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ロボットなおたん  作者: Nau
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【第124話】クリームソーダLOVE

某市の商店街・風呂町ふろまちで用事があったため、アーケード街を歩くかえぽ助手となおたん。


なおたん「かえぽー、かえぽー!そろそろお疲れちゃんだろうから、この辺でおやっちんぐタイムをバツーンとぶちかますでござるかー♪」


かえぽ助手「おかしな日本語使わないでよ!、、なによ『おやっちんぐタイム』って?。。私まだ疲れてなんかないわよ!、、なおたん連れてくるといつも『何か食べたーい!』とか言い出すんだから。だからついてこなくてイイって言ったのにー!!」


なおたん「かえぽ1人だと寂しがって泣いちゃうから、私ついてきてあげたんだよー♪」


かえぽ助手「泣かないわよっ!!。。もー、、じゃ、ちょっとだけだよ。あんまり高いのはダメだよー!」


なおたん「さすがかえぽだねー!違いのわかるゴールドブレーンバスターだねー♪」


かえぽ助手「なによそれ?。。えーと、どこのお店がイイかなあ。。あ!このビルの2Fって『Rice & Snow』か!、、看板が出ているってことはやっているのよねえ。。へ~、このお店まだ続いていたのかー。。」


看板には『軽食とパフェ - Rice & Snow -』と書かれてあった。(但し『軽食と』の文字の上に目隠しするようにテープが貼られていた。)


かえぽ助手「懐かしいなあ。。私が高校生の頃、友だちと一緒によく来ていたなあ。。このお店いろんな種類のパフェがあるんだよ!ご夫婦でやっているお店だったのよねー。確か。。」


なおたん「かえぽが高校生の頃ってことは、遥か昔だねー♪」


かえぽ助手「少し昔ですっ!!」


階段を昇り、店のドアの前に立つ2人。ガラス面に店名のカッティングシートが貼られていた。これも看板と同様に『軽食と』の文字は見えないように剥がされてあった。


かえぽ助手「あ!そうだ、そうだ!こんなドアだった!!」


ドアを開け店内に入るかえぽ助手となおたん。店員らしき年配の女性が対応してくれた。


店員「いらっしゃいませ!お好きな席にどうぞ。」


なおたん「はーい!いらっしゃったよー♪」


かえぽ助手「わわわっ!なおたんっ!、、す、すいません。。」


店員「うふふ。ゆっくりしていってね!」


店内に居た客は中年の女性2人組と奥のテーブルで少女漫画を見入っている大学生風の女の子が1人だけだった。中年女性の2人はなおたんたちが席に着くと同時に会計を済ませて出て行った。


かえぽ助手「へえ~、、昔と変わってないなあ。。あ、だけどパフェの種類減っちゃったかな?昔はもう少し種類があったような気がするんだけどなあ。。」


なおたん「ねー、ねー!かえぽー!これなにー?なにこれー?」


メニューの中の写真を見て目をキラキラさせるなおたん。


かえぽ助手「ん?これ?、、これは『クリームソーダ』だよ!、、なおたん初めて見るんだっけ?。。メロンソーダの中にアイスクリームが入ってるんだよ。私、子供の頃大好きだったなあ。。」


なおたん「ソーダの中にあいすー!?。。うっひょー!私これにするー♪ おーいしソーダー♪ うーまソーダ~♪ おーいぇ~♪」


かえぽ助手「こらーっ!お店の中なんだからちゃんと座ってなさいっ!!。。なんで喜ぶと踊るようにプログラムされてんのかなー!?」


店内の奥のほうに居た大学生風の女の子は周りの声が聴こえないほど集中して漫画を読んでいたのだが、なおたんのはしゃぐ声が聴こえて顔を上げる。


ナタリー「ア!アレーッ!?、、なおたんラネッケー!!」


なおたん「あー!、、ナタぷんだー♡、、こんにちねぎねぎー♪」


ナタリー「コニチワー!、、『ナタぷん』ッテ、、マタ呼ビ名ガ変ワッテルシ。。ア!かえでサン、コニチワー!!」


かえぽ助手「こんにちわ!ナタリーちゃん。ナタリーちゃんもパフェ食べに来たの?」


ナタリー「イエイエ!私、オ客サンジャ無インサネー!。。アノネー、ココ私ノオ祖母チャンのオ店ナンヨー!!。。オ祖母チャーーーン!、、ホラーッ!コノ子ガなおたんラヨーッ!!」


