役に立たざる健康法
スキゾイドボディは、日々ストレスに晒されている。
ストレス解消のために暴飲暴食に走る人もいるが、私の場合は理屈に走る。
「理論的に健康になれる方法」を考えるのだ。実に非健康的な趣味である。
ところで、外国人は海藻類を消化できないという。海藻を分解する腸内細菌を持たないため、ほぼそのまま出ていくらしい。
一方、日本人はその細菌を保有している。つまり海藻を消化できる、稀有な民族なのだ。
だが逆に、日本人が消化できないが欧州人は消化できるものもある。それが「生のオリーブ」、そしてそれを絞った「オリーブオイル」だ。
ここで私はひらめいた。
「パン・ご飯・麺類にオリーブオイルをかければ、消化されずに糖質制限になるのではないか?」
思いついたら、実験しないわけにはいかない。
乾麺をゆで、湯切りし、オリーブオイルをかけてよく混ぜる。
そこに粉末ソース焼きそばの素をまぶして混ぜ、食べた。味は悪くない。
「これは来たかもしれん」と満足して寝た。
そして翌朝、腹が下った。
どうやら「消化できない=カロリーゼロ」ではなく、「消化不良=腸への暴力」だったようだ。
便秘気味の人には一瞬効くかもしれないが、万人に勧められる方法ではない。
肝臓が弱い人にもお勧めしない。むしろ健康が逃げていく。
ちなみに重要なポイントがある。
オリーブオイルを“あとがけ”すること。パンの生地に練り込んだり、ご飯に炊き込んだりしてはいけない。
加熱されると脂質の性質が変わるからだ。
この実験の本質は、あくまで生オリーブオイルの理論的糖質制限効果(仮)である。
もっとも、結果として得られたのは、糖質制限ではなく「人生経験」であった。
……スキゾイド健康法とは、結局のところ、理屈を体で否定する遊びなのかもしれない。




