呪いのスキゾイド
「人間は、他人を自分のように扱う」――古来から伝わる至言である。
では、もしスキゾイドがこれを忠実に実行したらどうなるだろうか。
スキゾイドは矛盾を嫌い、整合性を至上とする。曖昧な言葉遊びや、裏表のある態度を許さない。彼らにとって「論理的に破綻していないか」「筋が通っているか」は、呼吸と同じくらい自然で不可欠なことなのだ。そんなスキゾイドが他人を自分のように扱ったなら――整合性を求められ、矛盾を咎められ、妥協を許されない世界に、相手は引きずり込まれることになる。
これは他人にとってはもちろんのこと、スキゾイド自身にとっても呪いだ。なぜなら、他者はスキゾイドのように整合性を武器に生きてはいないからだ。矛盾を抱えながら、感情と妥協で折り合いをつけて進んでいくのが人間社会の常である。そこに「絶対に矛盾を許さない存在」が入り込むと、摩擦は避けられない。相手は疲れ、距離を置き、スキゾイドはますます孤立する。自らが大切にする秩序が、他者を傷つけ、自分自身をも縛りつける。
だからこそ、スキゾイドの整合性は「美徳」であると同時に「呪い」でもある。
世界の矛盾を許さない者が、自分をも許せなくなる瞬間。
その孤高さの影に潜むのが、この「呪いのスキゾイド」という存在なのだ。




