【第116話】なおたんにほえろ!
ぽん博士「かえぽ君!アサミちゃんのテストに協力してもイイという店舗が見つかったぞ!」
かえぽ助手「ガソリンスタンド店員ロボットのアサミちゃんですね!。。それにしてもよくロボット店員のテストを引き受けてくれるお店を見つけましたねえ!」
『アサミちゃん』というのは、ぽん博士の友人『コニー博士』が作成したガソリンスタンド業務をサポートするためのロボットである。渡英中のコニー博士に代わって、アサミちゃんの保守管理をぽん博士が引き受けたのであった。ぽん博士はとある協会を通し、アサミちゃんのテストに協力してくれる店舗を募集していた。
ぽん博士「かえぽ君、覚えているかなあ。。7月に出席した技術説明会のときに寄ったあのスタンド。ほら、あのゴリラみたいな店員さんがいたスタンド!」※
※【第101話】カテゴリーを参照。
かえぽ助手「あ!あそこですか!覚えてますよ!。。なおたんが『ゴリエコ君だー♪』とか叫んで恥ずかしい思いをした※ 場所ですよね。。あの場所は忘れませんよ!」
※実際はぽん博士もかえぽ助手もかなり失礼なことを言っていたのだが。。
ぽん博士「店長さんとあの対応してくれた五里羅さんがなおたんのことをよく覚えていてね。『ぜひうちにやらせて欲しい』ということで連絡が来たんだ。」
翌日。アサミちゃんを乗せ、自動車で移動中の博士たち。with 勝手についてきた なおたん。
なおたん「あそこのスタンド行くのー?ゴリちゃんが居るトコだよねー♪」
かえぽ助手「なおたん!ちゃんと五里羅さんって呼ばないとダメだよ!」
なおたん「『チャント・ゴリラ』ー?。。ヘンな名前だねー♪」
かえぽ助手「そうじゃなくてっ!!」
国道を1時間ほど走り、目的地のガソリンスタンドに到着した。店長からスタッフを紹介してもらうぽん博士たち。
なおたん「ゴリちゃん、また後でウホウホやっ、、むがむぎゅ(ry。。」
かえぽ助手「いいえ、なんでもありませんっ!!」
慌ててなおたんの口を押さえる、かえぽ助手。
所長「こちらがもう一人の担当の『山村』です。みんなは『山さん』って呼んでますね!」
山村「山村です。よろしくお願いします!」
アサミ「山さんとゴリさんですね!『アサミ』です!よろしくお願いしまーす♡」
なおたん「『殿下』とか居ないのー?」
かえぽ助手「『太陽にほえろ!』じゃ無いからっ!!」
ぽん博士「か、かえぽ君っ!(よく知っていたなあ。。)」
かえぽ助手「ああ!す、すみませんっ!!」
なおたん「うちのかえぽがお馬鹿なこと言ってごめんなちゃい♪」
かえぽ助手「言ってるのはお前じゃっ!!。。あああ!すみませんっ!!」
五里羅「あははは!。。なおたん、いつも楽しいッスねえ!。。いやーしっかし、アサミちゃん!、、可愛いロボットですねー!!」
山村「いやー!ホント!ホント!!」
なおたん「ゴリちゃん、胸が『ウホ!』ってなるねー♪」
五里羅「いやいやいや!『ウホ!』とか言わんでしょー!普通!!」
なおたん「あー!そうかー!、、『ウホウホ!』かー♪」
五里羅「もっと言わんわっ!!」
そして基本的なシステムの説明を聞いてから、いよいよロボット店員としての実施試験が始まったのであった。アサミちゃんは説明を一度聞いただけですぐに対応することが出来る優れたロボットだった。他の店員と全く変わりなく、テキパキと仕事をこなしていった。
アサミ「いらっしゃいませー!レギュラーですかー?ハイオクですかー?。。ポイントカードはありますかー?」
かえぽ助手「へえ~!アサミちゃん、なかなか上手くやれてますねー!」
ぽん博士「ガソリンスタンド店員に求められるスキルに集中してプログラミングされてあるからね。しかも今日みたいに急激に気温が下がった日でも、人間と違って暑いとか寒いとかを苦痛に感じることが無いから、いつも変わらないキビキビした対応が出来るんだな!それにしても流石コニー博士が設計しただけのことはあるなあ!!」
アサミ「お客さん!助手席側のワイパー、だいぶ劣化してますねー!交換しておきましょうかー!?」
かえぽ助手「わあー!そんなところまでチェック出来ているんですね!しっかり営業してますねえ!!」
ぽん博士「うちのなおたんはあそこまで出来ないだろうなあ。。」
かえぽ助手「でしょうねえ。。なんとなく想像が出来ますが。。」
ぽん博士「もし可能であれば、ついでになおたんもテストさせてみようかねえ?」
