【第135話】魔法少女カエポリン 3 『これでもマ、イッカー!』
5月のある日。勤務先での昼休みに『茶本めぐみ』は親友の『なお』から「マイカーを買ったよー♡」というメッセージをLINEで受け取った。そして夕方になり、退社してから自宅アパートへと帰る途中。
めぐみ「あー!イイなー!、、私も自分の車が欲しいなあ!ちっちゃくても、チョットくらいポンコツでも大事に乗るよー♪」
「ふんぬーっ!!」
めぐみ「あれ!?、、今なんか声がしたような、、!?」
ゴトゴトゴトッ!!
突然目の前のマンホールの蓋が開こうとしていた!!
「でやあああっ!!!」
すっぽーーーん!!
めぐみ「ななな!何!?。。何事ーっ!?」
マンホールの蓋が勢いよく外れ、ひっくり返った。そしてそこから飛び出してきたのは、、!?
カエポリン「とぉーーー!!」
ぽりんぽりんかえぽりーーーん♪
しゅたっ!!
カエポリン「呼ばれてないけど、ポリンポリーン♡ カエポリンでーす!ご無沙汰でーす♪」
めぐみ「カ!、、カエポリン!?。。どこから現れてんのよーっ!?」
カエポリン「マンホールの蓋ってガッチリ閉まってるんですねー!もっとタイミングよく登場する予定だったのになー!練習しておけば良かったなー!。。あ!マンホールの蓋ってなんで丸いか知ってますー?、、これ、下に蓋が落っこちないようにするために丸く作られているんですよーっ!私勉強したんですよー♪ アハー♡」
めぐみ「アハー♡はイイけど、マンホールの蓋、もとに戻さないとだよ!」
カエポリン「あ!そうですねー♪。。んしょ、んしょ!、、重いですね!これー!。。よいしょーっ!、、あれ?上手く閉まりませんねー!、、めぐみさん!そっち踏み踏みしてくださいっ!私こっち踏み踏みしますからっ!!。。ふんっ!ふんっ!!」
めぐみ「あのー、、カエポリン!。。ところで今回はなんで現れたの!?」
カエポリン「ふんっ!ふ、、え?あー!そうだーっ!。。めぐみさん!あなたは今、自分の車が欲しいって思いましたねーっ!。。おっけーですよー!、、願い叶えちゃいますよー♪」
めぐみ「え!?ホント!?」
カエポリン「サバノミソニー・チョトアキター!!」
ぽりんっ♪
カエポリン「はーい♪ そこの角を曲がったところにジャジャジャジャーンっていう感じで出しましたー♪」
めぐみ「やったあ!ホントにー!?。。あー!でも『車』っていっても、自動車じゃなくて、ママチャリとかだったーっていうオチじゃないのー!?。。ま、それはそれで嬉しいけどねーっ!!」
そして、角を曲がってからめぐみが目にしたものは、、!?
めぐみ「わー!?。。自動車だーっ!、、ホンモノー!?、、スゴおおおいっ!!」
カエポリン「めぐみさんのお望み通り、ちっちゃくて、ポンコツなミニ・クーパーで~す♡。。最初は現代の新しい車にしようと思ってたんですよー!、、だけどめぐみさんがちっちゃくてポンコツなのがイイって言うから、あえて欠陥だらけの車を出してみましたー♡いやー、私って気がききますよねー♪」
めぐみ「あ、、いや、ちっちゃくても少しポンコツでも我慢するって意味であって、ちっちゃくてポンコツが第一条件ってことじゃな、、」
カエポリン「スゴイですよねー!サビだらけだし、シートに穴が空いてるし、サイドミラー1コ取れかかっているんですよー!こんなボロなの絶対売ってないですよねー!アハハハー♡」
めぐみ「そりゃそうだよ!ミラー取れかかったままで売らないわよっ!普通。。もー、、タダだから文句言えないけど、もう少し私の希望を聞いてからにしてもらいたかったなあ、、いつも最後まで人の話聞かないし、、この魔法少女はー。。あれ?これマニュアル(トランミッション)なの!?。。私オートマじゃないと自信無いなー!!」
カエポリン「やっぱり車はマニュアル車ですよねっ!、、ではでは早速ドライブに行きますかー!?。。海がイイですよね!海!、、海までドライブに行きましょう!!」
めぐみ「なんなのよ!その『走り屋』のようなこだわりはっ!。。え?海ー?、、てか、自分が行きたいだけでしょー!?」
カエポリンに強引に目的地を指定されためぐみは、慣れないシフト操作をしながらなんとか海までミニ・クーパーを走らせた。
ガタガタガタッ!!
