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スキゾイドと好みの異性

スキゾイドの恋愛観は、どこまでもファンタジーである。

まず前提として、スキゾイドは基本的に「誰でもいい」とはならない。他人と関わりたくない性質ゆえに、どうでもいい相手は徹底的にどうでもよい。むしろ、視界から消えてほしいくらいである。


しかし、好みの異性に出会ったときだけは状況が一変する。普段の無関心が嘘のように、対象に異常な関心を抱き、頭の中で完璧な恋愛関係を思い描く。そしてその結末として「結婚」をゴールに据えてしまう。

だが、若いスキゾイドは知らない。結婚はゴールではなく、むしろスタートであるということを。


現実の家庭生活には、矛盾や不整合が溢れている。家計、子育て、親戚づきあい――そのどれもが「整合性を乱す要素」である。恋愛ファンタジーの中では想定されなかった「他人と生活を共にする苦痛」が、結婚後に現実として襲いかかってくる。


さらに、男性の主観で言えば「美人」の存在はファンタジーの象徴となる。だがある時、彼女らの美しさが決して“自然なまま”ではないことを知る。化粧、髪型、ファッションの細やかな調整、体型維持のための運動やダイエット――その全てに相当の努力と金銭が投じられている事実を突きつけられるとき、ファンタジーは一気に色褪せる。

「美人は金がかかる」――その現実を理解した瞬間、恋愛幻想は音を立てて崩れ落ちる。容姿に惚れたなら、その維持費まで背負えるのか? そう自問したとき、多くのスキゾイドは夢から覚める。


やがて食欲が細り、性欲も枯れかけてくると、ふと気づく瞬間が訪れる。――あの時の「永遠の愛」は、実は性的欲求によって支えられていたのではないか、と。

異性はいつまでも美しいわけではなく、好みもまた時と共に流動する。永遠を誓ったはずの愛が、その流れの中で揺らいでいくのなら、幻想の純粋さはどこへ行ってしまうのだろうか。


こうして、スキゾイドの恋愛の行方はしばしば悲惨である。幻想を守ろうとすれば現実に押しつぶされ、現実を直視すれば幻想が壊れる。恋愛という舞台は、整合性を求めるスキゾイドにとって、あまりにも矛盾に満ちた世界なのだ。

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