店員(ナタリーの祖母)「あらま~!そういんかねーっ!!。。ま~!あなたがなおたんちゃん!、、いやー、ば~かいと~しげな子 らねえ!※。。ナタリーがいつもお世話になってますねえ♪」(※訳:とても可愛い子だねえ)


なおたん「ハーイ♡お世話してます!してまーす♪」


ナタリー「サレテナイ!サレテナイ!!」


ナタリーの祖母「あはははっ!。。あ!ごめんなさいね!、、ご注文はお決まりですか!?」


かえぽ助手「あ!じゃあ、この抹茶パフェと、、あと、このコにはクリームソーダをもらえますか。」


ナタリーの祖母「えっ!?なおたんちゃん、クリームソーダなんて飲めるの!?、、壊れたりしない?大丈夫らんけ!?」


かえぽ助手「なおたんは人間と同じように食事が出来るんですよ!」


ナタリーの祖母「はー!スゴイんだねえ!」


なおたん「食べ過ぎたら菜っ葉のマークのお薬飲むからだいじょびだよー♪」


かえぽ助手「ラッパのマークでしょ!」


ナタリーの祖母「あははは!おもっしぇコらねえ♪なおたんちゃん!。。はい、じゃあ少しお待ち下さいね!」


厨房の方へ入るナタリーの祖母。


ナタリー「3年前ニ、オ祖父チャン亡クナッチャッタカラ、オ祖母チャン1人デ、オ店ヤッテルンサネ。ソレデタイヘンダロウカラ私タマニ、オ手伝イシテルンヨー♪」


ナタリーの祖母「ナ~タリー!、、あーんた、来たって、漫画本読んでいるだけらねっけー!(笑)」


ナタリー「ア!聴コエテイター!アハハハ!ダッテ、イツモ、ガラガラナンダモン!!」


なおたん「がらがらなんざえもん?」


パフェ専門店『Rice & Snow』は昔はそれなりに繁盛していたのだが、数年前、全国展開している人気のコーヒーショップと軽食やスイーツのメニューも豊富な有名喫茶店が近所に出来てからは以前のように席が全部埋まるということが無くなってしまった。現在は日に数名の客が来る程度である。


ナタリーの祖母「はーい、抹茶パフェとクリームソーダ!お待ちどうさまでした!」


なおたん「わー!キタキター!『クレーム相談』~♪」


かえぽ助手「『クリームソーダ』だよ!」


なおたん「いっただきまさおくさかりー♪」


 ちゅ~!


なおたん「んわ~♪お~いし~!!おいしー!おいしー!!。。ぐれーとぐれいてす美味しいー♪」


ナタリーの祖母「おい~しそうに飲んでくれるんだねえ!。。なおたんちゃん、ほん~っとにロボットなんけ?」


ナタリー「オ祖母チャン、私モ最初ソウ思ッタンテ~!信ジランネロー!!」


なおたん「おいしーねー♪ おいしーねー♪パチパチでシュワシュワだねー♡」


初めて飲んだクリームソーダに大喜びのなおたん。飲み終わるまでずーっとニコニコしながら「美味しーねー♪」を繰り返していた。


かえぽ助手「ごちそう様でした!美味しかったです♪」


なおたん「クリームソーダ美味しかったー♪ また来るねー!おばちゃーん♪ ばいならー♪。。♪あ、くりいむくりいむクリームそおだあ♪ ちゃんかちゃんか♪。。」


オカシナ踊りをしながら(もちろんなおたんが)帰っていった。


ナタリーの祖母「なおたんちゃん、楽しい女の子らったねえ。。あんなに幸せそうにクリームソーダを飲む子は初めて見たてー!、、また飲ましてあげてえねえ。。」


ナタリー「ダッタラ、オ店ヤメナイデ、続ケレバイイノニー!!」


ナタリーの祖母「いやー、、だけどもう引退らて!だーいぶ、なーごやってきたっけねえ。。どっちみち来月からこのビルの解体工事が始まるから、丁度イイタイミングらったんてー。。」