めぐみ「あれ?なんか車が急にガタガタし始めたよっ!?」
車を停車させ、降りて確認をするめぐみ。
めぐみ「あ!、、パンクしてるーっ!!。。この車に乗ってからまだ1時間なのに、もうトラブル発生なのー!?、、あーあ。。」
カエポリン「任せてください!私が魔法でなんとかしますよー♪」
めぐみ「あ!そうだよねー!こんなときは魔法ってイイねー!。。魔女が一緒で良かったー♪」
カエポリン「『魔女』じゃないですよ!『魔法美少女』ですよーっ!!」
めぐみ「『美』も付けなきゃないのね。。」
カエポリン「サバノミソニー・チョトアキター!!」
ぽりんっ♪
めぐみ「。。アレ?、、タイヤなおってないよ、、!?」
カエポリン「大型ジャッキを魔法で出しましたー♪ これで楽々タイヤ交換出来ますよー!さ!張り切ってやってみましょー♪」
めぐみ「えー!?せっかく魔法使ってんのにタイヤなおしてくれないのーっ!?」
カエポリン「こういうのは自分で苦労するから愛着が湧くんですよー♪」
めぐみ「なんでそういうとこヘンなこだわりがあんのかなー、、それは人にもよると思うんだけど、、はー。。」
慣れない手つきでなんとかタイヤ交換を終わらせためぐみ。
カエポリン「あー!めぐみさん!、、綺麗な夕日ですよー♡ほらー♡」
めぐみ「あ!ホントだねー!。。あ!そうだ!カエポリン、せっかくだから写真撮ってあげるよ!ほら、ミニ・クーパーの隣にチョット立ってみて!!」
カエポリン「え?、、あ、いやいや!ダメですよ!私そういうのダメですってばーっ!!」
めぐみ「イイから、イイから!ほら、撮るよー!ハイ!ポーズ!!」
カエポリン「ダメですってば!、、ダメ、、ぽりん♡」
めぐみ「しっかりモデル立ちしてるじゃないっ!!」

そして次の日曜日。めぐみはなおと一緒に街の方へ遊びに来ていた。途中で寄ったコーヒーショップにて。
めぐみ「なぽちゃん、なぽちゃん!、、私も自分の車手に入れたんだよーっ!!。。ミニ・クーパーって知ってる?。。あ、今のBMWのじゃなくて、昔のイギリスのほうのちっちゃいやつ!。。すっごいポンコツなんだけどww」
なお「ホントー!?、、わあ~!良かったね~♪。。え?どんな感じ?、、写真とか無いのー!?」
めぐみ「あ!チョット待ってね!。。えーと、どれだ、どれだ、、あ!これこれ!。。ほら!こんな感じだよっ♪」
めぐみは自分のスマホの写真をスライドさせてミニ・クーパーの写真を出してから、なおにスマホを手渡した。
なお「へえ~!カワイイ車じゃーん!、、夕日と一緒でイイ感じだねー♪」
めぐみ「でしょでしょー!。。あ!それでね、一緒に写っている女の子はね、私の知りあ、、」
なお「え?、、女の子!?。。女の子なんか写ってないよ!!、、どこに!?」
めぐみ「え!?、、写ってない!?、、何言って、、ちょっと貸してっ!。。写っ、、て、ま、せんねえ、、、あれー!?」
なお「チョットー!やめてよ!!。。心霊写真じゃあるまいしーっ!!」
めぐみ「あ!ゴメンゴメーン!!。。私の勘違いだったー!!。。(あっれ~!?)」

夕方になり、なおと別れてからアパートに戻っためぐみ。
めぐみ「おっかしいなあ~!?。。確かにカエポリンと車、一緒に写した筈なんだけどな~!?」
そう言いながら自分のスマホの写真フォルダをスライドさせ、その写真をもう一度確認するめぐみ。
めぐみ「あった!!、、あー!!やっぱり写ってる~!!。。カエポリン、ちゃんと『ジョ○ョ立ち』しているっ!!。。あれっ?、、あああ!!?」
そのとき!、、静止画の筈のカエポリンが動き出したのである!!
カエポリン「あははー♪ さっきは、魔法で私の姿消していたんですよー!、、私のような魔法界のものがこの世界に存在を残しちゃダメなんですよー!、、危なかったー!うっかり忘れるとこでしたよー!お祖母ちゃんに怒られちゃうー!、、あ!そうそう!私のお祖母ちゃん、仙台に住んでいるんですよー♪」
めぐみ「ガクッ!!。。お祖母ちゃんはこの世界に存在残すどころか、普通に住んでるのね!しかもメッチャ近くじゃないっ!!。。さっきの話と矛盾してるじゃんっ!?」
カエポリン「それも魔法なんですよねー♡」
めぐみ「説明がざっくりしすぎて全くわかんないんですけどっ!!」
-おわポリン-




