【第154話】つながる ひろがる 無限の可能性秘めて (前編)
12月某日。
ここは、ファッションショーやアイドルのライブ、それ以外にも「うひょー!きゃわいー♡」っていうモノをイロイロと集めたイベント『NIIGATAきゃわいー♡祭・WINTER』が開催される会場。
今回はスペシャルゲストモデルとして国内のトップモデルでありながら大人気女優の『香絵菜』の出演が決定したため、大勢の観客が押し寄せていた。
そして、出演アーティストの中の一組には『ウニッコ』も選ばれていた。

ウニッコの楽屋にて。
イベントのパンフレットの香絵菜の写真をうっとりした表情で見つめるメグ。
メグは香絵菜の大ファンであり、憧れの女性として昔から尊敬の目で見ていたのである。香絵菜のゲスト出演が決まったことを聞かされてからは、毎日ソワソワしていたのであった。
メグ「ああ~!、香絵菜ちゃん、可愛いー♡ホント可愛いー♡、、あああ~お友達になりたいなあ~!!」
カエデ「同じ会場に居るんだけどねー!!」
ナオ「ぽちゃん!チャンスだよ!ちゃんすちゃんす!!」
メグ「ダメだよ~!今、ショーの出番待ちだろうから忙しいだろうし、大物すぎて、気軽に挨拶なんか行けないよー!、、『雲の上~~~!!』、、の存在なんだもんっ!!こうやって同じ会場に居ることも夢みたいだよ~!!」

イベントの開場時間になった。
前半はファッションショーからのスタート。
大勢の観客の中には娘のメグと同様に香絵菜の大ファンであるぽん博士、かえぽ助手、なおたんが居た。
そして、いよいよ香絵菜の登場。ランウェイを颯爽と歩く姿に観客は息を飲む。
なおたん「香絵菜ちゃんだー!可愛いー!可愛いー♡」
かえぽ助手「香絵菜さん素敵ー!カッコイイ!!」
ぽん博士「はーーーーーぁ♡」
同じとき、関係者席で香絵菜を見つめる別の3人組。
ナオ「香絵菜ちゃんだー!可愛いー!可愛いー♡」
カエデ「香絵菜さん素敵ー!カッコイイ!!」
メグ「はーーーーーぁ♡」
こうして煌びやかなショーは午前中に終了した。

午後になり自分の楽屋にあるモニターを観る香絵菜。
モニターは午後からのステージを映していた。
ウニッコの出番になり、それまでスマホをいじりながらモニターを観ていた香絵菜はスマホをテーブルに置き、モニター画面を観ることに集中する。
香絵菜「(ウニッコちゃんって可愛いなー♡、、なんか、この真ん中のナオちゃんって、なおたんにちょっと似ているなあ、、!!)」

ライブの終盤になり、『ねぇギンダラ』を熱唱するウニッコ。香絵菜もいつの間にか身体を揺らしながら聴き入っていた。
香絵菜「この曲イイねー!『あーざーらーしー♪』、、」
そのとき、、!!
ウニッコが歌うステージの天井に取り付けたあった照明器具のひとつが何かの衝撃で外れる!!
重量20kgを超える特殊な照明が真下で歌っていたメグの頭に向かって落下する!!
同時に観客席から一人の少女がステージ向かって飛び出した!!
人間業とは思えない、目に見えないくらいのスピードで!!
てか、飛んでいったのは人間では無い、、!!
ガシャーーーンッッ!!!
照明はステージに落下し、大破する!!
メグは間一髪で直撃を避けることが出来た!観客席から飛んできたなおたんがメグを抱えたまま、ステージ後方にまでジャンプしていたからである!!

楽屋。何が起きたかわからず、数秒固まったままモニターを見つめる香絵菜。
そして、、
香絵菜「ええええ!?、、な何!?何が起きたのっ!?、、照明?、、照明がステージに落下したのっ!?、、あー!メグちゃんが倒れてるっ!!、、あれ?隣に女の子?いつの間に?、、あ!立ち上がった!!」

ステージ後ろに倒れていたメグはゆっくり目を開ける。何が起こったのかわかっていなかった。前方で歌っていた筈なのに何故自分は後ろで寝ているのか訳がわからず頭が混乱するのであった。
メグ「。。あ、あれっ!?なんで私ここで寝ているの!?、、え?なおたん?、、、なんで!?」
なおたん「メグちゃん危機いっパイナポーだったねー!すっごいのおっこちてきたねー!これ頭に当たったら『あうー!クラクラするわぁ~♪』ってなっちゃうねー♪」
カエデ「いやいやいや、普通の人間それ直撃したらそんなもので済まないからっ!!」
かえぽ助手が近くに居ないため、代わりにツッコむカエデであった。