ナタリー「私モ、オ婆チャンノ作ル、クリームソーダ好キダッタノニナー。。なおたんモ残念ガルダロウナー。。」




それから数週間後、アーケード街を歩くかえぽ助手となおたん。『Rice & Snow』が入っていたビルは解体工事が始まっていた。


かえぽ助手「このビル壊しちゃうんだね。。ナタリーちゃんのお祖母さん、もうお店はやめてしまったのかなあ。。?」


なおたん「おばちゃん作った『グレート象さん』また飲みたいなー、飲みたいなー♪」


かえぽ助手「『グレート象さん』じゃなくて『クリームソーダ』だからね!ほとんど原型とどめてないしっ!。。なおたん、仕方が無いよ。もうあのお店は無くなっちゃったみたいだから。。代わりのおやつ買ってあげるから、それで我慢して!!」


なおたん「\ざんねーん/。。あーー!あーーー!!、、かえぽ隊長!あそこに『たい焼き』屋さんが見えたい焼きでありまーす♪」


かえぽ助手「そういうの見つけるの早いわよねえ。。あれ?あんなとこにたい焼き売っているとこなんてあったかな?。。新しく出来たのかなー!?」


今まで見かけたことのない小さなお店に近づく2人。「餅入りたい焼き『米と雪』」と表示されていた。


店員「いらっしゃいませ♪。。あ!!」


なおたん「あーーー!おばちゃーん♪」


カウンターの中に居たのはナタリーの祖母であった!


ナタリーの祖母「あらーー!!なおたんちゃん!!、、久しぶりらね~♪」


かえぽ助手「こんにちは!。。前のお店はやめられたんですねえ。」


ナタリーの祖母「あ~そういんさねー!、、だから本当はそのまま仕事もやめるつもりらったんどもね~、、娘夫婦やナタリーから話があってね。「お母さん本当はお店続けたいんでしょ?」って。それで娘夫婦が資金協力してくれて、またお店始めることにしたんて。今度はこんなちっちゃい「たい焼き屋」らけどね。まー、家にずっと居ても退屈だから、身体動くうちはもうちょっと頑張ろと思ってねえ♪」


かえぽ助手「そうだったんですか!、、あのビル解体されちゃったから、お店はどうされたかなあって思っていたんですよ!。。あ、じゃあ、たい焼き2つ下さい♪、、このたい焼き、中にお餅入ってるんですね!美味しそう~♪」


なおたん「もちもち美味しそーだねー♪ ねー、ねー、それとー、それとー、、またクリームソーダ飲みたいなー♪」


かえぽ助手「なおたん、ここはたい焼き屋さんだから、クリームソーダは売ってないんだよ!!」


ナタリーの祖母「。。って普通はそう思うでしょ!?。。うふふふ!あるんだよ!クリームソーダ!!」


なおたん「わーーー♪ あるの?あるの?クリームソーダ!!」


かえぽ助手「え!?本当にあるんですか!?」


ナタリーの祖母「ナタリーたちに相談したらね、『面白いんじゃないか!』ってことになって、たい焼きと一緒に販売することにしたんて!。。前の店でなおたんちゃん、クリームソーダ頼んでくったろー。そのときの幸せそうに飲む姿が忘れられなくてねえ。。ああ、また飲ませてあげられたらなあって思っていたんさねー。。また会えて嬉~してば!!」


なおたん「うっひょっひょー♪ クリームクリームクリームそーだ~♪ すーぱー嬉ちっちー!嬉ちっちソーダだよー♪ もう飲めないと思っていたよー♪」


ナタリーの祖母「あははは!クリームソーダなんて、どこにでも売ってんねかてー!」


なおたん「あのねー、おばちゃんの作るクリームソーダはホントのクリームソーダなんだよー♪」


かえぽ助手「ホントのクリームソーダ?」


ナタリーの祖母「クリームソーダにホントとかウソとかあるんかねー?」


なおたん「おばちゃん作ったクリームソーダは優しい味がするんだよー♡」



挿絵(By みてみん)

イラスト:ときは。



たい焼きとクリームソーダのお店『米と雪』。

1年後、テレビの情報番組で紹介され、それから大人気店になるとは、このときは誰も予想はしなかった。



-END-

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