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ロボットなおたん  作者: Nau
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【第103話】アイドル・フェスティバル

暑い日が続く8月。

ぽん博士は、とある理由で『振付師』のような働きが出来るロボットを開発中であった。そのロボット開発のためのデータの収集という理由(かえぽ助手は信じていないが)で、日本最大のアイドルの祭典『ジャパン・アイドル・フェスティバル(略称:JIF)』を開催中のお台場にいつものメンバーと一緒に来ていた。


かえぽ助手「今日も暑くなりそうねえ、、この暑さの中でステージで歌ったり踊ったりするのよね。アイドルって大変な職業ねー!!」


なおたん「かえぽー!何観るー?何観るー?誰観るー?誰観るー!?。。こんにちは!『ナニミール・ダレミル』です♪」


かえぽ助手「誰よ、それ!?。。私、アイドルなんて詳しくないから、誰が観たい?って聞かれてもなあ。。メグちゃんたちだけ観られればイイよ!、、ウニッコも新曲披露するんでしょ!!」


なおたん「ポンキー、イイコにしてお留守番してるかなー?、、今頃テレビで『なつやすみ・アニメすぺさる』観てるかなー!?」


かえぽ助手「まーた、こっちの話スルーするし!!。。ポンキーはテレビなんか観ないわよっ!!暑いからお昼寝中じゃないのー!?」


なおたん「かえぽ、『スルーするしー』だって!、、面白いねー!芸人さんになれるねー!!、、どーもー!『ザ・マエバーズ』でーす!相方募集中でーす!!とか言うんでしょー!!あはははー♪」


かえぽ助手「勝手に芸名付けないでよっ!!なんでそういうのだけ反応するかなー!。。ところで、ぽん博士はどのステージのほうに行ってるのかなあ?。。そもそも『データー収集のために』とか言ってるけど、本当は自分がいろんなアイドルを観たいんだよね、きっと。バレバレだよね!!」


なおたん「あー!!もうすぐ、こっちの会場でえぞぺしちゃんのライブが始まるよー♪ いこ、いこー!!」


かえぽ助手「えぞぺしちゃん!?。。あ!なおたん、ちょっと待ってー!!、、暑いんだから走るなってばーーー!!」


そして、会場のひとつである『すまいる・ステージ』の観客席。


なおたん「あー!ぽんちゃ居たー!!ウニ被ってたー♪」


ぽん博士「なおたん!これは『ウニ・キャップ』だ!正しく言わないと本物のウニ被っているオカシナ人に聞こえるだろー!、、それとぽんちゃじゃなくて、ぽん博士だ!!」


なおたん「かしこまりー!ぽんこめりー♪」


ぽん博士「ぽんこめりーってなんじゃーっ!!、、まあよいわ。。なおたんも『蝦夷ぺしあ』(えぞぺしあ)を観にきたのかね!?」


なおたん「えぞぺしちゃんのところに、タレ目の可愛いコが居るんだよねー♪『タレかつ』ちゃんって言うんだよねー♡」


ぽん博士「『はるかつ』ちゃんだろ!、、しかしなんでいつもチョット間違えて覚えてしまうのだ!?。。蝦夷ぺしあは今回ウニッコと期間限定で『うにぺしあ』と言う名前でユニットを組んだのだ。今日は『うにぺしあ』のステージもあるみたいだぞ!」


かえぽ助手「博士、流石に詳しいですねえ。。それにしても今日は猛烈な暑さですよね。。メグちゃんたちも大丈夫ですかね!?」


ぽん博士「そう思ってこれを研究所から持ってきたのだ!、、じゃーん!!」


なおたん「あー!ミカちゃんだー♪」


かえぽ助手「掃除ロボットじゃないですか!、、どうしてこれを!?」


ぽん博士「これはお掃除ロボットのミカちゃんでは無いのだ!。。クーラー・ロボット『ミカちゃん2号』だ!!」


かえぽ助手「なんでまたミカちゃんなんですか!?、、(ややこしいなあ。。)外見は殆ど変わってないように見えますけど。。クーラーのロボットですか?、、ただのクーラーとは違うんですよねえ、、やっぱり。。」


