ナオ「わー!すっごいんだねっ!!」
カエデ「だけど、このミカちゃんが同じステージで動き回っていたら、かなり邪魔になっちゃうんじゃない!?、、私たちよりミカちゃんのほうが目立っちゃうし!!ちょっと本番中には使うの難しくない!?」
メグ「あ!。。そこまで考えてなかった。。」
ナオ「あちゃー。。ぽちゃん、あちゃちゃー」

ぽん博士「ふっふっふっ。。実はこういう事態も予測して、なおたんに ある改造を施してあるのだ!!」
なおたん「うひょー♪、、私、ロケット・パンチとか撃てるようにしてくれたのー!?」
ぽん博士「そんなもん作るかっ!、、ステージを破壊しちゃイカンだろ!。。なおたん・ビームの別バージョンとして、冷却されたミストを目から放射出来るようにしたのだ。斜め上に放射することによって上空からミストシャワーを降らせることが出来る。通常の水だけを散布するミストシャワーよりもさらに冷却効果を高めたミスト・システムなのだっ!!」
かえぽ助手「流石博士ですねー!、、だけど、やっぱりある程度の量のミストを降らせるには、なおたん内部の水分だけでは足りないんじゃないんですか!?」
ぽん博士「足りないのもそうなんだが、より冷却効果を高めるには、ビームの放射中になおたんに氷を食べさせ続けることが必要なんだよ。。私の計算上、今日持って来たクーラーボックスの氷だけで足りると思うんだけどね。
入れてきた氷は、なおたんが食べやすいように最初から細かく砕いてあるのだ!!」
なおたん「うひょひょー♪ 『ギャリギャリ君』とか入ってるのー!?大好きー♡」
ぽん博士「いや、これはただの氷だ!」
なおたん「ぶー。なんだー、ガッカリ君ー!。。ぽんちゃ、いけずー!いけぽんずー!!」
ぽん博士「イケポン酢ってなんじゃー!?」

カエデ「なんか、恐いくらい暑くなってきたねー!!」
メグ「前のステージで暑すぎて倒れてしまって救急車で運ばれていったコが居たらしいよ!、、これ冗談抜きでヤバクなーい!?」
ナオ「始まる前から汗ビッショリ!!、、とにかく気合いで乗り切るしかないねっ!!。。よし!みんな、いくよっ!、、ウニッコー!ファイッッ!!」
ウニッコ全員「おー!!」
こうして炎天下の中、ウニッコのステージが始まった。
ジッとしているだけでも危険なくらいの暑さで、激しいダンスを交えたウニッコのパフォーマンスは過酷さを増していた。
ナオ「(暑さかなりキツイ。。!!)」
メグ「(倒れそうなくらい暑いよー!!)」
カエデ「(これ本当にヤバイかも!!)」
観客A「この暑さヤバすぎるよなー!ウニさんたちよくやれてるわー!すげー!流石だよなー!!」
観客B「だけど、表情がなんか辛そうに見えねえか!?、、ステージかなり暑いんだろうなあ。」

ステージの袖にて。ぽん博士たちが、なおたん・ビームの放射の準備をしていた。
ぽん博士「よし!今だ、なおたん!斜め上45度の角度で撃つのだっ!!」
なおたん「おっけー!、、なおたん・アイス・びーーーむ!!」
びびびびびびびびっ!!
ナオ「(あれ!?なんか涼しい空気が上からくる!!)」
メグ「(ミストが降ってきてる!気持ちイイー!!)」
カエデ「(あー!助かるー!これでやり切れる!!)」
ぽん博士「そうだっ!なおたん!休まずに氷を食べるのだっ!、、あ!首の角度はそのまま、そのまま!!」
なおたん「ガジガジッ、、ねー!私もウニッコ観たいよー!、、もー、氷飽きたよー!!」
ぽん博士「もうチョイの我慢だっ!、、あー!首はそのままっ!!。。ありゃ?氷足りなくなってきたかな?。。かえぽ君!たしかステージ脇の売り場にかき氷が売っていた筈だから、急いで買ってきてくれるか!、、とりあえず10人分くらい!!」
かえぽ助手「え!?、、あ!はい!わかりましたー!!」

メグ「みんなー!これがウニッコ最後の曲でーす!、、準備はイイかーっ!?」
観客「おおー!!!」

大歓声の中、ウニッコのライブは無事終了した。
ナオ「いじょー、ウニッコでしたーっ!!」
ウニッコ全員「ありがとうございましたーー!!」
ステージ袖に退却するウニッコ。迎えるスタッフとぽん博士たち。
ぽん博士「おー!みなさん、お疲れでしたー!!」
メグ「あれー?お父さん?、、観客席じゃなかったの!?」
ぽん博士「途中、上から冷たいミストが降ってきただろ。あれは、なおたんが目からアイスミストを放射していたからなのだっ!!」
ナオ「あー!そうだったんですか!!おかげでステージをやりきることが出来ました!ありがとうございます!!」
カエデ「なおたん、ありがとう!、、頑張ったんだねー!!」
なおたん「うひょー!どう板前ラッシャーだよー♪」
メグ「だけどやっぱり汗かいたから、身体ベタベタするねー!!」
カエデ「ねー、汗だけでここまでベタベタするっけ?、、ベタベタっていうよりもベトベトって感じだよ!、、髪の毛も触るとベタベタするんだけど。。」
ナオ「肌が甘ーい匂いしないー?、、汗かいてこんな匂いにならないよねー?、、なんか美味しそうな匂いがするよー!!」
ぽん博士「そうなのかね?、、おかしいなあ。システム上、肌がべたついたり匂ったりするなんてことは起きない筈なんだがなあ。。!?」
なおたん「かえぽが持ってきてくれた氷、美味しかったー♡、、もっと食べたーい♪」
ぽん博士「え!?、、かえぽ君、あれは普通の氷なんだよねえ!?」
かえぽ助手「す、、すみません。。急いでいて慌ててしまって。。お店の人に『どれにしますかー?』って聞かれて、思わず『い、いちご味、下さいっ!!』って言っちゃいました。。」
ぽん博士「シロップ入れちゃったのか!?」
メグ「あははは!どーりでー!!、、だけど、かえぽさんが慌てるなんて珍しいですねー!!」
カエデ「だけど、そのおかげでステージで倒れないで済んだんですよ!、、ありがとうございました!!」
ナオ「あはは!それなら、ブルーハワイが良かった!!」
なおたん「あー!じゃあ今度はそれ食べて、なおたん・びーむ撃つねー!、、かえぽー!おかわりー♪」
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