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ロボットなおたん  作者: Nau
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【第122話】魔法少女カエポリン 2 『ブーツをぬいで』

年末年始の休暇最終日、実家に帰省中のめぐみは、昼食後、自分の部屋で一人クッションに寝そべりながら雑誌を読んでいた。


めぐみ「あーあ、、もう休み最終日かあ。。あっという間だったなー。結局温泉とか行かなかったなあ。。」


 ガタッ! ガタガタッ!!


めぐみ「わわわっ!!。。な、何!?」


突然押入のフスマがガタガタと動き出し、驚くめぐみ。


押入の中の声「とぉ、、あ、あれ?開かない!、、立て付け悪い!!、、ちょっと!このっ!!。。」


 ガタガタッ!!


めぐみ「。。この声!?この展開!?、、もしやっ!?。。あーっ!無理に開けないでーっ!。。このフスマ、開けるのにちょっとコツがいるからっ!。。ほ、よいしょっ!!」


 ガラッ!!


押入の中の声「とぉーーー!!」


 ぽりんぽりんかえぽりーーーん♪


 しゅたっ!!


カエポリン「呼ばれてないけど、ポリンポリーン♡ カエポリンでーす!お久しぶりです~♪」


めぐみ「あ!、、カエポリン!?、、あ、あの魔法使いの!?」


カエポリン「そうですよ!『魔法美少女』のカエポリンですっ!!。。ポリン♡」


ビシっと得意げにポーズを決めるカエポリン。


めぐみ「自分で『美少女』とか言う。。あ!、、靴!靴!、、ここは家の中だからブーツを脱いでーっ!!」


カエポリン「え?え!?履いてちゃダメなんですか!?。。そうなんですかー。。あ、なんかブーツ履いてないとカッコ悪い~!!。。」


めぐみに注意され、仕方なくブーツを脱ぐカエポリン。


カエポリン「あ!そうだ!めぐみさん!。。あなたは今日がお休みの最後だから残念に思っていますねー!それと、温泉に行っていれば良かったと思っていましたね!。。私は全部知っていますよ~!!」


めぐみ「あ、、いやそれはあなたが押入で聞いていたからじゃ、、」


カエポリン「おっけー!おっけー!とにかく温泉に行ければイイんですよね!!」


めぐみ「あのね、温泉って言っても何でもイイって訳じゃ無いんだよ。。そうだなあ、この時期だったら雪景色を観ながらの露天風呂に入れれば最高だよねー!!」


カエポリン「露天風呂?、、そんな簡単なお願いでイイんですかー?、、ではでは『サバノミソニ、、』」


めぐみ「あーっ!ちょっと待って!。。前みたいに時刻表と有給願いの用紙を出しただけなんてダメだからねっ!!」


カエポリン「私、そんな手抜きの魔法なんて一度もしたことは無いですよー!、、『スーパー魔法美少女』ですからねー♪」


めぐみ「あ、そういうことは忘れちゃっている訳ね、、今度は『スーパー』とか付いてるし。。え?いえいえなんでも無いです。続きをどうぞ。どぞどぞ。」


カエポリン「はいはい!それではもう一度!、、あ!めぐみさん!私につかまっていて下さいね!、、あー!それと私のブーツ持っていてもらってイイですかー?。。じゃー、いきますよー!!『サバノミソニー、チョトアキター!!』」


 ぽりんぽりんかえぽりーーーん♪


めぐみ「え?え?『行きますよ』ってどこにっ!?」



 ひゅううううううううっっ!!


めぐみ「わわわわ!!。。な!?、、なに!?。。ここどこ!?、、山?雪山!?」


めぐみはカエポリンが呪文を唱えた途端、目の前が真っ暗になり身体がふわっと軽くなった。数秒後、周りに何も無い雪山の中に立っていた。部屋着のまま飛ばされてしまったので靴は履いていない。


めぐみ「。。さ、さ寒い!!、、冷たい!足冷たいっ!!、、なにか履かなきゃ!!」


咄嗟に手に持っていたカエポリンのブーツを履くめぐみ。


カエポリン「あー!めぐみさん!それ私のブーツです!!。。あ!冷たいっ!!。。ちょ、せめて片方だけ返して下さいっ!!。。冷たい冷たい!!」


めぐみ「ちょっと!カエポリン!ここどこ!?。。建物とか全然無いんだけど!、、雪ばっかり!!。。おっとと!!」


片足でピョンピョンしながら周りをキョロキョロと眺めるめぐみ。


カエポリン「めぐみさん!ここは幻の秘湯ですっ!まだ人間には知られていませんっ!!。。おとととっ!!」


同じく片足でピョンピョンしながら説明をするカエポリン。


めぐみ「人間には知られていない!?、、え?どういうこと!?」


カエポリン「温泉は向こうですよー♪、、あ!先客が居ましたね!!」


めぐみ「先客?、、誰にも知られてないんじゃないの?。。あれ!?、、さ、猿?、、猿が温泉入ってるっ!?」


カエポリン「そうなんですよー!、、ここの温泉はお猿さんしか知らない秘密の温泉なんですよー!!スゴイでしょっ!!、、じゃじゃーん♪」


めぐみ「『じゃじゃーん』って。。あ、いや確かに露天風呂なんだけど。。な、なんか想像と違う。。スゴイ。。」


カエポリン「それでは人間代表のめぐみさんっ!ごゆっくりどうぞ~♪」


めぐみ「いや、どうぞって言われても、、ね、ねえ、脱衣所とか無いの。。!?」


カエポリン「あ!そうですよね!脱いだ服の置き場所が無いですよね!。。じゃあ、私が持っていますよー♪」


めぐみ「そういう問題じゃなくて!」


カエポリン「あれ?もしかして恥ずかしいんですかー?。。大丈夫ですよー!お猿さんしか居ませんし、、私も目をつむってますよー!温泉に入ったら合図して下さいねー!、、はい、イイですよ!どうぞー!!。。あ、脱いだ服は私の手に乗せていって下さいねー!はいどうぞ~!!」