ぽん博士「その通り!、、『ミカちゃん2号』は普通のクーラーとしての機能だけでは無くて、熱中症予防及び熱中症患者に対しての応急手当をすることが出来るのだ!!。。例えば複数の人間が居る場所では熱中症になる危険度が一番高い人間を自動的に感知して、その人間に近づいてスポット・クーラーで冷却をし、場合によっては塩分・糖分の濃度をその人に合わせて自動調整したスポーツドリンクを供給することが出来る機能を備えておるのだっ!!」


なおたん「ふーん。そうなのかー♪」


ぽん博士「お!なおたん、わかったのか!?」


なおたん「えーとねー、わかんないけど、わかったフリを一生懸命しているところだよー♪」


ぽん博士「ガクッ!!、、やっぱりそうか!!。。」


 ♪ぷるるるるるっ


突然、ぽん博士のスマホの呼出音が鳴った。発信者は娘のメグだった。


メグ「(あ!お父さんっ!!今日、クーラーのロボット持ってきているんだよね!?、、えーと、ユカちゃんだったか、リカちゃんだったか、、)」


ぽん博士「ミカちゃんだ!!、、なんだ?一体ど、、」


メグ「(どっちでもイイから早く持って来てーー!!早く!早くーーー!!)」(ブツッ!!)


ぽん博士「なんだー!?なんだなんだ?なんなんだーーー!?」


かえぽ助手「博士!?どうしたんですかっ!?」


ぽん博士「いや、メグからだったんだが、なんかわからんがミカちゃん持って早く来てくれって叫んでいたな!!」


かえぽ助手「ええ!?もしかすると誰かが熱中症になったのかも知れないですね!?たいへん!!」


ぽん博士「とりあえず控室まで言ってみるっ!!」


なおたん「♪ごーごーれすきゅーぽんぽんかえーかえー♪」



そして、ステージ裏手の控室。


ぽん博士「失礼しまーす!メグの父親でーす!!」


かえぽ助手「助手でーす!失礼しまーす!!」


なおたん「なおたんでーす♪」


メグ「あー!お父さんっ!ごめんね!、、はるかつちゃんが暑さにヤラれてしまって動けなくなっちゃったの!!、、あまりヒドイようだったら救急車呼ぼうとしていたんだけど。。」


そこには、北海道出身のアイドルグループ『蝦夷ぺしあ』のリーダー『はるかつ』が控室のソファーに横になっていて、苦しそうな表情をしていた。蝦夷ぺしあと同じ控室だったウニッコのメグは、はるかつの異変に気付き、父・ぽん博士が持ってくると言っていたロボットのことを思い出し、すぐに連絡したのだということであった。


はるかつ「み、みんな、、ごめんなさい、、せっかくここまで来たのに!頑張ってきたのに!。。」(涙)


なつみん(蝦夷ぺしあ)「そんなこと気にしない気にしない!、、今は、はるかっちゃんの身体のほうが何倍も大事だよ!!」


あきぴー(蝦夷ぺしあ)「はるかっちゃん!謝らないで!!、、はるかっちゃんの頑張りのおかげでここまで来れたんだよ!!それだけで十分幸せだよ!!」


ふゆりん(蝦夷ぺしあ)「また来ればイイんだよ!もう一度この4人でさ!!だから今日は無理しちゃダメだよ!!」


はるかつ「みんな、、ありがとう、、ごめんね。。」


ぽん博士「北海道のご当地アイドルさんだから、暑さは特に苦手かな!?。。よっし、ミカちゃんの出番だな!、、かえぽ君、このA液とB液をミカちゃんに注入してくれるか!それから電源プラグをそこのコンセプトに差し込んでくれ!!」


