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超醒の救世者  作者: ミライ
1章
9/22

〇〇〇○〇〇・〇○〇〇○〇○〇〇と〇〇〇〇の談話

 夜、未来都市は闇に包まれる。人口の大半を学生が占めているため、夜間に出歩く人が少なくなるからだ。このビルは、辺りに照明が一つもないため、闇に溶け込みやすい場所の一つだ。

 謎の気配は、屋上から誠志(せいじ)がコンビニに駆け込むのを見ていた。耳に着けたインカムの奥にいる人物と話しながら。


「首尾はどうだい?」

「言いたいことはたくさんありますが…一先ず、彼と接触できました」


「そうか、ご苦労だったな。それで、言いたいこととは?」

「はぁ…彼は…超能力者じゃないんですか?この世界に必要だから、呼んだんですよね?」


「…なるほど、そういう認識か…」

「そういう認識?ということは…」


「あぁ、蒼井誠志は間違いなく超能力を持っている。しかしだね、なんというか…少々特殊なんだ」

「それが、彼をこの世界に呼んだ理由…なんですね」


「そうだ。それで、言いたいことはそれだけか?」

「いえ、まだまだあります。昨日言いそびれましたが、なんで転移の場所を誤ったんですか?そもそも、それさえなければ、ここまで足を運ぶことはなかったのに」


「それこは目を瞑ってくれ。緊急だったんだ。数秒遅れていたら、蒼井誠志を諦めざるを得なかった」

「はぁ、あなたのことはこれっぽっちも分かりませんが、未来を見ることはできないんですか?」


「見た結果がこれだよ。この世界でいえば、私は無数の可能性を見ることができる。しかし、蒼井誠志がいた世界は、こことは違う。私の力も効力をかなり失ってしまってね。数秒先が限界なんだ」

「緊急だったことは分かりましたけど、転移の場所は指定できなかったんですか?」


「効力を失っていると言っただろう。転移の力も例外ではないんだ。逆に、未来都市内に転移させられただけでも褒めてほしいくらいだよ」

「まったく…もういいですよ。残りの聞きたいことは、そちらに戻ってからにします」


「ははは、お手柔らかに頼んだよ。それよりも、蒼井誠志はあのままでよかったのかい?」

「えぇ、彼にはこのまま学生治安維持委員会(S M C)に入ってもらいます。もとより、彼には僕たちの組織に入ってもらい、サポートするつもりだったので」


「確かに、未来都市は学生治安維持委員会(S M C)に対してかなりの支援をしているからな。私たちのところよりも、良い環境だろう」

「まぁ、直接的な関わりがない分、今後色々と苦労しますが、そこは何とかしますよ」


「頼んだよ。それよりも、第五区画の学生治安維持委員会(S M C)か…」

「その話は、長くなりそうなのでなしですよ。戻ってからにします」


「それもそうだ。もう夜も遅い、気をつけて帰ってくるように」

「まったく、誰のせいだと思って」


 通話を切ると、その静寂さを再認識させられる。暗闇に溶け込んだ謎の気配は、もう誰にも認識できない。気づけば、そこには誰もいなくなっていた。

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