めぐみ「あ、あのね、カエポリン。。そういう問題でも無くてっ!、、なんか落ち着かないなあ、、屋根のあるところで着替えたいんだけど。。タオルとかも無いし。。」


カエポリン「屋根ですかー。。じゃ~ちょっと頑張ってみますね!。。『サバノミソニー、チョトアキター!!』」


 ポリン♪


カエポリン「はいっ♪。。だ、脱衣、、しょ、、です、、(小声)」


めぐみ「えー!?。。これテントじゃないっ!!、、しかも、ちっちゃーっ!!。。こんな場所まで2人で瞬間移動するくらいスゴイ魔法が出来るのに、こんなちっちゃいテントって、、!?」


カエポリン「ゴメンナサイ。。最初の魔法にパワーを使いすぎちゃって、これくらいしか用意出来ませんでした。。うふ♡」


めぐみ「可愛く笑って誤魔化そうとしているわね。。アハハ!まあイイかー!、、こんな温泉普通だったら絶対体験出来ないもんねー!、、カエポリン!ありがとう!!、、じゃあ入ってくるねー♪」


カエポリン「喜んでもらえて嬉しいですー♪、、ごゆっくりどうぞ~♪」



めぐみ「わー!こんな温泉初めてだ~♪。。お猿さん、ちょっとお邪魔しますよ~♪。。お!お!丁度イイ湯加減~!。。はあ~~~!。。気持ちイイ~~~♪」


カエポリン「くしゅんっ!!」


めぐみ「カエポリン!?、、寒いんじゃないの!?。。風邪引いちゃうよ!カエポリンも温泉入りなよっ!!」


カエポリン「だ、大丈夫ですー!おおお気になさらずにー!。。それにわ私、温泉に入ったことが、な無いんですー!!」


めぐみ「いやいやいや!声が震えているよー!、、え?温泉入ったこと無いの?、、こんなに気持ちイイのに!。。カエポリンの国、、あ、世界って言うのかな、、そこでは温泉って無いのー!?」


カエポリン「温泉なんていうのは無いです。。それと私たちの世界ではお湯に浸かるという習慣はありま。。っくしゅっ!!」


めぐみ「ほら!やっぱり寒いんじゃないっ!。。そこで服脱いで温泉入んなよっ!温まるよーっ!!」


カエポリン「え!?こんなトコで服脱ぐんですかっ!?」


めぐみ「自分が魔法で出したんでしょっ!!」



カエポリン「はああ~~~!。。気持ちイイ~~~♡」


めぐみ「でしょっ!!」


カエポリン「温泉って気持ちイイんですねー!こんなに気持ちイイこと生まれて初めてです~♪」


めぐみ「そもそもカエポリンは歳はいくつなの!?」


カエポリン「私は122才です!、、まだ子供ですよー♪」


めぐみ「ひゃくにじゅうにっ!?。。122才で子供!、、なんじゃそりゃ!!」



めぐみ「カエポリン、身体あったまったー!?。。そろそろ帰ろうか!。。ちゃんと帰れるだけのパワー残ってる!?」


カエポリン「温泉のおかげでポカポカパワーマックスです~!」



カエポリン「じゃー、戻りますよー!、、しっかりつかまっていて下さいね~♪」


めぐみ「あ、そうだ!、、カエポリンのブーツ持たなきゃ。。」


カエポリン「サバノミソニー、チョトアキター!!」


 ぽりんぽりんかえぽりーーーん♪





 しゅたっ!!


カエポリン「はいっ!着きましたー♪ もう手を離してイイですよー!めぐみさん!、、あれ?顔が赤いのは温泉に浸かったからなのかな?、、って、めぐみさんじゃない!?、、あれれー?。。あ!ブーツも置いてきちゃった!!」


子猿「ウキーーーッ!!」


めぐみがカエポリンのブーツを取ろうとして一瞬だけ手を離してしまったのである。それと同時に1匹の子猿がカエポリンの足につかまっていたのであった。そして、1人置いていかれためぐみ。


めぐみ「もーーーっ!!どうしてお猿さんのほうを連れていっちゃうのよーっ!、、うきぃーーーっ!!」


猿「ウキキー♪」


そのとき、近くに居た猿がカエポリンのブーツを履いて遊んでいた。


めぐみ「こらーっ!!、、温泉に入るときはブーツを脱いでーっ!!」



-おわポリン-

なおたん「♪ブーツをぬーいで~就職活動~♪」


かえぽ助手「それを言うなら『ブーツをぬいで朝食を』でしょ!」


ぽん博士「かえぽ君、なんで知っているのだ!?」

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