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ロボットなおたん  作者: Nau
121/150

【第127話】たぬたぬ

2月の後半。研究所。


かえぽ助手「明日は屋外でのロボットテストでしたよね。天気予報ではかなり冷え込むと言っていましたねえ。」


ぽん博士「それであれば、まだ調整中ではあるが、『ミカ-Z』も一緒に持っていってみるかね。暖房機能のテストも兼ねて。」


かえぽ助手「あ!、、改造中の『ミカちゃん2号』※ は『ミカ-Z』と言う名前になったんですね。。」


 ※【第103話】アイドル・フェスティバルを参照


ぽん博士「『ミカちゃん2号』は冷房の機能だけだったから、そこに暖房の機能も付ければ年間を通して利用することが出来そうだからね。『熱中症予防ロボット』だけとして使うのはもったいないからねえ。」


なおたん「『ねっちゅうそうよびょうロボット』?」


かえぽ助手「なおたん!そうじゃなくて、『熱中症よびょうりょぼっと』、、あ!私も間違えた。。『熱中症よびょうよぼっと』。。あ!あれれ!言えない、、これなんか早口言葉みたいですね!」


なおたん「かえぽ、早口言葉ダメダメちゃんだねー♪」


かえぽ助手「そう言うなおたんだって、ちゃんと言えて無いじゃないっ!!」


なおたん「だって、ロボットだもん!オイルが出ちゃう!!。。♪あたっくーあたっくー南蛮湾ー♪」


ぽん博士「。。えーと、、なにからツッコんだらイイんかの!?。。てか、ロボットだからこそ正確に言ってもらいたいんだけどなあ。。」



そして翌日。豪雪地帯として有名な新潟県の津南町。


ぽん博士「これが今回テストを行う、除雪ロボットの『たぬたぬ』だっ!!」


 どてっ!!


ぽん博士「ん?どした?かえぽ君!?」


かえぽ助手「博士!屋根の雪降ろしのために開発したってのは素晴らしいんですけど、なんで『タヌキ』なんですかっ!?」


ぽん博士「デザインを考えているときに、テレビでウニッコが『ちゃとうのゴハン』のCMでタヌキのコスチュームで踊っているのを観てねー、、あれがもう、可愛くて可愛くて、、これだっ!って思ったんだよ~♡」


かえぽ助手「そ、そうなんですか。。だけどあの大きな尻尾はちょっと邪魔になったりしないんですか!?」


ぽん博士「あ、やっぱりそう思うかね?。。間違いなく邪魔になっているなあ!わははははっ!。。しかし『たぬたぬ』にあの大きな尻尾は絶対に必要なのだっ!、、あの尻尾が無ければ『たぬたぬ』では無いっ!、、そんなのは、ただの『除雪マシーン』だっ!!」


かえぽ助手「ただの除雪マシンのほうが良かったと思っているのは私だけでしょうか?」


なおたん「たぬたぬ可愛いー!可愛いー♪」


たぬたぬ「サンキューたぬたぬー♪」


ぽん博士「よし!では、たぬたぬ!、、まずはこの家の雪降ろしを開始してくれるか!!」


たぬたぬ「オッケーたぬたぬー♪」


屋根の雪降ろしをやるために、かかっている梯子を登り始めるたぬたぬ。だが、スムーズに登っているようには見えなかった。


たぬたぬ「たーぬ、たーぬ、たーぬ、、」


かえぽ助手「梯子を登るの、かなり苦戦していますねえ。。たぬたぬ、かなり重量がありそうですもんね。」


ぽん博士「あの尻尾だけでも20Kgはあるからなあ。」


かえぽ助手「やっぱり尻尾、要らなかったんじゃないですか?」


なおたん「ねー、ねー、私も屋根に登りたーい♪」


ぽん博士「登ってもイイけど、なおたんも雪降ろしを手伝うんだぞっ!!」


なおたん「オッケーぽんちゃー♪」


ぽん博士「ぽんちゃでは無い!ぽん博士だっ!。。あー、なおたん!屋根に登る前に『なおたん専用除雪作業スーツ』に着替えなさい!!」


なおたん「オッケーたぬぽーん♪」


ぽん博士「『たぬぽん』ってなんじゃー!!」


かえぽ助手「なおたん専用の除雪用スーツなんてあったんですか!?」


ぽん博士「うちのデザイン部に依頼して、たぬたぬの開発と同時に作ってもらったのだ!」


なおたん「着替え完了ちまちたー♪」


挿絵(By みてみん)

