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ショート

ショート:おかしな関係

作者: 柏木一木

僕の知り合いの彼と彼女は恋人同士だ。

それは喜ばしいことだから、とやかくいうつもりはない。

でも、二人はおかしかった。


「っていうか、あんたおかしいよね」

「いや、お前の方がおかしいって」


と二人の会話が始まる。


「なんで、わたしのことが好きなん?」

「どうして、お前は俺のことが好きなんだ?」


別に好き合っているのならば、それでいいんじゃないか。

僕はそう思うのだけど、二人はそれが気に入らないらしい。


「わたし、わたしのこと嫌いだもん」

「俺だって自分のことが嫌いだぜ」


二人は正反対の趣向を持っている。

例えば、彼は犬が好きだし、彼女は猫が好き。

一番の齟齬は、互いのことが好きということ。


「どうして、わたしなんか好きなのさ」

「俺も訊きたい。俺のどこがいいんだ?」


と、会話は平行線のまま進むことがない。


「まぁ、わたしたちよりもおかしい奴がいるからいいか」

「そうだな。俺達よりもおかしい奴がいるし」


そういって、僕のことを見る。


僕は二人が好きだ。

だから、二人は僕のことが一番おかしいという。


「君らのほうがおかしいよ」


僕らはそんなおかしい関係で何年も続いている。

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― 新着の感想 ―
[一言] これも1つの安定した関係なんでしょうかね。危うさというか、カップルで称賛しあうだけだと2人きりの世界に閉じこもってしまいそうだからこうして第三者を引きずり込む事で、意識を外に持ってくような …
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