なおたん「さひまひたー♪」


かえぽ助手「なおたん!ここはちゃんと電源があるから、あなたの鼻の穴の非常電源は使わなくてイイのよ!!」


なおたん「はんらー!ほーらのはー♪」



そして、蝦夷ぺしあのライブがスタートした。リーダーのはるかつが欠けた穴を3人でカバーをしながら上手く進めていたのだが、やはりいつもの蝦夷ぺしあのパワーは半減してしまっていた。



ナオ「はるかつちゃん、悔しいだろうな。。何年も前から出場したかった『JIF』にやっと来れたのに。。」


カエデ「私たちもやっと、やっと、来れたんだもんね。。気持ちわかるな、、なんか私も泣けてくる。。」


メグ「『蝦夷ぺしあ』のライブで最後に演る曲は、はるかつちゃんのソロ・パートが一番の見せ所なんだよね。。なんとかならないかな。。」


なおたん「ハムかつちゃーん!ふぁいとだよー!ミカちゃんが一生懸命冷やしてくれてるから、もう大丈夫だよー♪ ふぁいちん、ふぁいちーん!!」


はるかつ「あ、ありがとう、、ち、ちなみに私、ハムかつじゃなくて、はるかつだからー。。だけどありがとう、、なんか安心する。。」



なつみん「みんなーーー!!次が最後の曲になりまーーーす!!」


観客「ええーーー!?」


ふゆりん「(はるかっちゃんのパートどうする!?)」


あきぴー「(仕方無いよ!3人でカバーしよっ!!)」


ラストの曲のイントロが流れた。。その時!!


はるかつ「蝦夷ぺしあには、もう一人居るよーーー!!」


ステージのセンターから、ダウンしていた筈のはるかつが登場した!!


はるかつ「みんなーーー!!遅れてごめーーん!!はるかつでーーーす!!最後の曲!盛り上がっていきましょおおーーー!!、、ジャパン・アイドル・フェスティバル!さいっこおおーーー!!!」


観客「うおおおおーーー!!!」


なつみん&あきぴー&ふゆりん「はるかっっちゃーーーん!!」


はるかつ「みんな!心配かけてごめんね!!ラスト!どかーんっていっくよーーー!!」


4人揃った蝦夷ぺしあのステージは大いに盛り上がり、大歓声の中でライブは終了した。



控室に戻った、はるかつたち。それを迎えるウニッコ・メンバー。


ナオ「はるかつちゃん、ラスト間に合って良かったねー♪」


メグ「ミカちゃんがあんなに役立つとはねー!それにしても良かったー!!」


はるかつ「ありがとう!、、メグちゃんのお父さんが作ったロボットのおかげだよ!!。。あ!ただね、あのね、そのおかげで治ったと思うんだけど、私が寝ている横であの『なおたん』って女の子がずっと励ましてくれていたんだよ。なんかねー、とっても安心出来る声だった。ファイティン、ファイティン!ってずっと言い続けていたんだよ。そしたら本当に気持ちが落ち着いてきて、『よし!いくぞ!』って感じになった。。不思議な女の子だね!なおたんって!!」


カエデ「あはは!なんかわかるー!!」


メグ「そういう なおたん もロボットなんだよ!!」


はるかつ「えええー!?嘘!?、、信じられない!?」


ぽん博士「よーし、メグ!、、私ら、そろそろ観客席に戻るぞ。ミカちゃんは置いていくから!。。使い方はわかったな!?」


メグ「うん!大丈夫だよ!ありがとう!!」


はるかつ「ぽん博士、かえぽさん、なおたんちゃん、本当にありがとうございました!!」


ぽん博士「あー、いやいや、、」


なおたん「どうひたひまひてー♪」


かえぽ助手「いつまで鼻にプラグ差してんのよっ!!」



-END-

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