かえぽ助手「えええ!?だけど、お店側にとってもとってもとっても(とっても比:通常の3倍)迷惑かかっちゃうんじゃないでしょうか!?」
なおたん「私、やりたーい!。。なおたんさん、なおたんさん、3番テーブルご指名でっす♪」
かえぽ助手「なんか別のお店と間違えてない!?。。うわ~!やらせたくないっ。。!!」
そして、ぽん博士はかえぽ助手の心配をよそに、なおたんにもテストをさせてもらえるか店長に相談をしてみた。
店長「はいはい!イイですよー!楽しそうじゃないですか!、、隣で山村君がフォローに入りますから大丈夫ですよー♪」
ぽん博士「おお!そうですかー!ありがとうございます!!」
なおたん「よし!山さん!現場はこっちですなっ!!。。ウー♪ウー♪」
山村「あ!なおたん!ちょっと待ってー!ちょっとー!、、てか、なんでパトカーの真似。。?」
かえぽ助手「『太陽にほえろ!』かいっ!!」
ろくに説明も聞かないで、入ってきた自動車を誘導する、なおたん。
なおたん「オーライ!オーライ!。。ぶつかったら、すとーっぷ!!」
かえぽ助手「ぶつかってからじゃ遅いでしょっ!!」
山村「すすストップ!、、ストーップ!!」
慌てて車を止める山村店員。そんなことは構わず、なおたんはニコニコ笑顔でお客さんに対応を始める。
なおたん「いらっしゃいませー♪。。レギュラーですかー?補欠ですかー!?」
ぽん博士「一体何を聞いとるのだ!?」
なおたん「レギュラー?。。わー!スゴイねー!勝ち取ったんだねー!エライねー♪。。え?元気で?そうだよねー、元気でファイトいっぱーつ!がイイよねー?、、じゃない、現金?。。なんだー、そうかー、現金かー。。ねー、ねー、現金がたくさんあると元気になるんだよねー!だけど現金がたくさんなくても元気がイイんだよー♪。。」
かえぽ助手「は、博士、なんか見ていて心臓が痛くなるんですけど。。まだ、なおたんのテスト続けますか!?」
ぽん博士「まあまあ、山村さんが一緒に居るから、もう少し様子を見てみよう。。しかし、なおたんはスペック上では演算能力も反応速度もアサミちゃんやほかのロボットよりはるかに高い筈なんだがなあ。。おかしいなあ!?」
かえぽ助手「そういう予想出来ない能力もなおたんの特徴なんでしょうけど。。それがどう役立っているのか今のところサッパリわかりませんねえ。。」
なおたん「吸い殻とかゴミとかありますかー?窓拭きますかー?顔も拭きますかー?、、え?顔はイイの?、、ちゃんと洗ってきたのー?。。ふーん。そうなのかー♪。。じゃあ、じゃあ、ジュース飲むー?、、だったら自販機にお金入れてボタン押してねー!お兄さんのボタンじゃないよー!そこ押しても何も出てこないからねー♪」
かえぽ助手「博士~、、やっぱりアレひどすぎません。。!?」
ぽん博士「いや~、それでもお客さん、笑っているぞ!!」
かえぽ助手「あ!本当ですね!。。優しそうなお客さんで良かった。。」
なおたん「はーい!じゃあ200万円のお返し~♪」(ダミ声で)
今では本物のオヤジもやらないであろうというオヤジギャグでお釣りを渡すなおたん。
アサミ「ありがとうございました~♡」
対照的に爽やかな笑顔でお客さんを送り出すアサミちゃん。
なおたん「ほらー!ゴリちゃん、いつもみたいに『ウホウホ!』ってサービスしなきゃー♪」
五里羅「そんなサービスは元々してないからっ!!」
そんなやり取りを繰り返しながら、ガソリンスタンドでのテストは終了した。アサミちゃんはどんな作業でもソツなくこなし、店長からは是非正社員で雇いたいという話まで出たのであった。
一方、なおたんはと言うと、、やっぱりいつもどーりのなおたんなのでありました。
山村「ふええ~。。」
五里羅「お?どうした、山さん!?」
山村「いつもより楽しかったんだけど。。と、とにかく疲れた。。」
かえぽ助手「1日なおたんと一緒だったんですもんねえ。。無理も無いですよね。。」
なおたん「\ざんねーん/、、山さんは今日で最後かー!。。また新しい刑事が配属されるのかなー?」
山村「いやいや!殉職してないしっ!!」
所長「まあ、それにしても無事に事件が解決して良かったな!」
五里羅「別に事件なんて起きて無いじゃないですか!、、てか、なんでブラインド越しに夕陽眺めてるんですかっ!?」
ぽん博士「あ!それ、太陽に。。」
なおたん「ウホウホッ!!」
かえぽ助手「ほえるなっ!!」
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