香絵菜「なおたーーーんん!?」
モニターで見覚えのある少女を見つけ、思わず大きな声で叫ぶ香絵菜。
香絵菜「なおたんっ!、、そうか!近くに居たんだ!、、メグちゃんを助けてあげたんだね!、、私を助けてくれたあのときの様に!!」

ナオ「ぽぽぽぽぽぽちゃんーーー!、、だだだ大丈夫ーーー!!、、ラ、ライトが上から、ひゃーって、そそそそんで、、な、なおたんが、ひゃーって!、、ばーーーって!!」
カエデ「ナナナナオちゃん!、、もも餅ついてっ!、、ぽちゃん!、なおたんが、助けてくれたんだよっ!!」
被害に遭いそうになったメグよりも、そうじゃない2人のほうが動揺していた。
カエポ動揺!
メグ「そうだったの!?、、一瞬だったから何が起きたのかと思った!、、『観客席からなにか飛んできた!』っていうのはなんとなく覚えているんだけど。。なおたんだったんだねっ!、、私、なおたん居なかったら死んでいたかも知れないんだねっ!、、ありがとう!なおたん!、、ありがとう!!」
ナオ「私、なおたんがステージに飛んでくる姿全く見えなかったよー!すっごいスピードで動けるんだねー!すっごいんだねーーー!。。だけど、ぽちゃんも流石プロだよ!こんなときでもマイクを手から離してないんだもんっ!!」
なおたん「私もプロだからアイスクリームを手から離さずにメグちゃん助けたんだよー♪、、あれー?アイスクリームどっか行っちゃったー?」
カエデ「なんのプロなのよっ!?」
どっか行っちゃったアイスクリームの先端はメグの衣装にどっぺりと付いてしまっていた。
メグ「あはは!イイよイイよ♪ どっちみちライブの続行は無理みたいだし!!」

香絵菜「ユッキー!、ちょっとステージ行ってくるっ!!」
ユキタ(香絵菜のマネージャー)「え?、、ちょ、ちょっと!、、香絵菜ちゃんっ!!」
なおたんに会えると思い、楽屋を飛び出す香絵菜!!
ぽん博士「さて、、メグの無事は確認出来たところで、、ここは観客は多いし、報道陣も多そうな感じだし、なおたんのことでイロイロと面倒になりそうなので。。かえぽ君!なおたん連れて離脱したほうが良さそうだな!!」
かえぽ助手「私もそんな気がします!。。なおたーん!行くわよーっ!!」
なおたん「あ!かえぽ呼んでるー!行かなきゃー!、、すんません!ウチのコレがコレなんで、お先失礼しますわー♪」
かえぽ助手「飲み会で帰りが遅くなった亭主かいっ!、、アホなことやってないで、早くっ!!」
なおたん「それじゃぺろん、、じゃない、どろんするねー!ばいばーい!どろーん♪」
メグ「なおた、、もう行っちゃうの?、、あ!お父さんっ!、、ありがとーう!!」
ぽん博士「メグー!なおたんの存在はイロイロとややこしいことになるから、周りの人には内緒にしておいてくれるかー?、、テキトーにごまかしておいてくれー!頼んだぞー!じゃなー!!」
メグ「えええー!?、、これだけ周りに晒しといて、そういうことを言うっ!?」
なおたんたちが姿を消すのと入れ替わりに、ステージのほうへ駆けてきた女性がいた。
香絵菜「メグさんっ!大丈夫ですかっ!?」
メグ「かかかかかかか香絵菜さんっ!?、、、だだっ大丈夫ですっ!!。。ええ?どどどうして香絵菜さんが?、、ああ~、香絵菜さんとお話し出来たから私もう死んでもイイ。。」
香絵菜「せっかく、なおたんに命を救ってもらったんだから、馬鹿なこと言わないで下さいっ!!、、あれ?、、そういえば、なおたんは、、!?」
メグ「私を助けた後、すぐ逃げるようにして帰っちゃいました!。。え?、、なおたんのこと、知っているんですかっ!?」
香絵菜「えー!!なおたん帰っちゃったんですかーっ!!、、あ、、ごめんなさい!。。実は私もなおたんに命を救ってもらったことがあるんです!※ 、、道を歩いていて、トラックに轢かれそうになったのを、今、メグさんを助けるときと同じように、目に見えない速度でなおたんが飛んできて、私を助けてくれたんですよ!!あのときは夢を見ているのかと思っちゃいました。。ところで、メグさんもどうしてなおたんのことを、、!?」
※【第74話】ロボットだもんを参照
メグ「なおたんは、私の父が作ったロボットなんです!!」
香絵菜「えー!!メグさんって、ぽんちゃさんの娘さんなんですか!?、、びっくり!!」
メグ「わ!私の方こそビックリですよー!、、えー!父のこともご存知だったんですか!?、、しかもその隠れたアダ名のことまで!!」
香絵菜「あははは!だって、なおたんが『ぽんちゃがー、ぽんちゃがー、、』って言っていたもんだから!」
-後編に続く-