イラスト:やまこ



かえぽ助手「え?、、タヌキ?。。これもタヌキなんですね!?」


ぽん博士「普通のタヌキの着ぐるみにも見えるが、これは除雪作業に適したなおたん専用のスーツなのだ!!」


かえぽ助手「普通のタヌキの着ぐるみにしか見えません。」


たぬたぬ「、、たーぬ、たーぬ、、」


かえぽ助手「てか、まだ登ってたんかーいっ!!」


たぬたぬ「レッツ雪降ろしたぬたぬー♪」


かえぽ助手「ようやく屋根に到着しましたね。ところでたぬたぬはどうやって雪降ろし作業を行うんですか?」


ぽん博士「まあ、見ていたまえ。。なおたん!たぬたぬの尻尾のサイドの金具を外してフタを開けてくれるかー!、、そこにスコップが入っとる!!」


なおたん「おっけーたぬたぬー♪。。そなたが使うのはこの金のスコップか銀のスコップかそれともコ◯リの980円のスコップか。。」


かえぽ助手「博士!あの尻尾はスコップ入れるためのケースだったんですかっ!?。。え?、、と言うことは、たぬたぬは普通にスコップで雪降ろしをするんですか!?」


ぽん博士「様々なデータを基に計算した結果、そうなったのだ!!。。ちなみにあの尻尾は外すことも出来るのだ!!」


かえぽ助手「でしたら尻尾を外してから梯子を登ったほうがイイということは計算しなかったんですか!?」


たぬたぬ「あ、あのー、、なおたんのボケに誰もツッコんでやらなくてもイイんでしょうかー、、たぬたぬー。。」


ぽん博士「そんな心配はしなくてイイから、早く始めろ~!!」


たぬたぬ「♪じょ、じょ、除雪、除雪の月は~♪」


なおたん「たぬたぬ、歌ジョーズだねー♪。。たぬ歌グランプリで優勝間違い無いねー♪」


たぬたぬ「サンキューたぬたぬー!。。ところで、たぬ歌グランプリってなにたぬたぬ?」


かえぽ助手「たぬたぬ、雪降ろし思ったより進まないですねえ。。なおたんはなおたんで雪降ろしに飽きちゃって端っこで雪だるま作ってるし。。」


ぽん博士「もしかすると尻尾が動作の負担になっているかもしれんなあ。。なおたーん!たぬたぬの尻尾のロックを解除して、たぬたぬの尻尾を外してくれるかー!!」


なおたん「おっけー!ぽんぽーん!。。たぬたぬー、尻尾外すよー!尻尾にバイバイしてねー♪。。尻尾外れる音は『しっぽーん!』って言うんだよー♪」


たぬたぬ「『しっぽーん!」ですねー!わかったぬたぬー!痛くしないでたぬたぬー!」


 しっぽーん!!


たぬたぬ「たぬー?。。なんだかお尻が軽くなったぬたぬ~♪。。おっとっと。。」


かえぽ助手「あれ!?、、たぬたぬ、なんだかフラついてませんかっ!?」


ぽん博士「シマッタ!。。尻尾を取ったことによって、ウェイトバランスが崩れたかもしれん!!」


かえぽ助手「外したら外したで、厄介な尻尾なんですねえ。。」


たぬたぬ「たぬ?。。たたたたぬたぬ~~~!!」


バランスを失ったたぬたぬは、屋根を転がり落ちて、深く積もっていた雪の中に埋まってしまったのであった!


なおたん「あー!たぬたぬ転がってったー♪。。面白そー!私もやるーーー♪」


ぽん博士「わわわー!なおたんはそこでジッとしてろー!!」


かえぽ助手「なおたーん!そこで雪だるまみたいにしているのよー!!」


なおたん「雪だるまー?、、雪かえぽだったら出来るよー!前歯出したポーズすればイイんだよねー♪」


かえぽ助手「やかましいわっ!!」


たぬたぬ「たぬー!たぬーーー!!、、」


かえぽ助手「たいへんっ!、、たぬたぬが雪山に埋まっちゃった!、、助けないと!!。。博士!たぬたぬは自力では脱出出来ないんですか!?」


ぽん博士「ただのタヌキロボだからなあ。。」


かえぽ助手「除雪ロボなんですよねっ!?」


ぽん博士「お!そうだ!!、、こんなときこそ『ミカ-Z』を使ってみたらどうだろうかっ!?。。よし!ミカ-Z!暖房パワーを最大にして、たぬたぬの周りの雪を溶かしていくんだっ!!」


ミカ-Z「了解でーす!、、♪私、ミ・カ、ミーカちゃん、暖房ロボット、ミカー、ミカー♪」


ミカ-Zはたぬたぬが埋まっている雪の塊を溶かしながら、どんどん進んでいった。


かえぽ助手「なんか、ミカ-Zのほうが除雪ロボットみたいですね。。」


ぽん博士「うーむ。。たぬたぬはこれでも一応は除雪作業に特化して開発したんだがなあ。。」


なおたん「かえぽー!かまくら作ったよーー♪ おっきいの作ったから、かえぽも一緒に入れるよーーー♪」


かえぽ助手「、、雪よりもまず彼女を降ろしたほうが良さそうですね。。」



-END-

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