スキゾイドと引き寄せの法則
「スキゾイドは“引き寄せの法則”なんて信じるのか?」
と問われれば、私はこう答えるだろう。
──役に立てば信じる。
しかし残念ながら、今のところ“そのままでは役に立たない”。
世間で言う引き寄せの法則とは、いわゆる成功哲学や金儲けの一環として語られることが多い。
「ポジティブな波動を出せば、同じ波動の富や人脈が集まる」などというものだ。
だが、この発想の根底には「人間関係ありき」という前提がある。
つまり、人を集め、他者のリソースを結集し、社会的成功を構築するための法則なのだ。
ここが、スキゾイドとは最も相性が悪い。
スキゾイドにとって、他者は“資源”ではなく、“ノイズ”に近い。
関われば疲れる。集めれば消耗する。
成功哲学が説く「人脈拡大」「チーム形成」「共感力の強化」は、スキゾイドからすれば
「無理ゲー三連コンボ」である。
だからこそ、スキゾイドは自分専用にカスタマイズされた“引き寄せの法則”を持つ必要がある。
つまり、「人を引き寄せる」ではなく「不要なものを遠ざける引き寄せ」だ。
もはや“引き寄せ”というより“引き払いの法則”と言ってもいい。
再構成されたスキゾイド版のマインドセットを挙げるなら、
たとえばこうだ。
* 健康:身体不具合に対する鋭敏な対応と、身体的安定を得る習慣を身につけていく。
* お金:人に関わらなくとも収益性が見込める流れを作る。
* 人払い:関係を断つ勇気と、関わらずに済む環境整備。
* 自己顕示欲対応:顔出しリスク完全回避の環境を得る。
* 食欲対応:暴飲暴食とか買い過ぎを抑制ベクトルにする。
* 情欲対応:恋愛とか結婚とかに理想を持つことは、もはや必要ない。
* 住居確保:人付き合いや絡んでくる奴がいない住環境を“引き寄せ”る。
* 能力最適化:得意分野に特化し、他をすべて自動化・外部化する。
これらは「願えば叶う」ではなく、「合理的に整える」ための意識設定である。
いわば「引き寄せ」というスピリチュアル用語を、スキゾイド的ロジックでリファクタリングしたものだ。引き寄せの筈が、もはやミニマリズムに寄っているような?
スキゾイドがこうした実用的“引き寄せ”の効果を実感し始めたら、案外その世界にハマるかもしれない。
なぜなら、スキゾイドは思想よりも結果を信じる生き物だからだ。
「引き寄せ」は信仰ではなく、観察と実験の対象である。
そして何より、スキゾイドにとっての“理想的世界”とは、他人の波動ではなく、自分の静寂を引き寄せる世界なのだ。




